延辺料理「延吉香」(エン・ジ・シャン)
場所は、御徒町駅南口より徒歩1分。ハトヤビル3F。
JR京浜東北線で蒲田から向かったのだが、ホームからもビルが確認できた。
エレベーターを利用して入店すると、まだ新しく、すっきりとモダンな店内。
入口正面のテーブルには、スタッフさん(中国人)が皮むき作業中だったのだろう。
ニンニクの山があった。
利用人数を告げると、窓際の4人掛けテーブル席へどうぞ、との指示。
眼下には、御徒町南口駅前広場(おかちまちパンダ広場)を望めるというロケーション。
卓上には、醤油、酢、塩、紙ナプキン、呼び出しベル、灰皿、串入れなどが置かれ、
箸箱を開けると、ロゴ入り箸袋に入った箸、爪楊枝、使い捨て紙おしぼりがあった。
メニューをもらい、生ビール@525を注文。取り皿と3種類の突き出しが先行。
さて、延辺料理とは、北朝鮮の国境に程近い中国北東部の延辺朝鮮自治州の料理。
朝鮮族が多く住む地域で、甘酸っぱい味や、唐辛子、孜然(クミン)を使うのが特徴。
東北料理は、黒龍江、吉林、遼寧、内モンゴル東部の東北地区の料理で、
穀物、羊肉、茸などの漢方食材などを使い、濃い味付けで、土鍋料理(燉)も多い。ということだ。
当店では、延辺料理のほか、東北料理、四川料理と楽しめるわけだが、
せっかくなので、本場中国料理に詳しい同行者達と相談して延辺・東北を中心に料理をいただきたい。
東北大拉皮(ジャンボ春雨のゴマダレ和え)@1,000
表面には、キュウリ、ニンジン、肉、ネギ、キクラゲ、玉子、香菜が並ぶ。
ジャンボ春雨とゴマダレは下に敷かれているので、サーブ時にセットされたトングでかき回す。
これはジャンボ春雨を食す料理とのこと。
ゴマダレはオレンジっぽい色味で、強烈な辛さをイメージさせるが、むちむちとした食感の
春雨に絡み、シャキシャキ野菜と一緒に口へ運ぶと、濃厚で甘酸っぱい食味。
本場のものはもっと酸っぱくて辛いらしいけれど、手加減してくれてるのかな。
私のような初級者には丁度良し。箸が進む味だ。
延辺羊肉串(一串)@150、新疆羊肉串(一串)@150
ワイルドな串が野性を目覚めさせ、食欲をそそる。
ラム串、手前の唐辛子がパラパラとかかっているのは延辺で、
奥の新疆(しんきょう)は唐辛子とクミンがけ。
“肉らしさ”を味わえ、噛みしめるごとに旨い。
特辣羊肉(激辛ラム肉串)(一串)@200
唐辛子とクミンががっつり。
特辣だけに、ビリビリとした痛みが伴う辛さだ。しかし、これが癖になる。
羊筋(ラム筋肉串)(一串)@200
いい具合に噛みごたえあり。健やかな筋肉美味し!
紅油肚絲(ハチノスのラ油和え)@980
ネギと和え、トップは香菜が飾る。
イメージに反し、辛くはない。
どちらかと言うと甘めで、臭みのない牛の胃(ハチノス)と、もりもりいただける。
醤大骨(豚背骨の中華旨煮)@980
東北料理の定番!使い捨て透明のビニール手袋付き。
これで、孔府家酒(白酒)ボトル、という流れになる。
いつものように、手袋をはめバキバキと関節技をきめ解体し、骨回りの肉にしゃぶりつく。
当店の醤大骨は、じっくり味がしみているけれど、甘めだな。
小鶏炖蘑(干しめじと鶏肉土鍋)@1,200
東北地方の野生のきのこ、干した蘑が味の決め手。
香りと出汁が味を深め、しみじみ系の旨さ。
味付けはしっかりしているが、嫌味のない味で、鶏肉は骨付きでするりと外れ、
蘑は噛みしめるとジワジワと味が出る。
これは、かなり現地風に仕上がっているとか。美味い。
玉米冷麺@1,000
トウモロコシを使った黄色くコシのある冷麺は、延辺料理のカテゴリ。
氷を浮かべたスープには、茹でたまご(半分)、キムチ、カットフルーツほか。
当店ではリンゴだったが、店によっては梨など、同じではないようだ。
甘酸っぱいが、舌残りをしないさっぱり感が、〆の麺にいい。
訪問時、利用客は中国人が多かった。それだけ、本場の味がいただけるということだろう。
しかし、来店する日本人客が、誰しもマニアックな人たちばかりだとは限らない。
ニーズの多様性に応えられるよう、メニューは日本人好みの献立を取り混ぜている。
お会計は、飲んで食べて、1人当たり5,000円(千円未満四捨五入)
ローカルな料理は、ある程度人数を集めたほうが楽しめます。美味しかった。
延吉香(エン・ジ・シャン) 御徒町店
東京都台東区上野3-27-3 ハトヤビル 3F
TEL 03-5818-6033
営業時間/ 11:30~24:00
定休日 無休 -店舗情報「食べログ」より-
※中国料理満足度数は、3.6~5.0