「火鍋 趙楊 」(ヒナベ チョウヨウ)
香港でも食事を共にした飯友さんから「火鍋に行きませんか?」と、グルメなお誘い。
私も連れ(寝太郎さん)も彼の大ファンなので、食事を通して交流を深められるのは
嬉しいし、また、お店が「火鍋 趙楊 」さんとは渡りに船。
というのも銀座時代にランチでお邪魔して不本意な結果に終わったからです。
趙楊氏といえば、中華料理好きでその名を知らぬ人はいないほど有名な四川料理の重鎮。
その世間的な評価は高く、同氏がオーナーシェフを務める新橋の「趙楊」は
本格四川の最高峰とも称されているのです。
三田にオープンした当店は火鍋を専門にしたお店ですが、きっと私が持つマイナスイメージを
払拭する足掛かりになるはず。これは願ってもない話なのです。
場所は、田町駅と白金高輪駅の中間あたり。「御田町 桃の木」さんと同じ通りに位置しています。
当日は4名での予約で現地集合。
入店すると、四川特有の香辛料が芳しい香りとなって漂い、鼻腔をくすぐった。
――きた!香りの飯テロ。
先制パンチの芳香にくらくら。
上質な四川の空気を吸っているだけで、お腹の虫が騒ぎ始めてしまうわ。
さて、シンプルですっきりした店内はテーブル席のみでレイアウト。
今回リザーブされていたのは中ほどの円卓ですが、各卓はブラインドによりプライバシーを確保。
食べログ情報によると、席数は25席とのことです。
テーブル・セッティング:箸置き、箸、レンゲ置き、レンゲ、取り碗(2)、紙エプロン、グラス
テーブルクロス:なし
卓上調味料:なし
その他:カセットコンロ、卓上鍋小物一式、メニュー(お玉、あく取り、だしいれ)、おしぼり
飯友さんが予約してくれた正宗四川二色火鍋(お一人様@7,500)のコース内容は以下のとおり。
・本日の前菜3種
・火鍋食材30品(特選食材)
・本日のデザート
各人への菜譜の用意はありませんが、卓に置かれたメニューで確認可能。
また、記すまでもないのですが、料理は前菜とデザートが各人ごとのポーションで、
火鍋食材は人数分を一緒の器に盛り付けたスタイルで供され、サーブ時には
丁寧な説明を受けられます。
あっ!厨房近くに可愛らしいパンダを発見!
アリクイみたいにお鼻が尖ったこの子の仕事は背中にティッシュを詰め、とっさの時に
出動するお助けパンダ的な役回り。普段はのんびり椅子に腰掛けているのかしら。
ゆるい感じがたまらなくいい。
聞くと、名前はまだないというので、今宵ネームで私が「来来」と命名。
(寝太郎) おいおい(汗)。それって自由すぎないかっ。
度量が広いお店の方の承諾を得て、私達の会食の場にもちょこっと参加してもらうことにしました。
「来来」接客のお仕事だよー。
ハートランドを注文後、のん兵衛たちはボトル紹興酒選びにかかるわけですが、
値が張るものばかりかと思ったら、2,800円という提供価格で、想像していたよりも
値ごろな印象を受けました。この顔ぶれなら、3本は飲んでしまうことでしょう。
本日の前菜3種
①皮蛋・・・フレッシュな花椒とともに皮蛋のコクを楽しむ大人エレガントなテイスト。
②自家製叉焼・・・素材の味を大切に旨みが閉じ込められ、味には品の良さも。
③茹で落花生のみそ和え・・・しっとり柔らかな落花生をまろやかな口当たりのみそがコーティング。
地味な風体ですが、酒の肴にチビチビつまんでおきたくなる味わいです。
火鍋食材
出汁にもなる2皿がスターティングメンバー。
・魚介・・・北海道から仕入れたホタテ、マダラ、エビ、マツカサイカ。
・モツ・・・豚レバー、ガツ、ハチノス。
鮮度の良さは明明白白!光り輝く宝石たちのよう。なんて素敵なんでしょう。
麻辣と白湯がセットになった鴛鴦の鍋底(スープ)へ。最初だけお店の方が投入してくれました。
取り碗は、麻辣用と白湯用に各自2つずつ使い分けれるように用意されていますが、
説明によると、麻辣に関しては、辛さの好みに個人差が生じるため、はじめは
麻辣1割、白湯9割の比率でブレンドする“麻辣の白湯割り”をお勧めしているんですって。
確かに、徐々に麻辣分を足して、好みの辛さに仕上げるのは有効な手段だけれど、
“正宗四川”当店の麻辣って、そんなに凶暴な辛さなのかしら。
(来来) 魚介は3~4分ぐらいで食べられるけど、モツはよく煮込んでからのほうが美味しいよ。
(ノブロー) おめ、ティッシュケースのなりして、ただもんじゃねえな(汗)。
火鍋食材
「季節毎」月ごとに旬の野菜を入れて提供。品数豊富で盛り付けもワンダフル!
・野菜・・・ちぢみほうれん草、白菜、タアサイ、インカのめざめ、豆腐、下仁田ネギ、レンコン、
山ウド、南瓜、黄ニラ、舞茸、エノキ、霜降り平茸、ヤマブシタケなど。
的確なアドバイスをくれるお兄さん(マネージャーさんかしら?)の個人的なおすすめは白湯。
白湯には干しエビなどが活躍していて、ミルキーでコクが深いのにあっさりぐいぐい飲めるウマ口で、
味が染み込みやすい葉物野菜の白菜には、鉄板の相性かつ絶大な威力を発揮します。
花椒を効かせた麻辣は、痺れに邁進した力押しの辛さではなくピリリとじわじわ
品の良く攻め入るタイプ。当店の“正宗四川”は、大衆四川とは一線を画するクオリティ。
私や寝太郎さんは辛さに耐性があるので、“割りもの”要らずで、
ハイグレードな麻辣を楽しめましたよ。
インカのめざめや根菜類には、麻辣も合うので、たっぷりの野菜も味にバリエーションがつき、
食べていて飽きが生じません。
火鍋食材
・肉・・・大山鶏、ラム、牛もも、アグー豚(バラとロース)。
肉質も良く、こだわり抜いた感あり。ラム肉も凍ってクルクルしていませんよ。
新橋の「趙楊」仕込みのスープに、厳選肉。これはもう無敵でしょう。
至極のスープでいただく牛肉の美味さたるや、筆舌に尽くしがたく感動ものですよ。
火鍋食材
・すり身・・・白身魚、エビだんご。
白湯か麻辣か、どちらに投入するか悩ましい。
白湯にはピタッとはまり的中した美味さだろうけれど、あの麻辣も捨てがたい。
火鍋食材
〆は中細麺。麻辣の快楽に酔いしれます。
本日のデザート
風味の良い杏仁豆腐と食後のお茶(普洱茶)。
普洱茶は火鍋との相性も良かったです。
(来来) 楽しんでくれたようだね。満足してくれたかな?
(管理人) 来来!私が間違っていたよー。ごめんなさい。美味しかったです!ハグ!
会計は、1人当たり11,000円ほど。
その真価もわからず、浅い訪問だけで失言したことに大反省(恥)。
新橋の「趙楊」にも足を運ばなければと痛切に思うのであります。
時間はかかりましたが、見直す機会を与えてくれた飯友さんにも感謝です。
火鍋 趙楊 (ヒナベ チョウヨウ)
東京都港区三田5-4-6 トリニティハウス三田101
TEL 03-6453-9219
営業時間/17:30~23:30(L.O.22:00)
定休日 不定休 -店舗情報「食べログ」より-