私の歩く旅 

歴史の背景にある話題やロマンを求めて、歩く旅に凝っています。ねこや家族のこともちょこっと。

読んでから見るか、見てから読むか~のぼうの城

2012年11月13日 | ありふれたお話


作家和田竜の『のぼうの城』を読んでから
映画を見ました。

コマーシャルでもやっているように映画の主演、成田長親役は野村萬斎です。
長親は関東の北条氏の支城、忍城の城代の息子。
何を考えているかわからない、気楽でちょっとずれている感じの侍です。
武芸も達者とは言えず、いつも村の百姓たちと仲よくしているのですが、、、
その長親が大将となり、2万人の石田三成率いる軍勢を500人の兵士と
百姓たちで忍城で戦うことになってしまいました、、、


この映画、原作にかなり忠実に作られているな~、と
本を先に読んでいる私は思ったのですが、
映画のラストに脚本家の名前が出ていました。

和田 竜

そうなんです、原作者が脚本を書いたのです。
だから、原作のイメージにかなり近い作品ができ上がったのだと思います。

特に主役の野村萬斎。
もう、長親はこの野村萬斎でなくては勤まらなかったのではないでしょうか。
湖の船の上で田楽を踊るシーン。
まさに滑稽ななかにも、洗練された人を魅了する踊りでした。
その踊りが敵も味方をも惹き込んでひとつにしてしまう、、、という、、

最後に「少しずれていた方がいい」、という主題歌が流れました。
なんだか、ぴったり。
少し視点がずれていた方がいい、この映画を見るとそう感じます。
久々の秀作でした。

この映画に限っては読んでから、見る、をお勧めします。




にほんブログ村 ライフスタイルブログへ
にほんブログ村


にほんブログ村 旅行ブログ 歩く旅へにほんブログ村


極上の音楽は安心して眠れる

2012年11月13日 | ありふれたお話

と、前に書いたことがあります。
前回は室内楽のコンサートに行きましたが、来日したばかりのソリストと
室内楽のメンバーの息が合わず、目をつむっても
『いつ間違えるのか、次どうなるのか、、、」とはらはらして
眠るどころではありませんでした。

それで、『極上の音楽は安心して眠れる』というひとつの結論にたどりついたのです。

昨日はイタリア人のヴァイオリニスト、ジュリアーノ・カルミニョーラのソロコンサートに
行ってきました。
私は1列目が大好き。今回も1階1列中央の席でした。

プログラムはモーツアルトとベートーヴェン。
普通だったら行かないコンサートですが、カルミニョーラだから、という意味で楽しみにしていました。
(ほとんどはバロック時代の古楽器のコンサートに行っています)

フォルテピアノの女性と息の合った演奏、
弓の引き方がもう芸術の域に達している感じで、以前ミラノの古楽器合奏団と一緒に来日した時とは
また、変わって優しく切なく力強くメロディーをはじき出していました。

つぶつぶの音、粒だった音が連続している感じ、、、。

さて、それはいいとして、最近やたらと感受性が敏感になっている私は
カルミニョーラの鼻息に(鼻呼吸をしています)合わせ、鼻息をする真後ろの男性と
左側に座った5本指のソックスをはき、カルミニョーラの音楽とは全く違って独自に頭を振って
リズムを刻む男性に悩まされました。

それでも、最後は5本指のソックスの男性は靴を前方に飛ばしながら、
『ブラボー!』と言っていたので、やっぱりカルミニョーラの演奏に堪能し楽しんでいたのだと思います。
鼻息の男性をコンサートが終わった瞬間振り返ってみました。
こちらも楽しそうに連れの人と話していました。

どんな人でも心を新しい満足感で満たしてくれるカルミニョーラはすごいと思います。


また、ハンサムでシブイ、、、今回は老眼鏡をかけた姿もかっこよかったです。
来年はもうひとり、私がファンの『オノフリ』が来日します。
さすが、イタリアの芸術家、というだけあって、すごくおしゃれ。
颯爽としていて、大好きです。

楽しみにしています。
(歴史とは関係ありませんでしたが、、、、)



にほんブログ村 旅行ブログ 歩く旅へにほんブログ村


にほんブログ村 美術ブログ 建築・建築物へにほんブログ村


11月12日 津田ホール


横浜旧居留地を歩く 洋風建築を訪ねて

2012年11月11日 | 旧居留地

急に思い立って横浜へ行くことにしました。
使うのは『横浜One Dayきっぷ』京浜急行の出しているお得な切符です。

これまでも横浜には何度も行っていました。
自宅からだいたい40分、乗り換え無しで着きます。
でも目的が「横浜ベイスターズ(今は名前が違いますね)」だったり
中華料理だったり、、、。

今回はただただ旧居留地を歩く、ということで向かいました。
まずは港の見える丘公園へ。
函館、長崎、神戸の居留地も海から丘を登った高いところに
外国人の住んだ家がありますが、横浜もまた坂の上に洋館が点在しています。



昔はもっと大きな海が見えたのでしょうけれど、、、、港の見える丘公園からの眺め⬆

そのすぐそばはフランス山と呼ばれていたところで、
生麦事件後、フランス領事館が置かれ、最大で300名あまりのフランス兵が駐留していたといいます。

今は2度の火災を経て、廃墟となっています。



赤い風車が見えますよね。煉瓦作りの井戸から水をくみ上げていたようです。
もちろん、作り直したものですが、そばに井戸の跡がきれいに残っています。
覗いてみると、けっこう深い、、、2、30mはありそうです。

次に山手111番館へ。



大正15年にアメリカ人のラフィン氏が注文したスペイン様式の洋館で
設計は当時横浜で活躍していたJ.H.モーガンです。
横浜市が平成6年に敷地の寄贈を受け、その後保存、改修工事を行って平成11年より一般公開しているそうです。 




内装やインテリアは本当に素敵で、
いろいろ参考になる(我が家みたいな小さな家でもこんなふうにできるかな~と思える)ところがあります。


111番館のお隣は横浜市イギリス館です。




昭和12年に建てられた英国総領事公邸です。
正面玄関





丸窓がかわいらしい感じがします。




玄関の横には王冠入りの銘版(ジョージ6世時代)が歴史と由緒正しいイギリス領事館だったことを照明しているようです。
1937という年号も見えますね。





次に山手資料館の前を通り⬇





山手聖公会 こちらもJ.H.モーガンの設計です。⬇







聖公会の教会堂のすぐ先にエリスマン邸があります。




萌葱色の可愛い外観です。
大正14年から15年にかけて建設されたもので、設計はアントニン・レーモンドです。
当時は和館付の洋館でした。
チェコ出身のアントニン・レーモンドは『日本の現代建築の父』と呼ばれ、
日本各地にたくさんの優れた建築を残しています。⬇





サンルームも窓が大きくて光がいっぱい入ってきます。





エリスマン邸の隣はベーリック・ホール(旧ベリック邸)⬇



この地域最大の洋風建築です。
昭和5年に建築され、その後カトリック・マリア教会、そして平成12年までセントジョセフインターナショナルスクールの
寄宿舎として使われていたそうです。

ホールにはグランドピアノが置かれ、各種のコンサートや集まりに使うことができます。




正面玄関。



玄関ドアの装飾が見事です。




設計は山手111番、山手聖公会を設計したJ.H.モーガンです。


フェリス女学院の横の道をまっすぐ進み、カトリック教会を越え、→の通りに行くと
外交官の家に出ます。
この辺りは石畳の歩道。ちょっぴり歩きにくいですが、、、函館も長崎もこんな歴史ある
石の道が続いていました。




外交官の家は、本当に日本政府の外交官だった内田定槌氏の邸宅で、もともとは渋谷区南平台にありました。
立教学校をはじめとする数々の洋風建築を作ったJ.M.ガーディナーの設計で、明治43年に建設されました。
内田氏のお孫さんからこの館の寄贈を受けた横浜市が、平成9年に南平台から移築したそうです。

山手地区唯一の国指定の重要文化財です。





この館に入って目を見張るのは至る所にあるステンドグラスです。










内装も素敵です。




玄関脇のお供の人が待つ部屋。
右側の小さな扉が特徴的です。
正面の写真は設計者のガーディナーの写真です。





外交官の家のお隣はブラフ18番館です。



かわいらしい窓とガーデニング。




ここは山手です。今はビルがたくさん見えますが、きっと以前は海が見えたのでしょうね。
遠くに見えるのはフェリス女学院の校舎です。
何となく、長崎旧居留地の活水女子学院を反対側の山手から見ているようです。




さて、その後、足が棒のようになっていましたが、
神奈川県庁






横浜開港資料館には閉館30分前に入り、さらさらと一周。
もう一度時間を作ってゆっくり見たい資料館です。




資料館の隣の日本最初の日本人のためのプロテスタント教会、横浜海岸教会も見ました。
すでにライトアップの時間になっていました。




夕方5時半
そろそろ夕食の準備に帰らなくちゃ、ということで、
とりあえず1回目の横浜旧居留地の旅を終わりにしました。

最後は横浜大桟橋から見た夕景。横浜らしいですよね。







にほんブログ村 旅行ブログ 歩く旅へにほんブログ村


にほんブログ村 美術ブログ 建築・建築物へにほんブログ村






















時には読書も、明治維新を歩くため

2012年11月10日 | 歴史おもちゃ箱

最近はブログの更新を怠っています。
この間、
何冊かの本を読み、映画を見に行き、友だちと一緒に食事に行きました。

何冊か読んだ本の中から
幕末から明治維新の大きな変化について詳しく書いてある本、
NHKスペシャル『明治1~変革を導いた人間力」と
『明治2~教育とものづくり 独創力をいかに育てるか』は
幕末、維新の初心者にはわかりやすかったです。


http://www.amazon.co.jp/明治%E3%80%881〉変革を導いた人間力-NHKスペシャル-NHK「明治」プロジェクト/dp/4140810351


特に『明治1』の方は経営学者のピーター・ドラッカー氏と
評論家文明史家の加藤周一氏へのインタビュー形式になっており、
それぞれの立場からの独特の意見が述べられていました。


二人のインタビューの中に共通して現れた人物
『渋沢栄一』については文春新書の『渋沢家三代』を読みました。


http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_sb_ss_i_6_8?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=%8Fa%91%F2%89%C6%8EO%91%E3&sprefix=SIBUSAWA%2Cstripbooks%2C0


『財無き財閥』と呼ばれた澁澤一族ですが、幕末から明治、大正、昭和と
日本に資本主義を根付かせた渋沢栄一の足跡をたどることができました。

けっこう感動しましたし、共鳴もしました。

しばらくの間、教育の一端に携わっていた私には
NHKスペシャル『明治2教育とものづくり 独創力をいかに育てるか』は
明治維新のお話ではありますが、現代の教育にもつながる問題を投げかけているように思えます。

「『個性』か『学力』か、『模倣』か『独創』か
人材の育成と技術の発展。
明治新政府の目標は明確に定められた。
「ひとづくり」をとおして「ものづくり」の力を蓄え、
それを『国作り』に繋げようというのである。
しかし新しい教育はいつしか詰め込み教育と画一化の弊害をもたらし、
先進国から導入した技術もやがて日本の独創性を加味することなく受容されていく。」

(NHKスペシャル明治2より)

たまには、ちょっと難しくも魅力いっぱいの本を読んでみるのもいいものだな~、と思いました。


最初の写真は、新装となった東京駅。
東京駅にはけっこうハマっています。
また、別の機会に書いてみたいと思います。




にほんブログ村 旅行ブログ 歩く旅へにほんブログ村


にほんブログ村 美術ブログ 建築・建築物へにほんブログ村