以前、私の学生の中にペールさんというスウェーデン人がいました。
有名なヨーロッパの会社に日本で現地採用され、最後には日本支社の取締役になった人です。
ペールさんとは約10年間かかわりました。
彼は日本語もすごく上達し、関西弁も話せた(学習した)ので、
関西での自社のシェアを1%近く上げたそうです。
でも、彼にとってはどうしてもゆずりたくない日本語のこだわりがありました。
外来語です。
彼は外来語をどうしても使いたくないのです。
「昨日は庭球をしてきました。」とか
ホテルのレストランでも「お品書き(メニュー)をみせていただけますか。」
とウェイターの人に言いますし、
「外で焼き肉(バーベキュー)をしたんですよ。途中で雨に降られて、大変でした。」
など、できるだけ日本語だけで話すように心がけているのです。
「アナウンサーは日本語でなんですか?」と聞かれた時は
即答できずに困りました。
商社に勤める別の友人は
「コンソーシアム(事業連合)」とか「インキュベーション(起業家育成)」
など、何だか辞書がないと不安なことば(←私にとって)をたくさん使います。
「デレゲーション」ということばが出た時、「それって何?」と聞くと
「え、知らないの? 普通に使っている言葉じゃない?!」と言われてしまいました。
そこで、知人10名(ほとんど先生や家族)に「デレゲーション」って知ってる?
と聞いたところ、なんと知っていた人は0でした(←安心しました)
デレゲーションとは
【名詞】
1 delegation, deputation, relegating, relegation, delegating
従属者に決定を下す権限を与えること
(authorizing subordinates to make certain decisions)
2 delegation, deputation, mission, commission, delegacy
代表者や使節のグループ
(a group of representatives or delegates)
http://ejje.weblio.jp/content/デレゲーション
なのだそうです。
下記のような記事もインターネットで見つけました。
「A財団は自らの活動を世界中に伝えるために、各地域の市場に16ほどのデレゲーションを組織しました。
デレゲーションはミッション・デレゲートと呼ばれる人々によって統率されています。」
意味がよくわかりません。
ノーマライゼーション(健常者、障害者が共生できる隔てのない社会)
インフォームドコンセント(納得診療=説明された同意)
病院の診療券の裏側を見ると アクセス(行き方)の書かれたものもあります。
上記3つは、最近ずいぶんと使われているので、わかりやすい気がします。
カラオケはもともと「空(から)オーケストラ」の略だそうです。
中国語では日本から入ってきたことばとして「卡拉OK」と表記され「カラオケ」と読みます。
さて、外来語はそのまま使った方が便利な時と、漢字表記の方が意味がわかりやすい場合があるようです。
でも、なんとなく外来語を使う人はかっこよく見えます。
またノーマライゼーションなど、意味の深いものはそのままカタカナ表記をした方がいいかもしれません。
最初に出てきたペールさんと同じようなことを言った学生がいます。
台湾人ですが、「日本語からカタカナ表記をなくす」なんて、強烈な印象を与える
テーマでレポートを書いていました。
もう、昔の話ですが、、、、。
さて、それでは、明治維新のとき、英語でしか表せない言葉はどのように日本語にしたのでしょうか?
「政府」ということばだって、以前は「幕府」だったわけですから、、、。
次回は、明治政府が行った翻訳についてのエピソードなどを書きたいと思っています。
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