陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

【レヴュー】小説『マリア様がみてる』の感想一覧

2006-09-27 | 感想・二次創作──マリア様がみてる

コバルト文庫小説『マリア様がみてる』に関するレヴューです。原作の刊行順に並べています。

【総合レヴュー】
マリア様がみてる 2014→2004
2014年から10年前をふりかえるシリーズ1作目。
思春期ならば思い当たるであろうセンチメンタルな学園風景。ほんらいは少女向けであったろうに、なぜか男性陣に好評を博し、百合というジャンルを盛大に知らしめた記念碑的作品。


【原作レヴュー】

【1】マリア様がみてる
「マリア様がみてる」は美しい人生のためのバイブル
ありのままに輝く薄幸の女性の救済でもなくて、運命に雄々しく抗い闘うヒロインでもなくて、魔法も剣も超能力もないけれども、極端な濃厚なラブもないけれども、それでも、他人と関わって生きることの大切を清らかな少女たちの淡い学園ストーリーで教えてくれる。そんなこの百合小説はいくつになって読み返しても新しい発見があります。いまの日本はもう女性がかなり孤独に生きねばならない時代にもなっています。そんな時代に、女性どうしのゆるやかな連帯と交情を描いたこの物語はふたたび読まれるべき価値があると、私は切実に思うのです。

【2】マリア様がみてる─黄薔薇革命─
『マリア様がみてる─黄薔薇革命─』
今野緒雪の代表作百合ラノベの第二作。学園内のベストスール賞に選ばれたあの黄薔薇姉妹。そのスール解消騒ぎで学園内が不穏な空気に…。

【3】マリア様がみてる─いばらの森─
小説『マリア様がみてる─いばらの森─』
リリアン女学園のスター白薔薇さまに自叙伝小説出版の疑惑が?! 祐巳と由乃は真相解明に乗り出すが…。その後の百合作品の多大な影響を与えた名作回「白き花びら」で、佐藤聖と久保栞の禁断の恋が明らかに。

【4】マリア様がみてる─ロサ・カニーナ─
『マリア様がみてる─ロサ・カニーナ─』
「包みこんで守るのが姉、妹は支え」「貴女がそこにいる。それだけで人生変わっちゃう人もいる」──数々の百合名言を生んだ名エピソード。生徒会選挙に殴り込みをかけた謎の立候補者をめぐり、白薔薇と紅薔薇にひと波乱?! おまけ話のお正月編もクスリと笑って楽しめます。

【5】マリア様がみてる─ヴァレンティーヌスの贈り物(前編)─
『マリア様がみてる─ヴァレンティーヌスの贈り物(前編)─』

【6】マリア様がみてる─ヴァレンティーヌスの贈り物(後編)─
『マリア様がみてる─ヴァレンティーヌスの贈り物(後編)─』

【7】マリア様がみてる─いとしき歳月(前編)─
『マリア様がみてる─いとしき歳月(前編)─』
『マリア様がみてる─卒業前小景─』その前に

【8】マリア様がみてる─いとしき歳月(後編)─
『マリア様がみてる─いとしき歳月(後編)─』
『マリア様がみてる─卒業前小景─』その前に その2

【9】マリア様がみてる─チェリーブロッサム─
小説『マリア様がみてる─チェリーブロッサム─』
春のはじまりに読みたいこの一冊! 平成時代の百合スタンダードを築いた今野緒雪の百合ライトノベル、そのシリーズ原点となるエピソード。白薔薇姉妹の藤堂志摩子と、二条乃梨子の出逢いと親睦を、コミカルに、そしてドラマティックに描いた傑作回。

【10】マリア様がみてる─レイニーブルー─
『マリア様がみてる─レイニーブルー─』
誰かのこころが泣いていたとしたら、太陽と雨傘とどちらになりたいですか? 雨の日だからこそ読んでみたいライトノベルといえば、やはりコレでしょう。今年生誕20周年を迎えたコバルト文庫の人気小説第十弾。

【11】マリア様がみてる─パラソルをさして─
小説『マリア様がみてる──パラソルをさして』
雨雲がかかったように自分の気持ちが晴れないのは、大好きなあの人が気になって仕方がないから。絶望のためにずぶ濡れになっても、無言の善意がある日そっと側に届いているような、人の優しさを思い出す物語を覚えておくことは生き延びる力となるのではないでしょうか。

【12】マリア様がみてる─子羊たちの休暇─
『マリア様がみてる─子羊たちの休暇─』
夏休みはふたりきりでバカンスを。自然豊かな避暑地で過ごす紅薔薇姉妹に、またしてもひと波乱?! レイニーブルー騒動を乗り越えた祐巳と祥子さまの絆の深さがわかります。

【13】マリア様がみてる─真夏の一ページ─
小説『マリア様がみてる─真夏の一ページ─』
夏休み後半、花寺学院との合同学園祭実行を前にして、山百合会では秘密のミーティング。祥子さまの男嫌い荒療治のために画策する祐巳だったが…。ほか、白薔薇と黄薔薇の姉妹の短編も収録の学外編。今回はコミカルテイスト満載で、百合カラー薄め。

【14】マリア様がみてる─涼風さつさつ─
『マリア様がみてる─涼風さつさつ─』
大抵のことは、小さな風がさっと脇を吹き抜けていく、それくらいの出来事なのだ──平成百合ブームの先駆けライトノベル第14作目。花寺学院の学園祭で山百合会幹部たちがお手伝い参加、そのさなか、祐巳にはひと癖ありそうな妹候補が出現して…? 紅薔薇姉妹のうるわしき愛と再会とがラストを飾る、こころ温まる良作。

【15】マリア様がみてる─レディ、GO!─
『マリア様がみてる─レディ、GO!─』
リリアン女学園の体育祭はひと味違う?! 紅、白、黄薔薇ファミリーが色別対抗戦で大激突。険悪ムードな妹候補の細川可南子と無謀な賭けをしてしまった福沢祐巳。その勝負の行方はいかに?

【16】マリア様がみてる─バラエティギフト─
『マリア様がみてる─バラエティギフト─』
平成百合ブームの古典作ライトノベルシリーズ初の短編集。雑誌「コバルト」に掲載された掌編をみごとに再構成、脇役キャラをも存分に輝かせる今野緒雪先生の健筆をとくとご堪能下さい。なんと、今巻は、百合アニメ豊作年と名高い記念すべきあの2004年1月に刊行されたものなんです。

【17】マリア様がみてる─チャオ ソレッラ!─
『マリア様がみてる─チャオ ソレッラ!─』

【18】マリア様がみてる─プレミアムブック─
『マリア様がみてる─プレミアムブック─』
マリみてシリーズ公式が送るアニメ解説ムック本&声優インタビュー。もちろん原作者今野緒雪先生描きおろしショートストーリーや、挿絵担当ひびき玲音さんのコミックも収録! アニメ第一期の中身をおさらいできて、コンパクトにまとまった一冊。

【19】マリア様がみてる─特別でないただの一日─
『マリア様がみてる─特別でないただの一日─』
祥子と祐巳の記念すべき学園祭の日から一年目。今年の生徒会劇の主役はなんと福沢姉弟で、とりかえばや! だが、その裏で一年生お手伝いコンビの瞳子と可南子にはイザコザが…。すっかり先輩の貫禄を身につけた祐巳に、ラストの祥子さまから衝撃の言葉が…!

【20】マリア様がみてる─イン・ライブラリー─
『マリア様がみてる─イン・ライブラリー─』
マリみてシリーズ短編集のなかでも、メルヘン要素漂うスペシャルストーリー傑作選。今回のテーマは本。なんとなんと、祐巳と祥子の母親世代のふれあいから、蟹名静のあの騒動の前日譚までと、ファンなら溜まらない一冊となっております。

【21】マリア様がみてる─妹オーディション─
『マリア様がみてる─妹オーディション─』
姉たちにせっつかれて妹選びに翻弄される祐巳と由乃は、苦肉の策でオーディション開催を企画するが…。有馬菜々初登場と、瞳子の迷いにこころを傷める乃梨子の友情、あの蔦子さんとあの彼女の再会などなど、見どころたくさんの一冊。

【22】マリア様がみてる─薔薇のミルフィーユ─
『マリア様がみてる─薔薇のミルフィーユ─』
千枚重ねの葉っぱと聞いてすわ、例の短編集かと思われがちですが。これでも正真正銘の三薔薇主人公回の本編なんです。妹候補と姉のお見合い(?)で揺れる由乃、実家の兄とばったり遭遇の志摩子、祥子さまとデートなのに不本意なお邪魔虫に翻弄される祐巳。美しいタイトルにたがわず、なんだかスッキリしないお話ですね。

【23】マリア様がみてる─未来の白地図─
『マリア様がみてる─未来の白地図─』
波乱のクリスマス会が開幕、島津由乃は妹の目星をつけた後輩と急接近。ままならない未来に絶望した松平瞳子に、福沢祐巳はロザリオを差し出すが…。共依存の姉妹関係から卒業するための、支倉令の秘かな覚悟を描いた小編も収録。

【24】マリア様がみてる─くもりガラスの向こう側─
『マリア様がみてる─くもりガラスの向こう側─』

【25】マリア様がみてる─仮面のアクトレス─
『マリア様がみてる─仮面のアクトレス─』
一言で評するならば、瞳子、恐ろしい子!…な、内容でした(大嘘)

小説『マリア様がみてる─仮面のアクトレス─』
菜々との剣道試合に挑む令を前に、由乃の心は揺れる。年明け、生徒会選挙を迎えた祐巳はなんとスールの拒絶をされた瞳子に思わぬ行動をされて…。紅薔薇、黄薔薇姉妹の関係性が変わっていく波乱のお話。最後の祥子&令の小話がお口直しに。

【26】マリア様がみてる─イラストコレクション─
『マリア様がみてる─イラストコレクション─』
紹介文付き各キャラクター画からはじまって、文庫や雑誌コバルト表紙絵は
もちろん、DVD・CDやカレンダー、果ては秘蔵のイラストまでも公開。

【27】マリア様がみてる─大きな扉 小さな鍵─
『マリア様がみてる─大きな扉 小さな鍵─』(前)
乃梨子や可南子はともかくも孤立無援状態にあった瞳子。
閉ざしていた彼女の心の扉をやさしくノックする人は実は多かった。

『マリア様がみてる─大きな扉 小さな鍵─』(後)
今回不可思議だったのは前半の話のタイトル「キーホルダー」

小説『マリア様がみてる――大きな扉 小さな鍵――』
山百合会の生徒会選挙後、ますます亀裂が入ったかに見えた祐巳と瞳子の関係。祥子、柏木らはなりゆきを見守るが、ある重大な秘密をめぐって瞳子の感情が暴発してしまい…。ラストの人物との友情で救いがある傑作回。

【28】マリア様がみてる─クリスクロス─
小説『マリア様がみてる─クリスクロス─』
今年も恒例のバレンタイン企画はなんと次期薔薇さまとのデートが賞品! 乃梨子や祥子の働きかけで参戦する瞳子に、祐巳ははたしてカードを見つけてもらえるのか? 白薔薇、黄薔薇の隠し場所も意外な顛末に。

【29】マリア様がみてる─あなたを探しに─
小説『マリア様がみてる─あなたを探しに─』
バレンタイン企画でデート券をゲットした三者と、当代次代薔薇さまとの休日を描く。祐巳と瞳子のねじれ関係についに終止符が打たれ、紅薔薇の妹問題が決着へ!! 瞳子の真情が吐露した場面での祐巳の包み込む愛の美しさに感じいるものがありますね。

【30】マリア様がみてる─フレーム オブ マインド─
『マリア様がみてる─フレーム オブ マインド─』(前)
時期としては、ヴァレンタイン企画が終わって半日デートのすこし前。今回は写真部のエース武嶋蔦子さんが大活躍。

『マリア様がみてる─フレーム・オブ・マインド─』(後)
リリアン女学園、浅き名の花物語。メインの薔薇に咲かない乙女たちのオムニバス・ドラマ

小説『マリア様がみてる─フレーム オブ マインド─』
江利子と令の出逢いや、祐巳に秘かな想いを寄せる可南子、笙子の姉の意外な一面などなど。シリーズ中屈指の名脇役の武嶋蔦子女史を主軸にすえた、リリアン女子たちのオムニバスドラマと番外編のアッサンブラージュ。

【31】マリア様がみてる─薔薇の花かんむり─
小説『マリア様がみてる─薔薇の花かんむり─』
祐巳と瞳子の新生紅薔薇姉妹がついに誕生! 三年生を送る会の準備に追われていく山百合会メンバーの面々。祥子さまの奇行(?)と卒業生向けの出し物に悩む二年生トリオだったが…。衆目をあつめる演劇パートや、恒例のサプライズなどで、姉と妹が協力する達成感が爽やかな後味をのこす記念碑的な一冊。

『マリア様がみてる─薔薇の花かんむり─』
ニュー紅薔薇姉妹誕生の巻。シリーズ十指の歴史的メモリアル!

【32】マリア様がみてる─キラキラまわる─
『マリア様がみてる─キラキラまわる─』
今年の遊園地はいつもより多くまわっています。

小説『マリア様がみてる─キラキラまわる─』
卒業目前のお別れ会、そのあとでリリアン女学メンバー+アルファは遊園地に大集合。祥子さまとの秋の遊園地デートリベンジを果たしたい祐巳は気合十分だったが…。黄薔薇、白薔薇姉妹に、瞳子と可南子の一年生コンビ、蔦子と笙子の写真部ペア、それぞれのささくれが交錯する休日の群像劇。

【33】マリア様がみてる─マーガレットにリボン─
『マリア様がみてる─マーガレットにリボン─』
紅・白・黄、黒…なつかしい薔薇さまがた返り咲き!オムニバスドラマふたたび。

小説『マリア様がみてる─マーガレットにリボン─』
平成百合ブームの古典作ライトノベルシリーズ初の短編集。雑誌「コバルト」に掲載された掌編をみごとに再構成、脇役キャラをも存分に輝かせる今野緒雪先生の健筆をとくとご堪能下さい。なんと、今巻は、百合アニメ豊作年と名高い記念すべきあの2004年1月に刊行されたものなんです。


【34】マリア様がみてる─卒業前小景─
『マリア様がみてる─卒業前小景─』(前)
別れの朝を迎える前に、それぞれの姉妹風景。

『マリア様がみてる─卒業前小景─』(後)
想い出ロードをたずねて祐巳がたどりついたのは…。

【35】マリア様がみてる─ハローグッバイ─
『マリア様がみてる─ハローグッバイ─』(前)
さようなら、お姉さま。三世代の薔薇が群れ咲く卒業式。

『マリア様がみてる─ハローグッバイ─』(後)
まだまだ卒業したくない! 『マリア様がみてる』総まとめ。

【36】マリア様がみてる─リトルホラーズ─
『マリア様がみてる─リトルホラーズ─』予告
ドラマCDも7月4日に新発売。それはともかく、ひびき先生のあのプロジェクトが気になるんですが(笑)

『マリア様がみてる─リトルホラーズ─』
三年生になった祐巳たちの不思議な一日を描くコミカルな書き下ろしと、スリルな短編のアンソロジー。

小説『マリア様がみてる─リトルホラーズ─』
そして薔薇の館からは誰もいなくなった…――? 祐巳たちが最上級生になり薔薇さまとして迎えた、ニューフェイス有馬菜々視点のユーレイ騒動?! 今回はもうすっかりおなじみになった短編集コレクション。リトルホラーズの副題のとおり、ちょっと不思議系なお話ばかりを詰め合わせ。


【37】マリア様がみてる─私の巣─
『マリア様がみてる─私の巣─』
そして、「彼女たち」は時の栞になった。駒鳥姉妹かと思いきや、じつは親子丼。薔薇の外側を描く異色のファミリードラマ。

【38】マリア様がみてる─ステップ─
『マリア様がみてる─ステップ─』
大好きなあの人に好きな人ができてしまったら…? 親友どうしの少女たちの微妙な感情の揺れを描く番外編。

【39】マリア様がみてる─フェアウェルブーケ─
マリア様がみてるシリーズ最新刊、その前に
ファン待望の新作『マリア様がみてる─フェアウェルブーケ─』が四月二十九日に発売。さて、そのまえに『夢の宮─始まりの巫女─』について。

『マリア様がみてる─フェアウェルブーケ─』
お世話になったあの人に、「ありがとう」と「さよなら」の花束を。今野緒雪の人気ライトノベルシリーズ、番外掌編第五弾。今回のテーマは「先生」。


【その他雑記】
マリア様がみてるのチラシあれやこれや
シリーズ刊行17冊目、初の短編集「バラエティギフト」に同封されていた、集英社のチラシ。ライトノベルや漫画のコミックにはおまけでついてきますが。改めて読むと、面白い情報が載っていたりしますよね。思い出語りのために書きしるしておくことにします。よくこんなサービスあったもんだ、集英社、恐ろしい子──!

マリア様がみてるの山百合会の意義とは
特別なエリートだけで構成された名誉職ではない、親しみやすさのある主人公によって万人に開かれた場所になっていく過程は、組織内でのヒエラルキーによる硬直を打破する糸口を教えてくれます。

マリア様がみてるの名作回「片手だけつないで」考察
おちゃらけ星人の佐藤聖は、なぜ、妹の藤堂志摩子にだけは「ちょっかいを出さなかった」のか? その謎が明かされる白薔薇姉妹の出会いを描いた傑作エピソードは、三薔薇さまご卒業の「いとしき歳月(後編)」所収。「いばらの森」の久保栞エピソードと合わせて読むと理解が深まりますね。



【レヴュー】小説『マリア様がみてる』の感想一覧
コバルト文庫小説『マリア様がみてる』に関するレヴューです。原作の刊行順に並べています。
(2009/09/27)

★マリア様がみてる関連記事一覧★
小説「マリア様がみてる」のレビュー、公式関連サイト集、アニメ第四期や姉妹作の「お釈迦様もみてる」、二次創作小説の入口です。小説の感想は、随時更新予定です。







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