銀塩関係のものが地道に増えている今日この頃ですが、中古漁りの最中、よくあるのが空振り
です。今月はそういうケースが2度もありました。
一度目はデッドストック品の35mm2.8。
ネットで見つけ、二眼の修理を依頼するつもりで立ち寄ったカメラ屋さんにあったのですが、閉店
セールということで、商品は投げ売り状態でした。
OMは35mm2.8と50mm1.4が残っていて、35mmだけなら150€、50mmとあわせて買えば200€
で売ってくれるとのこと。一本100€と考えればお買い得なのだろうけど、けちで優柔不断な私は
躊躇し、一日くらいなら大丈夫だろうと、返事を翌日まで引き延ばしたんです。
翌日、朝一番で電話したものの、時すでに遅し。
残っていたのは小チリありの50mm1.4MCとモノコートの24mm2.8のみでした。
店員さんの話では、二週間前に修理を依頼したお客さんが、カメラをを引き取りに店へ立ち寄り、
新品のレンズを見て、即決で購入したのだとか。私が店を出た15分くらい後のことだったそうです。
一時の迷いが縁の切れ目。
あれ以降、パリの中古やさんで、35mm2.8マルチコートを見かけたことはついぞありません。
それでもこの場合は自業自得なのですが、今回のケースは、まさに運が悪いとしか言えないような
状況。
実は2週間くらい前から、とある中古やさんのサイトに出ていた二眼レフに惹かれていました。
私がもっているのと同じセムフレックスですが、こちらはテレ版。私のには標準レンズ75mm3.5が
ついていますが、これにはその倍の150mm5.4というレンズがついていて、ネットで調べたところ、
ポートレート用に作られた機種のようでした。
いわばテレローライのセム版なんですが、テレローライみたいな出目金顔ではないし、最短撮影
距離もテレローライの2.3mよりずっと短い1.5mで、重さも1kgをちょっと出るくらい。値段も手が届く
ぎりぎりというところ。サイトを見ては胸をなでおろす毎日が続いていたのですが、今日、意を決して
お店に行ってみました。ところがショーウィンドーにあるのは、標準モデルに馬鹿でかいフラッシュ
がついた、なんとも不恰好な機種のみ。嫌な予感がしましたが、一応、店長さんに聞いてみました。
私:「サイトに載ってたテレバージョン、ありますか。」
店長さん:(ショーウィンドーを見ながら)
「ああ、そう言えばそんなモデルがあったけど、売れちゃったんじゃないかな。」
私:「えっ?いつですか。サイトにはずっと載ってるのに・・・」
店長さん:「入ってすぐ売れた気がするなぁ」
私:「買おうか買うまいか迷っていたけど、サイトにあるから安心していたのに・・・」
店長さん:「あ、あのサイトね。けっこういい加減だから、あまりあてにしないで。気になる商品が
あったら気軽に電話かけてよ。」
あてにしないでって、何のためのサイトじゃぁ!(怒)
ここからは私の想像なんですが、たぶん以前はサイトにもフラッシュつきとテレ版の両方が載って
いたと思うんですよね。ところがテレヴァージョンが売れた時、店員さんが勘違いして、フラッシュ
つきを売却済にしてしまった。そう考えると、フラッシュつきの機種がいまだに掲載されていない
ことの説明もつきます。
私が最初に見た時点で、すでにテレヴァージョンしか載っていなかったということは、欲しいと思った
時、すでに現物は売り切れていた、つまり物欲で悶々とした二週間は、まったくの独り相撲だったと
いうことになります。ここまで考えが至ったとたん、どっと疲れが出てきました。
今日の教訓:「一読は一見にしかず」