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Yokusia の問はず語り

写真担当: Olympus E-400 / Panasonic FZ5

逃した魚

2010-03-17 | Weblog

銀塩関係のものが地道に増えている今日この頃ですが、中古漁りの最中、よくあるのが空振り
です。今月はそういうケースが2度もありました。

一度目はデッドストック品の35mm2.8。
ネットで見つけ、二眼の修理を依頼するつもりで立ち寄ったカメラ屋さんにあったのですが、閉店
セールということで、商品は投げ売り状態でした。

OMは35mm2.8と50mm1.4が残っていて、35mmだけなら150€、50mmとあわせて買えば200€
で売ってくれるとのこと。一本100€と考えればお買い得なのだろうけど、けちで優柔不断な私は
躊躇し、一日くらいなら大丈夫だろうと、返事を翌日まで引き延ばしたんです。

翌日、朝一番で電話したものの、時すでに遅し。
残っていたのは小チリありの50mm1.4MCとモノコートの24mm2.8のみでした。

店員さんの話では、二週間前に修理を依頼したお客さんが、カメラをを引き取りに店へ立ち寄り、
新品のレンズを見て、即決で購入したのだとか。私が店を出た15分くらい後のことだったそうです。

一時の迷いが縁の切れ目。
あれ以降、パリの中古やさんで、35mm2.8マルチコートを見かけたことはついぞありません。


それでもこの場合は自業自得なのですが、今回のケースは、まさに運が悪いとしか言えないような
状況。

実は2週間くらい前から、とある中古やさんのサイトに出ていた二眼レフに惹かれていました。
私がもっているのと同じセムフレックスですが、こちらはテレ版。私のには標準レンズ75mm3.5が
ついていますが、これにはその倍の150mm5.4というレンズがついていて、ネットで調べたところ、
ポートレート用に作られた機種のようでした。

いわばテレローライのセム版なんですが、テレローライみたいな出目金顔ではないし、最短撮影
距離もテレローライの2.3mよりずっと短い1.5mで、重さも1kgをちょっと出るくらい。値段も手が届く
ぎりぎりというところ。サイトを見ては胸をなでおろす毎日が続いていたのですが、今日、意を決して
お店に行ってみました。ところがショーウィンドーにあるのは、標準モデルに馬鹿でかいフラッシュ
がついた、なんとも不恰好な機種のみ。嫌な予感がしましたが、一応、店長さんに聞いてみました。

私:「サイトに載ってたテレバージョン、ありますか。」

店長さん:(ショーウィンドーを見ながら)
「ああ、そう言えばそんなモデルがあったけど、売れちゃったんじゃないかな。」

私:「えっ?いつですか。サイトにはずっと載ってるのに・・・」

店長さん:「入ってすぐ売れた気がするなぁ」

私:「買おうか買うまいか迷っていたけど、サイトにあるから安心していたのに・・・」

店長さん:「あ、あのサイトね。けっこういい加減だから、あまりあてにしないで。気になる商品が
あったら気軽に電話かけてよ。」

あてにしないでって、何のためのサイトじゃぁ!(怒)

ここからは私の想像なんですが、たぶん以前はサイトにもフラッシュつきとテレ版の両方が載って
いたと思うんですよね。ところがテレヴァージョンが売れた時、店員さんが勘違いして、フラッシュ
つきを売却済にしてしまった。そう考えると、フラッシュつきの機種がいまだに掲載されていない
ことの説明もつきます。

私が最初に見た時点で、すでにテレヴァージョンしか載っていなかったということは、欲しいと思った
時、すでに現物は売り切れていた、つまり物欲で悶々とした二週間は、まったくの独り相撲だったと
いうことになります。ここまで考えが至ったとたん、どっと疲れが出てきました。

今日の教訓:「一読は一見にしかず」

異郷の同胞

2010-03-16 | Weblog
散歩の話の続きです。

セーヌ川沿いに歩いていると、ある家族に「写真撮っていただけますか」と英語で話しかけ
られました。この辺ではよくあること。「いいですよ」と気軽に応じると、

「じゃあ、そこの看板と後ろのノートルダム寺院が入るようにお願いします。その辺に立って
撮れば全体が入るんじゃないかな」とお父さん。

あれ、今聞こえたの日本語だったような・・・。

そう思いながら3人を見てみると、顔立ちは多少濃い目だけど、日本人に見えなくもない。

念のため、「日本の方ですか」と聞くと、「いえ、ブラジルです」という返事。
「じゃあ日系の方なんですね」と言うと、「ええ、三世です。今はアメリカ在住なんですけどね。」

三世っていったら、日本人だったのはおじいちゃんおばあちゃんの代ですよね
それなのに、話す日本語はまったく癖がなく私なんかよりずっとまとも。

「とても自然な日本語を話されるので、てっきり日本からいらしたのだと思いました」と言うと、
「まあ、これでも一応日本人ですからね。」

「私も日本人ですけど、こっちに住むようになってから言葉が崩れる一方です」と答えながら、
何だか恥ずかしかったです。

頼まれるままに写真を撮り、そのまま別れたのですが、話はココで終わりませんでした。

ノートルダムの正面にある橋を半分くらい渡りかけたところで写真を撮っていると、女の子が
ひとり、私の方に走ってきます。

私は人の顔を覚えるのが絶望的なくらい苦手。だからこの時もまだ、「日本人観光客が写真
を頼みに来たんだな」くらいにしか思っていませんでした。

「どこで撮りましょうか」と私。
「目、つぶれちゃったの」と少女。

『たしかに底の厚い眼鏡をかけているけど、私のところまでちゃんと走ってこられたわけだし、
第一、目がつぶれてしまったのでは眼鏡も用を成さないよなぁ。目がつぶれるほど日差しが
強いわけでもないし・・・』と怪訝に思いながら、もう一度よく少女の顔を見たところで、ようやく
気づきました。さっき会った家族の娘さんだったんです。

それに気づいたとたん、「目、つぶれちゃった」という言葉の謎も解けました。
「目をつぶってしまったからもう一度撮って欲しい」と言いたかったのだけど、四世の彼女に
とって日本語はすでに外国語。「つぶる」と「つぶれる」がごっちゃになってしまったんでしょうね。

娘さんに導かれてさっきの場所に戻ると、お父さんがこっちを見てにこにこ笑っていました。
「娘さん、目をつぶっちゃったんですか」と言うと、「そうなんですよ。お手数かけてすみませんね。」

前回とまったく同じアングルから、デジカメの液晶を通して親子三人の笑顔を見ていると、こっち
の心までほぐれていくのが不思議でした。

二眼レフ初体験

2010-03-15 | Weblog

今日は見事な快晴だったので、二眼レフと50mmつきのOM-1をお供にパリ市内を散歩した
のですが、二眼は初めてということもあり、たくさんの失敗をやらかしました。


その壱:巻上げ

巻き上げロックがないことは知っていたので、巻き上げを忘れて多重露光にならないよう、
注意していたのですが、2度ほど、ふと気を抜いたすきに記憶がふっとびました。念のため、
再度巻き上げて撮りましたが、もしかしたらコマが飛んでいるかも(泣)


その弐:右手人さし指の写りこみ

シャッターボタンがないので、まずシャッターをチャージし、その後、レンズ下方にあるレバー
を右手人差し指で軽く押し上げることになるのですが、この時、指を高く上げすぎると、被写
体を遮ることになります。ファインダーで確認できればいいのですが、残念ながらそれは無理。

二眼レフって、ピント合わせ用のビューレンズと撮影用のテイクレンズが別々なので、前方に
異物があっても、ビューレンズの視界に入らない限り、認識されないんです。

そのことをすっかり忘れ、指がファインダーに写りこまない限り問題ないと思いこんでいたので、
気づいた時は焦りました。指写真のオンパレードだったらどうしよう。


その参:手ブレ

このカメラのレンズは75mm 3.5で、35mm版だと40mmくらいになるようですが、被写界深度が
深いせいか、OM1に50mmレンズをつけて覗いた時よりかなり望遠に見えます。ボケ具合は
75mm相当だから当たり前なのかもしれないけど・・・。一眼と構え方がまったく違うせいか、
OMで1/1000ばかり使っていたからか、1/400秒という時間が信じられないほど長く感じます。
手ブレ写真大量生産の予感。


失敗談ではありませんが、最後にピント合わせについて一言。
二眼レフはファインダーを上から覗いてピントを合わせるのですが、蓋の部分に小さなルーペ
がついていて、必要な時だけピントグラスの上方に飛び出すようになっています。これを使えば
ファインダー像が大きくなり、ピントも合わせやすくなるはず・・・という論法ですが、実際は視野
が限定され、とても使いやすいとは言えません。幸い、ピントグラスだけでもじゅうぶんよく見える
ので、私はルーペなしで使っていました。

ブローニー版は12枚しかないので、フィルム終了後はOM-1にバトンタッチしましたが、一眼は
楽ですね。50mmは明るくて、画角も自然なので、これ一本で充分いけそうな感じ。標準レンズ
と言われる所以がよくわかりました。

それから、これは気のせいかもしれないけど、フィルムカメラを使っていると、デジカメで撮って
いる時より周囲の視線が優しく感じます。

ちなみに今回の写真はは、OM1+28mm2.8で撮影し、正方形にトリミングしたもの。
二眼レフで撮ったものではありません。

OM初現像!

2010-03-12 | Weblog
Zuiko 28mm 2.8 / Fuji Superia ISO 200

今日ようやくOM1で撮った初フィルムが上がってきました。
とりあえず現像とCD焼付けだけ頼んだのですが、どのカットもいい感じに撮れていてびっくり。
ISO200のフィルムで絞りは開放付近、シャッタースピードは1/1000か1/500という超いい加減な
設定で撮ったのに。それにしても、白とびやピンボケさえ絵にしてしまうネガ、すごいです。
これじゃあ本当に露出計なしでどうにかなりそう。

意外だったのは、モノコートの50mmがなかなかいい味を出していること。
最近ひょんなことから50mm1,4MCを手に入れたので、どこかへ売り飛ばそうと思っていたのだけど、
このまま手元に残りそうな予感がします。


F zuiko 50mm 1.8


Zuiko 135mm 2.8


Zuiko 50mm 1.4(135mm 2.8だったかも・・・記録しなかったのでうろ覚え)


Zuiko 28mm 2.8


F zuiko 50mm 1.8

お宝(?!)発見

2010-02-23 | Weblog
さて、いよいよ前回予告した掘り出し物の話ですが、元は田舎の家にあったのを、Fがうちの
物置に突っ込み、それを私が見つけたというというのが正確なところです。

最初は全然違うものを探しに入ったのですが、ふと気配を感じて横を見ると、茶色い皮ケース
に入った四角いものが目に入りました。手に取ると大きさの割りにずしりと重く、形もどこかで
見覚えがあるような・・・。

期待に胸を膨らませながらケースを開いてみると、思ったとおり、中身は2眼レフでした。

前から一度触れてみたいと思っていましたが、まさかこんな形で手に入るとは・・・。
このカメラ、舅(つまりFの父親)の遺品で、Fの幼少時の写真は、たいていこのカメラで撮られて
いるそう。

ふたりは晩婚で、一粒種のFが生まれた時には、すでに40に手が届こうかという年齢。
義父とはいえ、実際は私の祖父と同世代なわけで、もし舅がもう一世代若かったら、私がこの
カメラを手にすることもなかったでしょうね。

ハッセルでもローライでもなく、セムフレックスという仏製のローカルなカメラですが、ベスト判
(44判)かと心配になったくらい小ぶりなので、これなら気軽に持ち歩けそうです。

残念ながらレンズが二枚とも曇っていて、そのせいかピントグラスも暗いですが、明るい屋外
で使う分にはじゅうぶんよく見えるし、ルーペを使えばピント合わせもばっちり。

ヨーロッパは日本より湿気が少ないせいか、舅の死後、かなりひどい保管状態だったにも
かかわらず、シャッターチャージもシャッターもスムーズだし、絞りもきれいに動くし、フィルム
室も問題なし。肝心のレンズ以外はかなりいい感じです。

ただひとつ問題があって・・・
シャッター速度をバルブにしたら、なぜかそこからレバーが動かなくなってしまいました。
何かロック機構みたいなものがあるのかなと思い、色々試してみましたが効果なし。

シャッター速度は400分の1までしかないので、高速シャッターしか使えないというのなら
まだ使いようもありますが、バルブだけじゃどうにもなりません。とりあえず中古カメラやさん
できいてみるつもりですが、もし故障だったら嫌だなぁ。


つけたしです。

シャッターレバーですが、単に動きが硬かっただけで、 壊さないように気をつけながら
強めに引いたら、すっと横に動きました。後はレンズ次第ですね。
なかじませんせ~い、その節は大変お世話になりました。
この場を借りてお礼申し上げま~す。
今後ともよろしくお願いしますね。


注:3月27日、カメラの写真を追加しました。

OM蟻地獄

2010-02-21 | Weblog

ぜんぜん写真が撮れてない(一本目のフィルムすら終わっていない)のにまたまた別のブツを
手に入れてしまいました。今回、買ったのはOM135mm2.8。

最初の予定では、カメラを買ったお店に出ていた 135mm3.5 にするつもりだったのですが、ランク
は良品ということだったのに、実際、見てみると、横に汚れがべっとりつき、レンズも前玉後玉とも
小さい傷がついていたので即却下。かわりに28mmから50mmまで使えるOM用ラバーフードを
買って帰ってきました。

物欲が抑えられた分、かえってよかったかも・・・なんて思っていたら、何と別のお店のサイトで、
OM 135mm 2.8を発見。場所はフランス語を教わっているC夫人の家のひと駅前。通り道という
こともあり、誘惑に駆られていってみました。こちらも良品で、外観はそれなりに使用感がある
ものの、レンズは傷もくもりもまったくなし。3.5より少し高めだったけど、その分、状態はいいし、
明るいし、マルチコートだし・・・というわけで、あっという間に落ちてしまいました。前のお店同様、
こちらも6ヶ月の保険つきです。

実はこれ以外に、田舎の家の物置でとんでもない掘り出し物を見つけたのですが・・・これに
ついてはまた次の記事で。

疑問氷解

2010-02-01 | Weblog
フィルムは入れたものの、雑事が続いて、まだ初撮りができていません(汗)
天気の方は、昨日の朝から、雪がぱらついたり、庭に霜が下りたりと、寒気が再び舞い戻って
きましたが、お陰でここ数日続いていた鬱陶しい雨日も終わり、フランスでは滅多に見られない
冬の澄んだ青空が見られるようになりました。明日までこの天気が続いてくれると嬉しいのです
が・・・。この季節は天候が変わりやすいので、冷や冷やしながら明朝を待つことにします。

実は前回フィルムを装填した際、たるみを取るのに、巻き戻しクランクをどちらに回したのかド忘れ
してしまい、ちゃんとした方向がわからないとフィルムを巻き戻す時、逆に回して誤って感光して
しまう・・・なんてことにもなりかねないので、ちょっと焦っていました。

私のあいまいな記憶では反時計回りに回したような気がしていたのだけど、とあるサイトを見たら
ほんの一部のカメラを除き、クランクは右側に回すと書いてあったので、ますますパニック。

慌てふためきながら、再度ネットの情報を漁ったところ、何と英語版のOM1マニュアルを発見。
英語は苦手だけど、他に縋るものもないので、辞書を片手に読んでみたのですが、やっぱり右回り
(時計回り)が正しいみたい。

右手じゃなくて左手で回したから、方向感覚が狂って、右と左を勘違いしたのかな。何はともあれ
疑問氷解。初歩の初歩からこんな調子じゃ、先が思いやられますね(大汗)

フィルム装填

2010-01-30 | Weblog
本当は前の記事で、フィルム装填の顛末について書く予定だったのですが、話が思わぬ方向
へずれてしまったので、稿を変えて続けることにします。

帰宅後、意を決して、新しいフィルムをケースから取り出しました。カメラを裏蓋をガバっと開け、
フィルムの先を糸巻きみたいな場所(スプールって言うんですね)の隙間に差し込んだまでは
よかったのだけど、蓋を閉める前に二回ほど巻き上げて、それから徐に蓋を閉めて、たるみを
とるのに少しフィルムを巻き戻した・・・つもりが案の定、どれだけ巻いても、レバーでフィルム
を巻き上げた時、巻き戻し用のノブ(巻き戻しクランクと言うみたいですね)が回ってくれない。

回す方向を間違えたかとちょっとだけ逆方向に回してみたけど、もちろ改善せず。
感光済みのフィルムで練習した際、クランクをぐりぐり回したら、勢いあまって、全部巻き込んで
しまったという経緯があるので、今回は素直にネットの情報を調べたら、まず見つかったのが
「OM1nの使い方」というサイト。図解用の写真も豊富で、説明もとてもしっかりしているのだけど、
巻き戻す方向さえあやふやな私には高度すぎる(恥)。

そんな時にYoutubeで見つけたのが「フィルムの入れ方」というビデオ。
使用機種はニコンみたいだったけど、それほど違わないだろうと思って見てみたら、思った通り、
これがすごくわかりやすい。それで気がついたこと。巻き戻す時、クランクの爪みたいなところを
立てて回してる。考えたら、確かにお店のおじさんも、爪の部分を取っ手みたいにして回してた。
単に回しやすいからそうするのだと思って、私は爪なしのまま回していたのだけど、もしかして
あの爪にはストッパーみたいな役割もあったとか・・・

今更うだうだ考えても始まらないので、とにかくビデオでやっていたみたいに爪を掴んでぐりぐり
やってみると・・・成功!巻き上げクランクが反応しました。フィルムカメラ、写真を撮らなくても(?)
じゅうぶんスリリングです。

以上、フィルム装填初体験の感想でした。

ここからは余談ですが、今回、フィルムを購入したNegatif Plusでは、現像、デジタル化、CD焼付
込みで、36枚撮り一本につき9€弱でやってもらえます。なので、撮影後のフィルム処理もたぶん
ここに頼むことになると思いますが、昔ながらの方法でやってもらえるのなら、値は張るけど、
同時プリントもお願いしようと思い、お店の人に確認してみました。残念ながら、いったんデジタル
化してから、プリントするそうです。これも時代の流れなんでしょうね。

ところで、私のカメラについているフォーカシングスクリーンですが、どうもスプリットマイクロ式という
モデルのようで、ファインダーの真ん中にやや大き目の二重丸が書かれ、内側の丸の中央に横線
が一本、入っています。レンズや被写体を選ばない万能ファインダーという格付けのようですが、
ミニチュアみたいな小さい被写体を近距離から撮るような場合は、真ん中のサークルが邪魔をして、
かえって見辛くなる気がしました。私が不慣れなだけなのかな。

・・・ということで、後は太陽が顔を出してくれるのを待つのみです。

フィルム購入

2010-01-29 | Weblog
せっかく新しいカメラを買ったというのに、こっちは毎日曇天続き。
地方によっては、雪日が舞い戻ってきたところもあるようだけど、この辺りはせいぜい雨どまり。
雪と雨じゃぜんぜん気分が違います。

それでも気を取り直して、今日、ようやくフィルムを買ってきました。
最初は書籍と電化製品を扱うフランスの大型チェーン店、Fnacに行ったのですが、アマ用の
一番安いフィルムでさえ1本5€以上もする上、3~4本入りのパック売りばかり。

それで今度は、以前、写真をプリントしてもらったことのあるNegatif Plusという写真屋さんへ。
プロ用のフィルムでも単価が5€台からあり、Fnacに比べるとかなり良心的な値段でしたが、
今回は1本目ということもあり、一番安価なフジのSuperia 200を購入。単品で3.8€でした。
賞味期限・・・じゃなくて使用期限は今年の12月とか。何だか短すぎるように感じるのは気の
せいでしょうか。

元々ヨーロッパはフィルムが高いし、私が銀塩カメラを使っていた頃から、値段的には余り
変わっていない印象でしたが、選択肢はかなり減りましたね。

クラクフ滞在の一年目、学生寮で隣室に住んでいたカップルが写真好きで、カメラやフィルム
の話がよく話題に登ったのですが、彼らの一番のお勧めがアグファだったので、この時代は
アグファばかり使っていました。水面とか撮ると、すごく不思議な青が出るんですよね。

それで来店前、Negatif Plusのサイトで、アグファをおいているかどうか調べてみたのですが、
あったのはフジとコダックのみ。Fnacで見たのもこの二社だけだったし、これ以外のフィルム
会社って、今はもうなくなっちゃったのかなぁ。

昔話が続きますが、この頃のポーランドには旧ソ連製の怪しげなカメラがごろごろしていて、
隣人カップルが使っていたのも、ゼニットというロシア製のレンジファインダーでした。

当時は街の中心地にコダックのDPEショップがどかんとあって、とてもいい色で焼いてくれる
ので、私たち3人のお気に入りだったのですが、ここももう10年以上前から、Fnacのミニ版
みたいなお店に変わってしまいました。

せっかくなので、このまま思い出話を続けると、フランスに来てから、デジカメを購入するまで
の間、お世話になったパリのDPEショップでは、現像と同時プリントを頼むと、フィルムを一本、
いつもおまけにつけてくれました。ショーウィンドーの棚にはたくさんのフィルムがずら~っと
並んでいて、ネガならどれでも選び放題。今思うと、その分、他店より高目だった気もするけど、
フィルムが只で手に入るのはけっこううれしかったですね。

昔話に花が咲いて長くなりすぎてしまったので、次の記事に続けます。

夜目、遠目、傘のうち?

2010-01-25 | Weblog
まだフィルムが手に入っていないこともあって、ピントあわせの練習をしたり、空シャッター
を切ったりしている段階ですが、練習用使用済みフィルムの方は巻き上げすぎて、べろが
なくなってしまったので、ほとんど身につかないままお払い箱になりました。

そんなわけで、フィルム装填に関してはまだまだ不安だらけなので、一本目の装填は、
フィルムを購入する際、お店の人に頼むことになりそうです。

昨日は舞い上がりすぎていたこともあって、まったく気づかなかったのだけど、今朝よく
見たら、ファインダーのあちこちに小さな黒いしみが点在し、ファインダー中心部にある
丸いゾーンの上方にも、大きくて目立つしみが2つありました。雨天、室内だったせいで、
お店では見逃してしまったようです。フォーカシングスクリーンを交換すれば消えるのかも
しれないけど、今時、新品なんて、間違っても手に入らないだろうなぁ。

購入時、「保証期間中は無料で修理もきくんですか」と聞いたら、「在庫から代替機を渡す
場合がほとんどだね」という返事が返ってきたのだけど、それはそれで何だか寂しい。

一日触って愛着がわいてきたこともあって、しみもピント合わせにはまったく差し支えない
程度なのだし、他に問題がなければ、このままでもいいんじゃないかと思い始めました。

写りに関しては、とりあえず試用期間が6ヶ月あるので、楽しみながら慎重に確かめていく
つもり。ちなみに製造番号は、カメラが1235321、28mmが240852、50mmが759427でした。

MF機デビュー?

2010-01-23 | Weblog
何と今頃になってフィルムカメラを買ってしまいました。購入機種はオリンパスのOM1。
電気がなくても動く機械式のマニュアルカメラです。

これまでも欲しいと思うことはたびたびあったけど、今回あえて購入に踏み切った理由は、
ズバリ安かったから。とある中古カメラサイトで見つけたのですが、何と本体の値段が69€。

いくら安いとは言え、カメラだけでは写真は撮れないので、同じサイトでレンズも物色して
みたところ、まず目についたのが、49€の28mm2.8極上品と149€の50mmマクロ3.5良品
でした。

ズームレンズも何本かあったけど、すべてマニュアル操作のカメラでズームまでするのは
うざったいし、ピントあわせもマニュアルで、暗いレンズだとキツそうなので即却下。

マクロレンズにはかなり惹かれたけど、私の性格上、始めてすぐギブアップする可能性が
無きにしも非ずなので、入門セットには高価すぎると言う理由でコチラも却下。28mm2.8が
最終候補になりました。

とは言え値段が値段なので、良くてジャンクに毛が生えた程度だろうと、まったく期待して
いなかったのですが、お店に行ってみてびっくり。出された固体は新品と見紛う程きれいな
もので、カメラはファインダの染みひとつないし、レンズは後玉も前玉もピッカピカ、おまけに
6ヶ月の保証つきです。お店のおじさんの話では、「うちはチェーン店で、全商品に保証が
義務付けられているから、個人のお店より安心だよ」とのこと。

「これはMFカメラならではだね」とカメラの内部からレンズの絞りの形状の変化を見せて
くれたのだけど、開けても閉めても歪にならず、スムーズに動くことに感動しました。
プレビュー機能も、デジカメみたいなナンチャッテプレビューとは大違い。ボタンを押すと、
絞りが本当に設定値まで変化します。

これまでAF機ばかりで、MF機なぞ触ったことすらない私。
とりあえず初歩の初歩だけおじさんに教わったのですが、フィルムの装填、巻上げの時点
ですでにギブアップ状態。おじさんが練習用に出してくれた使用済みフィルムで装填と巻き
上げの練習をしたのですが、練習中にカメラを壊すのではないかと冷や冷や物でした。

この調子では、巻き上げミスや装填ミスでフィルムを数本、駄目にするのは目に見えている。
「このフィルムいただけませんか」と頼んではみたところ、「ガラクタ市で買えるよ」とすげなく
却下(泣)

それでも練習と積むうち、何とかコツもつかめて来たので、支払いを済まそうとレジに行くと、
「ちょっと待って。今チェックするから」と、おじさんは、レジのモニター上にある納品リストを
スクロールし始めました。それで、おじさんの脇で、何の気なしにモニターを見ていたのです
が、ある瞬間、「50mm1.8 29€」と言う文字が目の前を横切った気がしました。

サイトにはなかったし、第一この値段はありえないよなぁ・・・と半信半疑のまま、「50mm1.8
の在庫、あるんですか?」と思わず口走ってしまった私。「別の店舗のかもしれないねぇ。
一応、調べては見るけど」とおじさんは店の奥へ。

しばらくして戻ってくると、「あったあった。入荷したてで値段は29€。持っていく?」
「状態は?」と聞くと、「見てごらん。傷もクモリもないし、きれいなものだ。もちろん保証もつくよ。」

50mm1.8が手に入るだけでもラッキーなのに、おまけにこの値段。全部あわせても150€弱。
夢でも見ているような気分でした。「35mmがあれば完璧だったのにねぇ」とおじさんは少し
残念そうでしたが、今の私にはこの2本で十分。次はやっぱりマクロレンズかなぁ。

おまけにもうひとつサプライズ(?)が・・・
うちに帰って、巻き上げレバーを弄りながら、巻き上げの感触が重いなぁと不審に思って蓋を
開けると・・・練習用に使った古フィルムが入ったままでした。あのおじさん、フィルムを装填
したまま梱包してしまったよう。お陰で思う存分、練習できそうです。

そう言えばこのカメラ、スローシャッターの時、チリチリチリ・・・と不思議な音がするのですが、
これって仕様なのでしょうか。

冬マクロ

2009-12-20 | Weblog


ポーランドから帰ってきて以来、ほとんど写真を撮っていなかったのですが、雪景色につられ、久しぶりに
カメラを引っ張り出しました。とは言え、最初から雪写真を出すのは芸がないので、ちょっと変わった(?)
ものから。一枚目以外は同じ被写体ですが、何だかわかりますか。









豚インフルとコンサート

2009-12-18 | Weblog
雪の降りしきる中、ようやく豚インフルのワクチンを接種してきました。
インフルエンザの予防注射なんて本当に久しぶり。昔、打った時はもっと痛かったような気が
したのだけど、医療が進歩したせいか、年を重ね、鈍感になったせいか(汗)、気が抜けるほど
あっけなく終わってしまいました。

お医者さんは気を使って、利き腕じゃない方に打ってくれたけど、接種後、腕が重たくなり、
筋肉痛みたいな鈍痛がありました。それ以外では、体が火照り、頭がボーっとして、高揚した
気分に・・・って、これじゃあほとんど麻薬ですね。

話が変わりますが、クリスティアン・ツィメルマンのコンサートを予約しました。
公演は来年の3月1日。2010年はショパンとシューマンの生誕200年で、この日はずばり
ショパンの誕生日です。(2月22日説もあり)

本当はふたりで行きたかったのだけど、Fは大事な予定がある日に限って風邪を引くという
損な体質なので、ギリギリになるまで予約を渋る。いくらクラシックとは言え、名の通った
演奏家のチケットをとるのはそれなりに大変なのに・・・。

今日はとりあえず、状況確認と言うことでホールのサイトを開いたのですが、何と、1等から
5等(日本ならS席からD席)まであるはずのチケットが、1、2等以外全て売り切れ。

サル・プレイエルのサイトは、予約席から見たホールの画像が見られるのですが、1階席で
残っているのはピアノのお尻しか見えない席のみ。音響は悪くないのだろうけど、せっかく
なら、せめてピアニストが見えるところに座りたいミーハーの私。

一階は諦め、バルコニー席一階の1等席を見てみましたが、後列左先端に2席あるのみ。
半ばヤケクソになりつつ、バルコニー二階席。何と1等席はすべて売り切れ。

ほとんど諦めムードの中、念のため、バルコニー席一階の2等席を調べてみると・・・あった!
真ん中とは言えないまでも、ピアノ全体が普通に見えるし、音響も問題なさそう。

とここまではよかったものの、ひとつだけ問題が。
実はこの席、バルコニー席1階最後の2等席だったんです。
どうしてここが売れ残っていたのか疑問ですが、遠方の離れ小島よろしく、周囲は完売。
Fに「どうする?」と聞くと、今日は忙しいから、明日以降、ゆっくり考えるとのこと。
(ちなみに彼はてんびん座)

これには私も切れて、「それなら私のだけ予約するからね」と大至急購入。
このホール、席を指定してから20分以内に購入手続きをすまさないと、すべて無効になります。
メンバー登録すらしていなかったので焦りましたが、どうやら無事終了し、後はメールで送られて
来るチケットを待つのみ。

ピアノのコンサートは久しぶりだし、ショパン200歳の誕生日をひとり楽しく祝うことにします。

芸術家肌?

2009-12-17 | Weblog
今日は、この冬初めての雪でした。
一面の銀世界と澄み切った冷気に気分は最高。
実際、かなり冷え込んだようで、フランスには珍しく、結晶の形もはっきり見えて、以前、
クラクフで、六角形の雪がコートに舞い落ちるのを見て感動したことを思い出しました。

ここからまたピアノの話に戻ります。
今度の先生、解釈も教え方も最高だけど、かなりの大ボケ。
おまけに天真爛漫、底抜けの楽天家で、「大ボケは芸術家の証拠よ」とすましています。

何しろ、パリまで車で行き、帰りはそのことをすっかり忘れ、電車に揺られて悠々と帰宅。
玄関に足を踏み入れたとたん、「あ、車、忘れた~」と叫んで、家の人にあきれられたとか
いう話がごろごろある(らしい)。

Fの知り合いの学者にも、夫婦同伴でとある会合に車で出かけ、奥さんを忘れて(故意に
じゃないですよ)帰ってきた豪傑がいるので、この程度なら可愛い方かもしれませんが。

先々週の月曜日から、シューマンの連弾曲集「東洋の絵」の4曲目が課題に加わったので、
先週、連弾の相手を紹介していただいたのですが、「この曲、彼女も前に弾いているから、
きっとOKするはずよ」と先生は大乗り気だったのに、いざ電話をかけてみると見事に撃沈。

「えっ?ピアノ?歌ならいいけど・・・歌の伴奏してくれるとかなら有難いけど、ピアノは駄目」
と相手は焦りまくり、話はまったく逆の展開に。

私はピアノを習っていますが、この先生の専門は声楽。
今回、紹介していただいた生徒さんも、今は声楽に力を入れているので、歌だけで精一杯
なんだろうとそれほど気にも留めなかったのですが、その翌日、先生から電話があり、

「ごめんなさい。昨日の電話番号、人違いだったの。」

何でもあの後、私が電話をかけた生徒さんから電話があり、話がおかしいと思って確かめたら、
ピアノなんて触ったことすらない、まったく別の生徒さんだったそう。それじゃあ、パニック起こす
のも当然ですよね。

すぐ新しい番号をもらい、ようやく当の本人と連絡がついたので、今日、その生徒さんのおうち
で初練習をしたのですが、ここでまた2度目のびっくり。

持ってきた楽譜を見せると、彼女は目を見開き、

「えっ、4番?私がやったのは3番だよ。」

幸い初見に強い生徒さんだったので、4番の低音部をぶっつけで弾いてもらうことになりました
が、二人で思わず顔を見合わせ、笑ってしまいました。

かく言う私も大ボケ度はかなりのもの。(芸術家肌かどうかはともかく)
似たもの同士、うまくやっていけそうです。

先入観と思い込み

2009-12-10 | Weblog
最近、ひょんなことからピアノにはまっています。

現在、アルベニスのアストゥリアスを練習中ですが、この曲、見た目は簡単そうに見えるのに、
実際に弾いてみると、ピアニシモのアクセントやスタッカートの連打に加え、『ミ ソ# シ ミ』
『レ ファ#ラ レ』など、かなり手を開かないと弾けない和音を、フォルテシモのスタッカートで、
おまけに1、2オクターブ下からジャンプして弾くなど、手の小さい私にはかなりハード。

おまけに、ギター曲からの編曲だと思いこんでいたので、レッスン中、先生に向かって、
「鍵盤をはじいたり、和音のスタッカートにアクセントをつけて弾くようなパッセージが多いから、
ギターならいいけど、ピアノだとかなり無理がありますよね」なんて、赤面したくなるようなこと
を平気で言っていました。

ところが調べてみてびっくり。
この曲、正真正銘のピアノ曲だったんですね。作曲家のアルベニス自身、フランス・リストに
比肩するほどの天才ピアニストで、ギター曲は一曲も書かなかったそう。

ギターヴァージョンしか聴いたことがなかったからとは言え、スペインというだけで、原曲は
ギターと信じ込み、何の疑いも持たなかったのだから、先入観とは怖いもの。
あんなに自信満々に言うんじゃなかったと猛省しても、時すでに遅し。

ちなみにギター用に編曲したのは、「アルハンブラ宮殿の思い出」の作曲者としても有名な
名ギタリスト、フランシスコ・タレガ。単なる負け惜しみだと言われそうですが、ギター版の方
が自然に聴こえます。