Yokusia の問はず語り

写真担当: Olympus E-400 / Panasonic FZ5

新顔

2010-03-24 | Weblog
フィルムの消費もままならないのに、また新顔が入ってきました。
旧東独製の純左翼カメラ、エキザクタVX IIbです。このカメラ、主な操作はすべて左手。
ただし仕様は戦前からのものなので、かの国のイデオロギーとは無関係です。

作った人が左ぎきだったという説もあるようですが、真相は不明。
何はともあれ、ギミック満載、謎に満ち満ちた摩訶不思議なカメラです。

アンティックカメラ専門店で見つけたのですが、お店のおじさんも手を焼いていたようで、
聞いても、「ああこれ?複雑だからお勧めはしないよ。スローシャッターが出ないかも
しれないし・・・」と頼りなげで気のない返事が返ってくるだけ。

結局、一度目は買わずに帰ったのですが、エキザクタVXのオーナーである nakajima
akiraさんのブログにお邪魔して、お話を伺ううちに、我慢できなくなりました。

昨日は交通ストで外出できなかったので、今日、大急ぎでお店に行き、「やっぱりあの
カメラ欲しいんですけど・・・」と言いかけると、おじさんは「ちょっと待って」と私を遮り、
おもむろに電話をかけ始めました。

横で話を立ち聞きするうちわかったのですが、前回、「スローシャッターが出ないかも」と
言っていたのは、おじさん自身やり方がわからず、点検のしようがなかったからのよう。

電話を終えると、何とも情けない表情で、「僕はねぇ。自分で言うのもなんだけど、仕事柄、
古いカメラには詳しいつもりなんだよ。でもこのカメラはお手上げだ。わけがわからなすぎる」
とボヤいていました。

この後すぐ、ハッセルのかばんを持ったお客さん、ライカやニコンのSシリーズを探している
お客さん(同業者?)など、私とは懐具合の違う人が数人、どたばたと入ってきたので、
東独の怪しげな安カメラにしか興味を示さない変な日本人の私は、暫し聾桟敷におかれる
ことになりました。

ようやく静けさが戻ったので、勘定を済ませ、そそくさと店を出ましたが、おじさんの表情
が妙に晴れやかだったのは、厄介者が売れてせいせいしたからかもしれません。

このカメラ、無骨な皮ケースつきなのですが、ポーランドの友人が持っていたロシア製RF、
ゼニットのものにそっくりで、なんだかすごく懐かしい気分になりました。

「極上品」と書かれていただけあって、外装も内側もきれいでしたが、念のため、修理や
さんに点検してもらうことにしました。以前、二眼レフの掃除をお願いした修理やさんです。

「これなんですけど」とエキザクタを見せると、さすがはベテラン、「ああ、このカメラならよく
知っているよ。エクサの兄貴分だろ」と余裕綽々の返事が即座に返ってきました。

結果は、心配していたスローシャッターもセルフタイマーも問題なし。
「それにしてもよく、これだけ状態のいいものを見つけたねぇ」と言われた時は、なんだか
お墨付きをもらったみたいで嬉しかったです。

おじさんは手馴れた手つきで、スローシャッターとセルフタイマーを同時に使う方法を実演し、
動きの鈍い装填軸に油をさし、新しいフィルムを詰め、最後に手動カウンターをセット。
すぐ撮れる状態にして渡してくれました。

実は、このカメラを買おうかどうか迷った時、まず調べたのがこのお店のサイトでした。
修理リストにエキザクタの名前を見つけ、ようやく購入する決心がついたと言っても過言
ではありません。

これまで色んなカメラを扱ってきただけあって、知識も経験も先に書いたカメラやさんとは
大違い。このおじさんがいてくれる限り、何があっても慌てずにすみそうです。

注:3月27日、本記事と「お宝発見」の記事にカメラの写真を追加しました。

完敗!

2010-03-18 | Weblog

2眼で撮った初のフィルムが上がってきました。
135mm版のときは3日くらい待ったのに、ブローニーは1日だけ。
それだけ使う人が少ないということなんでしょうね。

覚悟はしていたものの、思った以上に悲惨な結果でした。
12枚のうち2枚が二重露光、2枚が空送りで計4枚が没(涙)残りは一応それなりに撮れていましたが、
写真として許容範囲だったのは一枚だけ。精進します(涙)

縮小はいつものように「ちびすな」を使おうと思ったのだけど、何度やっても「パラメータが間違っています」
というエラー表示が出るので、久しぶりに縮小専用を再インストールしました。「ちびすな」って、スキャン
データと相性が悪いのかなぁ。気に入っているソフトだったのに残念・・・
せっかく(?)なので、やっちまった画像も載せちゃいます。





気に入った構図のものに限って二重露光で駄目になる・・・というのは、どうやら本当のようですね。

逃した魚

2010-03-17 | Weblog

銀塩関係のものが地道に増えている今日この頃ですが、中古漁りの最中、よくあるのが空振り
です。今月はそういうケースが2度もありました。

一度目はデッドストック品の35mm2.8。
ネットで見つけ、二眼の修理を依頼するつもりで立ち寄ったカメラ屋さんにあったのですが、閉店
セールということで、商品は投げ売り状態でした。

OMは35mm2.8と50mm1.4が残っていて、35mmだけなら150€、50mmとあわせて買えば200€
で売ってくれるとのこと。一本100€と考えればお買い得なのだろうけど、けちで優柔不断な私は
躊躇し、一日くらいなら大丈夫だろうと、返事を翌日まで引き延ばしたんです。

翌日、朝一番で電話したものの、時すでに遅し。
残っていたのは小チリありの50mm1.4MCとモノコートの24mm2.8のみでした。

店員さんの話では、二週間前に修理を依頼したお客さんが、カメラをを引き取りに店へ立ち寄り、
新品のレンズを見て、即決で購入したのだとか。私が店を出た15分くらい後のことだったそうです。

一時の迷いが縁の切れ目。
あれ以降、パリの中古やさんで、35mm2.8マルチコートを見かけたことはついぞありません。


それでもこの場合は自業自得なのですが、今回のケースは、まさに運が悪いとしか言えないような
状況。

実は2週間くらい前から、とある中古やさんのサイトに出ていた二眼レフに惹かれていました。
私がもっているのと同じセムフレックスですが、こちらはテレ版。私のには標準レンズ75mm3.5が
ついていますが、これにはその倍の150mm5.4というレンズがついていて、ネットで調べたところ、
ポートレート用に作られた機種のようでした。

いわばテレローライのセム版なんですが、テレローライみたいな出目金顔ではないし、最短撮影
距離もテレローライの2.3mよりずっと短い1.5mで、重さも1kgをちょっと出るくらい。値段も手が届く
ぎりぎりというところ。サイトを見ては胸をなでおろす毎日が続いていたのですが、今日、意を決して
お店に行ってみました。ところがショーウィンドーにあるのは、標準モデルに馬鹿でかいフラッシュ
がついた、なんとも不恰好な機種のみ。嫌な予感がしましたが、一応、店長さんに聞いてみました。

私:「サイトに載ってたテレバージョン、ありますか。」

店長さん:(ショーウィンドーを見ながら)
「ああ、そう言えばそんなモデルがあったけど、売れちゃったんじゃないかな。」

私:「えっ?いつですか。サイトにはずっと載ってるのに・・・」

店長さん:「入ってすぐ売れた気がするなぁ」

私:「買おうか買うまいか迷っていたけど、サイトにあるから安心していたのに・・・」

店長さん:「あ、あのサイトね。けっこういい加減だから、あまりあてにしないで。気になる商品が
あったら気軽に電話かけてよ。」

あてにしないでって、何のためのサイトじゃぁ!(怒)

ここからは私の想像なんですが、たぶん以前はサイトにもフラッシュつきとテレ版の両方が載って
いたと思うんですよね。ところがテレヴァージョンが売れた時、店員さんが勘違いして、フラッシュ
つきを売却済にしてしまった。そう考えると、フラッシュつきの機種がいまだに掲載されていない
ことの説明もつきます。

私が最初に見た時点で、すでにテレヴァージョンしか載っていなかったということは、欲しいと思った
時、すでに現物は売り切れていた、つまり物欲で悶々とした二週間は、まったくの独り相撲だったと
いうことになります。ここまで考えが至ったとたん、どっと疲れが出てきました。

今日の教訓:「一読は一見にしかず」

異郷の同胞

2010-03-16 | Weblog
散歩の話の続きです。

セーヌ川沿いに歩いていると、ある家族に「写真撮っていただけますか」と英語で話しかけ
られました。この辺ではよくあること。「いいですよ」と気軽に応じると、

「じゃあ、そこの看板と後ろのノートルダム寺院が入るようにお願いします。その辺に立って
撮れば全体が入るんじゃないかな」とお父さん。

あれ、今聞こえたの日本語だったような・・・。

そう思いながら3人を見てみると、顔立ちは多少濃い目だけど、日本人に見えなくもない。

念のため、「日本の方ですか」と聞くと、「いえ、ブラジルです」という返事。
「じゃあ日系の方なんですね」と言うと、「ええ、三世です。今はアメリカ在住なんですけどね。」

三世っていったら、日本人だったのはおじいちゃんおばあちゃんの代ですよね
それなのに、話す日本語はまったく癖がなく私なんかよりずっとまとも。

「とても自然な日本語を話されるので、てっきり日本からいらしたのだと思いました」と言うと、
「まあ、これでも一応日本人ですからね。」

「私も日本人ですけど、こっちに住むようになってから言葉が崩れる一方です」と答えながら、
何だか恥ずかしかったです。

頼まれるままに写真を撮り、そのまま別れたのですが、話はココで終わりませんでした。

ノートルダムの正面にある橋を半分くらい渡りかけたところで写真を撮っていると、女の子が
ひとり、私の方に走ってきます。

私は人の顔を覚えるのが絶望的なくらい苦手。だからこの時もまだ、「日本人観光客が写真
を頼みに来たんだな」くらいにしか思っていませんでした。

「どこで撮りましょうか」と私。
「目、つぶれちゃったの」と少女。

『たしかに底の厚い眼鏡をかけているけど、私のところまでちゃんと走ってこられたわけだし、
第一、目がつぶれてしまったのでは眼鏡も用を成さないよなぁ。目がつぶれるほど日差しが
強いわけでもないし・・・』と怪訝に思いながら、もう一度よく少女の顔を見たところで、ようやく
気づきました。さっき会った家族の娘さんだったんです。

それに気づいたとたん、「目、つぶれちゃった」という言葉の謎も解けました。
「目をつぶってしまったからもう一度撮って欲しい」と言いたかったのだけど、四世の彼女に
とって日本語はすでに外国語。「つぶる」と「つぶれる」がごっちゃになってしまったんでしょうね。

娘さんに導かれてさっきの場所に戻ると、お父さんがこっちを見てにこにこ笑っていました。
「娘さん、目をつぶっちゃったんですか」と言うと、「そうなんですよ。お手数かけてすみませんね。」

前回とまったく同じアングルから、デジカメの液晶を通して親子三人の笑顔を見ていると、こっち
の心までほぐれていくのが不思議でした。

二眼レフ初体験

2010-03-15 | Weblog

今日は見事な快晴だったので、二眼レフと50mmつきのOM-1をお供にパリ市内を散歩した
のですが、二眼は初めてということもあり、たくさんの失敗をやらかしました。


その壱:巻上げ

巻き上げロックがないことは知っていたので、巻き上げを忘れて多重露光にならないよう、
注意していたのですが、2度ほど、ふと気を抜いたすきに記憶がふっとびました。念のため、
再度巻き上げて撮りましたが、もしかしたらコマが飛んでいるかも(泣)


その弐:右手人さし指の写りこみ

シャッターボタンがないので、まずシャッターをチャージし、その後、レンズ下方にあるレバー
を右手人差し指で軽く押し上げることになるのですが、この時、指を高く上げすぎると、被写
体を遮ることになります。ファインダーで確認できればいいのですが、残念ながらそれは無理。

二眼レフって、ピント合わせ用のビューレンズと撮影用のテイクレンズが別々なので、前方に
異物があっても、ビューレンズの視界に入らない限り、認識されないんです。

そのことをすっかり忘れ、指がファインダーに写りこまない限り問題ないと思いこんでいたので、
気づいた時は焦りました。指写真のオンパレードだったらどうしよう。


その参:手ブレ

このカメラのレンズは75mm 3.5で、35mm版だと40mmくらいになるようですが、被写界深度が
深いせいか、OM1に50mmレンズをつけて覗いた時よりかなり望遠に見えます。ボケ具合は
75mm相当だから当たり前なのかもしれないけど・・・。一眼と構え方がまったく違うせいか、
OMで1/1000ばかり使っていたからか、1/400秒という時間が信じられないほど長く感じます。
手ブレ写真大量生産の予感。


失敗談ではありませんが、最後にピント合わせについて一言。
二眼レフはファインダーを上から覗いてピントを合わせるのですが、蓋の部分に小さなルーペ
がついていて、必要な時だけピントグラスの上方に飛び出すようになっています。これを使えば
ファインダー像が大きくなり、ピントも合わせやすくなるはず・・・という論法ですが、実際は視野
が限定され、とても使いやすいとは言えません。幸い、ピントグラスだけでもじゅうぶんよく見える
ので、私はルーペなしで使っていました。

ブローニー版は12枚しかないので、フィルム終了後はOM-1にバトンタッチしましたが、一眼は
楽ですね。50mmは明るくて、画角も自然なので、これ一本で充分いけそうな感じ。標準レンズ
と言われる所以がよくわかりました。

それから、これは気のせいかもしれないけど、フィルムカメラを使っていると、デジカメで撮って
いる時より周囲の視線が優しく感じます。

ちなみに今回の写真はは、OM1+28mm2.8で撮影し、正方形にトリミングしたもの。
二眼レフで撮ったものではありません。

OM初現像!

2010-03-12 | Weblog
Zuiko 28mm 2.8 / Fuji Superia ISO 200

今日ようやくOM1で撮った初フィルムが上がってきました。
とりあえず現像とCD焼付けだけ頼んだのですが、どのカットもいい感じに撮れていてびっくり。
ISO200のフィルムで絞りは開放付近、シャッタースピードは1/1000か1/500という超いい加減な
設定で撮ったのに。それにしても、白とびやピンボケさえ絵にしてしまうネガ、すごいです。
これじゃあ本当に露出計なしでどうにかなりそう。

意外だったのは、モノコートの50mmがなかなかいい味を出していること。
最近ひょんなことから50mm1,4MCを手に入れたので、どこかへ売り飛ばそうと思っていたのだけど、
このまま手元に残りそうな予感がします。


F zuiko 50mm 1.8


Zuiko 135mm 2.8


Zuiko 50mm 1.4(135mm 2.8だったかも・・・記録しなかったのでうろ覚え)


Zuiko 28mm 2.8


F zuiko 50mm 1.8