フィルムの消費もままならないのに、また新顔が入ってきました。
旧東独製の純左翼カメラ、エキザクタVX IIbです。このカメラ、主な操作はすべて左手。
ただし仕様は戦前からのものなので、かの国のイデオロギーとは無関係です。
作った人が左ぎきだったという説もあるようですが、真相は不明。
何はともあれ、ギミック満載、謎に満ち満ちた摩訶不思議なカメラです。
アンティックカメラ専門店で見つけたのですが、お店のおじさんも手を焼いていたようで、
聞いても、「ああこれ?複雑だからお勧めはしないよ。スローシャッターが出ないかも
しれないし・・・」と頼りなげで気のない返事が返ってくるだけ。
結局、一度目は買わずに帰ったのですが、エキザクタVXのオーナーである nakajima
akiraさんのブログにお邪魔して、お話を伺ううちに、我慢できなくなりました。
昨日は交通ストで外出できなかったので、今日、大急ぎでお店に行き、「やっぱりあの
カメラ欲しいんですけど・・・」と言いかけると、おじさんは「ちょっと待って」と私を遮り、
おもむろに電話をかけ始めました。
横で話を立ち聞きするうちわかったのですが、前回、「スローシャッターが出ないかも」と
言っていたのは、おじさん自身やり方がわからず、点検のしようがなかったからのよう。
電話を終えると、何とも情けない表情で、「僕はねぇ。自分で言うのもなんだけど、仕事柄、
古いカメラには詳しいつもりなんだよ。でもこのカメラはお手上げだ。わけがわからなすぎる」
とボヤいていました。
この後すぐ、ハッセルのかばんを持ったお客さん、ライカやニコンのSシリーズを探している
お客さん(同業者?)など、私とは懐具合の違う人が数人、どたばたと入ってきたので、
東独の怪しげな安カメラにしか興味を示さない変な日本人の私は、暫し聾桟敷におかれる
ことになりました。
ようやく静けさが戻ったので、勘定を済ませ、そそくさと店を出ましたが、おじさんの表情
が妙に晴れやかだったのは、厄介者が売れてせいせいしたからかもしれません。
このカメラ、無骨な皮ケースつきなのですが、ポーランドの友人が持っていたロシア製RF、
ゼニットのものにそっくりで、なんだかすごく懐かしい気分になりました。
「極上品」と書かれていただけあって、外装も内側もきれいでしたが、念のため、修理や
さんに点検してもらうことにしました。以前、二眼レフの掃除をお願いした修理やさんです。
「これなんですけど」とエキザクタを見せると、さすがはベテラン、「ああ、このカメラならよく
知っているよ。エクサの兄貴分だろ」と余裕綽々の返事が即座に返ってきました。
結果は、心配していたスローシャッターもセルフタイマーも問題なし。
「それにしてもよく、これだけ状態のいいものを見つけたねぇ」と言われた時は、なんだか
お墨付きをもらったみたいで嬉しかったです。
おじさんは手馴れた手つきで、スローシャッターとセルフタイマーを同時に使う方法を実演し、
動きの鈍い装填軸に油をさし、新しいフィルムを詰め、最後に手動カウンターをセット。
すぐ撮れる状態にして渡してくれました。
実は、このカメラを買おうかどうか迷った時、まず調べたのがこのお店のサイトでした。
修理リストにエキザクタの名前を見つけ、ようやく購入する決心がついたと言っても過言
ではありません。
これまで色んなカメラを扱ってきただけあって、知識も経験も先に書いたカメラやさんとは
大違い。このおじさんがいてくれる限り、何があっても慌てずにすみそうです。
注:3月27日、本記事と「お宝発見」の記事にカメラの写真を追加しました。
旧東独製の純左翼カメラ、エキザクタVX IIbです。このカメラ、主な操作はすべて左手。
ただし仕様は戦前からのものなので、かの国のイデオロギーとは無関係です。
作った人が左ぎきだったという説もあるようですが、真相は不明。
何はともあれ、ギミック満載、謎に満ち満ちた摩訶不思議なカメラです。
アンティックカメラ専門店で見つけたのですが、お店のおじさんも手を焼いていたようで、
聞いても、「ああこれ?複雑だからお勧めはしないよ。スローシャッターが出ないかも
しれないし・・・」と頼りなげで気のない返事が返ってくるだけ。
結局、一度目は買わずに帰ったのですが、エキザクタVXのオーナーである nakajima
akiraさんのブログにお邪魔して、お話を伺ううちに、我慢できなくなりました。
昨日は交通ストで外出できなかったので、今日、大急ぎでお店に行き、「やっぱりあの
カメラ欲しいんですけど・・・」と言いかけると、おじさんは「ちょっと待って」と私を遮り、
おもむろに電話をかけ始めました。
横で話を立ち聞きするうちわかったのですが、前回、「スローシャッターが出ないかも」と
言っていたのは、おじさん自身やり方がわからず、点検のしようがなかったからのよう。
電話を終えると、何とも情けない表情で、「僕はねぇ。自分で言うのもなんだけど、仕事柄、
古いカメラには詳しいつもりなんだよ。でもこのカメラはお手上げだ。わけがわからなすぎる」
とボヤいていました。
この後すぐ、ハッセルのかばんを持ったお客さん、ライカやニコンのSシリーズを探している
お客さん(同業者?)など、私とは懐具合の違う人が数人、どたばたと入ってきたので、
東独の怪しげな安カメラにしか興味を示さない変な日本人の私は、暫し聾桟敷におかれる
ことになりました。
ようやく静けさが戻ったので、勘定を済ませ、そそくさと店を出ましたが、おじさんの表情
が妙に晴れやかだったのは、厄介者が売れてせいせいしたからかもしれません。
このカメラ、無骨な皮ケースつきなのですが、ポーランドの友人が持っていたロシア製RF、
ゼニットのものにそっくりで、なんだかすごく懐かしい気分になりました。
「極上品」と書かれていただけあって、外装も内側もきれいでしたが、念のため、修理や
さんに点検してもらうことにしました。以前、二眼レフの掃除をお願いした修理やさんです。
「これなんですけど」とエキザクタを見せると、さすがはベテラン、「ああ、このカメラならよく
知っているよ。エクサの兄貴分だろ」と余裕綽々の返事が即座に返ってきました。
結果は、心配していたスローシャッターもセルフタイマーも問題なし。
「それにしてもよく、これだけ状態のいいものを見つけたねぇ」と言われた時は、なんだか
お墨付きをもらったみたいで嬉しかったです。
おじさんは手馴れた手つきで、スローシャッターとセルフタイマーを同時に使う方法を実演し、
動きの鈍い装填軸に油をさし、新しいフィルムを詰め、最後に手動カウンターをセット。
すぐ撮れる状態にして渡してくれました。
実は、このカメラを買おうかどうか迷った時、まず調べたのがこのお店のサイトでした。
修理リストにエキザクタの名前を見つけ、ようやく購入する決心がついたと言っても過言
ではありません。
これまで色んなカメラを扱ってきただけあって、知識も経験も先に書いたカメラやさんとは
大違い。このおじさんがいてくれる限り、何があっても慌てずにすみそうです。
注:3月27日、本記事と「お宝発見」の記事にカメラの写真を追加しました。