2007年5月30日(水)
今日は、図書館で借りた朗読のCDを聞いてみました。
俳優(声優?)さんが数人、役ごとに演じわけているので、朗読といってもほとんど劇
とかわりません。外国語の朗読テープを選ぶとき、いつも思うのだけど、聴き心地の
いい柔らかな声と聞きやすい発音が基本になりますね。
以前、ロンドンで、視聴せずに「星の王子様」(フランス語)のCDを買ったことがあります。
子供用だから聞きやすいと思って買ったのですが、ものすごい早口でついていけず、
自信を失いました。その後、ほかのテキストの朗読も聞いてみたけど、こんなに速いの
は、後にも先にもこのCDだけ。容量との兼ね合いもあったのかもしれませんが、これ
では、聴く楽しみ半滅です。
その点、今回、借りてきたCDは合格でした。テキストはシムノンのメグレ警視シリーズの
一冊で、かなり長い(約三時間)ので、ちょっと心配だったけど、どの役者もすごくうまくて
聴きやすく、その上、効果音や音楽もいい雰囲気を出しています。一度に全部聴くのは
さすがに大変なので、一日三章くらいづつ、ゆっくり楽しみながら聴いていこうと思います。
そう言えば、もう二十年以上も前、黒柳徹子さんの朗読で「音楽物語、窓際のトットちゃん」
を聴いたことがあります。子供時代をつづった黒柳さんご自身の本に、ある現代作曲家が
音楽をつけたもの。オーケストラの名前は忘れちゃったけど、朗読も演奏も素晴らしいもの
でした。母国語って意味がわかる分、朗読者の声の質や抑揚をシビアに採点してしまう面
があるのだけど、黒柳さんの朗読は、思い入れはあっても決して感傷的ではなく、少しづつ
自然に感情が高まっていくので、最後は思わずもらい泣きしてしまったほど。こういう朗読
を聴いた後は、見かけだけで中身のない俳優の演技が、ことさら空しく思えます。