Y曲線 2006年03月13日 23時02分24秒 | 詩 あなたの姿を まぶたの裏側に 赤い 糸 で繋ぎとめ 下の名前を そっと 呟いてみる あなたへの 気持ちを 確めたところで ぬかるむ春の気配に取り残された針金細工 忘れたはずの過去のしこりから芽吹く若い 伸びやかな視界の奥で零れ落ちそうなほど 紫陽花のああ紫陽花の柔らかな感触を抉る あなた は あなた でしか無く わたし は わたし でしか無いのだから 春ニナレバ忘レラレルト思ッテイタノニ まぶたの裏側 で 蠢き出す あなたの姿 わたし の 視神経を 挫いては 搾り出す 涙雨にも似た 紫陽花の若芽を摘む