北欧デンマークおばさんの独りごちブロ

「住み慣れた地域で最期まで」をテーマにデンマーク高齢者福祉を研究し、世界のこと・日本のことを独りごちっています。

オペラハウスの立ち見席は320円

2009-02-21 | デンマーク建築・まち
さてさて、「土曜日の建築シリーズ」第12弾。

このブログの読者なら、ここがどこか、すぐにおわかりと思う。
そう、デンマークが世界に誇る「Operaen オペラハウス(コペンハーゲン)」である。
Henning Larsen ヘニン・ラーセン設計による
デンマークが全ヨーロッパ、世界に誇るオペラ・ハウスである。

昨年末のデンマーク滞在は、研究所で自分なりのテーマに取り組んでおり、もうひとつ大きな調査テーマがあったので、オペラを楽しむというのような余裕はなかった。

しかし、なんとか時間を見つけて、、、、と、Operaen オペラハウス(コペンハーゲン)でのオペラ鑑賞に時間をとった。

なんと!

ヴェルディのLa Traviata を年末の目玉講演として上演しているではないか。
しかしながら、チケット売り場には「立ち見席」しかなかった。

そのお値段、20クローナ(約320円)なり。
数字に弱いのと記憶力の低下により、あやふやではある。
が、パンフレットが40クローナで
「パンフレットより安く見ることができたんだあ」と感激したのを覚えているのでたぶん間違いないと思う。


「当日の4時から、オペラハウス(コペンハーゲン)で25枚に限って切符の販売 がありますえ。
 行列しておしやすさかい、あんはんが買えるかどうかはわからしまへん。
 それに、座席切符が買えたとしても、立見席の分は払い戻しでけしまへん。
 どない、しおやす?」

と、切符売り場の方がおっしゃる。
立見席を買った。

La Traviata は、「椿姫」として日本では知られている。

現代風にアレンジしてあって、病に伏すヴォレッタは、大きなワイシャツ風の寝巻きを着て、裸足でわが身の不幸を切々と歌っていたが、どうもこの現代化はピンとこなかった。

とはいえ、デンマークでは古い歌劇を現代に置き換えて演出するという手法に、ひとつの特徴を見出しているようなところがある。

そこで、この新オペラハウスの内部であるが、右側の巨大な木の球状のものが劇場であり、通常のオペラハウスのように、ステージがあって客席は5層の馬蹄形に並んでいる。内部の形状は、通常のオペラハウスと変わりはない。あるとすれば、シンプルでモダンな意匠ぐらいだろうか。

例えば、劇場内の明かりは、すべて壁面にあけられた横に走る線状の穴からもれてくるようにデザインされている。壁面は木で、色は紺色が基調。シートもブルー。暖色系の色は、赤のみで緞帳の模様に少し使われているのみである。

この球から約8-10m離れ、土星の輪のような形で幕間の時間がすごせるようににホワイエが丸い廊下のようにはりめぐらされている。この土星の輪(ホワイエ)は、建物を覆うガラスの壁面に沿ってぐるりとめぐっている。

この輪に、バーもあるので、そこでワインやビールが買える。この写真では、2階の輪のホワイエにバーらしきものが見える、でしょ?キンキラの球形シャンデリアの下。

そして、球状の劇場から出ると、橋を渡るような形でこの輪(ホワイエ)に出るわけである。

オペラは8時開始、7時半開演なので、7時半まではこの廊下でビールなど飲んで待つ。7時半きっかりに劇場の各ドアが開く。

写真の一番下に見えるところが、建物の入り口から入ったところで、いわゆる「もぎり」である。別に何もおいていなくて、おにいさんが立ってもぎっているだけ。

レストランは、1階と階上(といっても、「輪のホワイエの最上」であるが、、、)にある。
あるいは食事は、対岸にある「Skuespillhuset 演劇者ハウス」で食べるもよし。

3時間以上続くので、終わるのは11時を過ぎる。
帰りは、水上バスに乗り、Nyhavn ニューハウンまで歩いて(このころには独りに)、Kongens Nytov コンゲンス・ニュート まで行って地下鉄に乗り、Norroer Port ノアポートで電車に乗り換えて中央駅へと帰る。Kongens Nytov コンゲンス・ニュートからはバスに乗って、目的地にあわせたバスに乗ることもできる。

以前は、バスをしたたてやってきたグループも見かけたが、昨年はいなかった。

というわけで、Operaen の肝心の「立ち見席」であるが、最上階(5層)の一番うしろの座席の後ろが「立ち見席」であった。
ずらっと、50名以上が並んで立ってみていたであろうか。

ここで、
「席があいていたら、座ってもいいですか?」と、たずねた。
これまでの経験から、最初に空いている席には、必ず人はこないのである。

「第一幕間でいないことを確認して、次の幕間でなら座ってもいい」とのこと。

しかし、年末のLa Traviate.
最後まで、空席を見つけることはできなかった。

切符購入は、古い王立劇場の左手横にあるチケットオフィスで。

建築に関する少し詳しい情報は、2008年6月21日に、
外観写真は、同11月2日にあります。

6時からは、英語による案内ツアーをしているはず。
では、みなさま、よい週末を!







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