北欧デンマークおばさんの独りごちブロ

「住み慣れた地域で最期まで」をテーマにデンマーク高齢者福祉を研究し、世界のこと・日本のことを独りごちっています。

コリング城の廃墟ギャラリー

2009-02-08 | デンマーク建築・まち
「土曜日の建築シリーズ 第10弾」
1日遅れの日曜日にお送りいたします。

コリング城の「廃墟ギャラリー」です。

コリング Kolding は、首都コペンハーゲンがあるシェラン島から、オーデンセのあるヒュン島を通り、ユトランド半島に渡ってすぐの所にある古い町です。

ユトランド半島の南は、現在ドイツと接していますが、シュレースビ公国と常に国境争いをしていたところです。
コリング城は国を守る城砦として13世紀に築かれたもので、国境争いの歴史舞台となってきた城です。

デンマークが南に領土を広げてからは、ここに要塞をおく必要もなくなり、一時は王家の夏の居城としても使われたようです。
しかし、19世紀初頭ナポレオン戦争のころ、この城に駐留していたスペイン軍の火の不始末が原因で火事となり、城は使われなくなってしまいます。

1980年に遺跡として保存することが決められるまで、150年もの間放置された城は廃墟化するばかりでした。

廃墟化した城の改修にとりくんだ建築家は、ヨハネス・エクスナー Johannes Exner。
廃墟の廃墟感をそのまま生かした改修を行い、写真の「廃墟ホール」はコリング城城のなかでも圧巻中の圧巻。

500年、600年以上の風雪に耐えてきたむき出しのレンガを温存し、これを内側にそのまま保つように、外壁をつけています。
縦に伸びる木の柱は、朽ち果てたレンガにやさしい緊張感を与えています。

ここには、さまざまな仕掛けがあるようですが、また書きます。






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