北欧デンマークおばさんの独りごちブロ

「住み慣れた地域で最期まで」をテーマにデンマーク高齢者福祉を研究し、世界のこと・日本のことを独りごちっています。

ええだろう!エーダル教会

2009-01-31 | デンマーク建築・まち
ツーカーさんから、「エーダル教会というモダンな教会があるから見てきたらいい」という連絡が入りまして、えっちらこっちら、電車とバスに乗って行ってまいりました。昨年末のことです。
(エルシノアに行く電車 Kystban をコッケダルKokkedalで降り、150Sバスに乗る。あとはEgedal Kirke どこ?と、運転手さんに聞いてね。)

一週間ははやいですね。
やってきました!「土曜日の建築シリーズ第9弾」だったかな?

バスから降りて、道路側から見る外観は、何の変哲もない教会なのですが、
裏側に回って見ますと、広い芝生の庭が広がっており、左右対称に羽を広げたよう教会を裏側から見る事ができました。

1990年に完成した新しい教会です。
改築ではなく、新築です。
が、教会を新しく作ったりするのでしょうか?!

実は、デンマークにはその昔sogn(ソーン)という教会を中心としたコミュニティがあり、これを単位として1640の地方自治体がありました。

1970年に行政改革があり、1640から275へと統合され、いわゆる275コムーネ(市町村)の時代が長く続きました。
2007年1月の改革では、98コムーネになりました。

ということで、コムーネはもともと教会区である「ソーン」が母体となっており、デンマーク人の宗教心は、どんどん薄れていっているとは言え、「あれが、おらがまちの教会だあ」というような意識は残っているのです。

つまり!

赤ちゃんが生まれた時
堅信礼の時(14歳)
結婚の時
亡くなった時 には教会のお世話になりますし、クリスマスの時だって小学生が集まって聖歌を歌ったりします。
そして、国民は教会税を納めてもいます。

小さな田舎町にも、立派な教会がたくさんあり、
見て回ってもおもしろいです。

そうした中で、このエーダル教会があるカルボー教会区には、1990年までは2つの教会しかなかった。
1970年代の終わりごろに、「もう一つ作ろうではないか」という話が持ち上がったようです。

「カルボ教会区は人口1万人。そこに教会2つでは少なカルボ、チーズはマリボー」てなわけでしょうか。
1982年には土地が購入され、1990年にこの新しい教会ができあがったのだそうです。

豪勢な話ですねええ

建築家は、ヨアン・フォーとパー・ヒュルナー。
Fogh og Foelner という設計会社では、多くの教会の設計のコンペで勝ち抜い
ているようです。

http://www.fogh-folner.dk/

でも、1984年に出した「2400万クローナ(消費税込み)」の見積もりが
「高カルボー」とのことで、再見積もりにて
「2000万クローで、どないでっカルボー」を再見積もりを提出。
1988年に合意を得て、建築がスタートしました。
1990年6月3日に牧師がやってきて、実質的にオープンしたそうです。


向かって左に教会堂があり、右手は地域の人々が利用できる集会所のようになっています。
世代を超えた地域の人々の集まりなども開かれるようで、地域福祉にも一役かっているようです。

中の様子は、次の写真をご覧ください。
このように、デンマークでは、知られざる近代建築の秀作が町の至るところに隠されているのですね。

エーダル教会の内部

2009-01-31 | デンマーク建築・まち
エーダル教会の内部です。
白木と統一されたモダンな内装。

正直言って、「モノがなさすぎ」で、
ちょっと戸惑ってしまったくらいです。

しかし、少しすると、このしらじらとした清らかな空間の意味を身体が理解し始めるというか何というか、心が洗われるような、そんな気持ちになり始めました。不思議な空間でした。

ペンダントライトは、ヘニン・ラーセンのものでしょうか。
似ていますね。

天井から吊り下げられたものは、クリスマス前約4週間から1週間ごとに1本ずつロウソクに火を灯していくアドベントのロウソク台です。
もみの木で丸い台を作り、その上に4本のロウソクを置き、紫のリボンで飾っていますね。

余談になりますが、アドベントのロウソクは、「11月30日にもっとも近いクリスマスイブから4週間前の日曜日」とされており、教会だけでなく各家で用意して、1週間ごとにロウソクを灯していきます。