北欧デンマークおばさんの独りごちブロ

「住み慣れた地域で最期まで」をテーマにデンマーク高齢者福祉を研究し、世界のこと・日本のことを独りごちっています。

新しい王立劇場「演劇ハウス」

2009-01-24 | デンマーク建築・まち
さて、デンばあが満を持してお贈りする
「土曜日の建築シリーズ 第8弾」。

今回は、
Operaren (新オペラ・ハウス)の対岸にできた 
Skuespilhuset (プレイハウス、演劇ハウス)です。

右手奥に、Operaen 新オペラハウスをとらえた!
この構図を撮るのに、苦労したのよ。
要するに、新オペラハウスの対岸に立っているのであります。

演劇専用の劇場として建てられたもので、
この誕生によって、王立劇場全体として次のような3つの構成で、
デンマークのパフォーマンス芸術を支えることとなりました。

古い王立劇場 Gamle Scene (バレー)
新オペラハウス Operaren (オペラ)
演劇ハウス  Skuespilhuset (演劇)

建築家は、Boje Lundgaard & Lene Tranberg。
ルンゴーは、アーネヤコブセンの下も働いたこともあるようで、
1980年代初頭に、トランベアと組んで仕事を始めました。

Skuespilhuset については、2002年に
国際デザインコンペを勝ち抜いて設計を任された後、
その完成を見ることなく、60歳の若さで2004年4月この世を去りました。

彼の設計思想は、
「美」をこわすことなく「環境」に融和する。というもの。

まさに、「エコロジーの形」(新評論)でClause が言っていることと
同じです。

なんと!

コリングのトラップホルト美術館の設計もLundgaard の手に
よるもので、コリングのフィヨルドの雄大な自然との調和を
考えながら、美術館の設計をしたのでありましょう。

アーネヤコブセンの「キュービック・フレックス」という
サマーハウスが置かれている美術館です。
(この「デンマーク建築・まち 2008年10月11日」にあります)

さて、この演劇ハウスは、海の風景との調和、
古いコペンハーゲンの風景との調和について考えられており、
内側からも、その風景を贅沢に楽しめる構造です。

つまり、巨大にデザインされたホワイエは、いまやレストラン「Oferia」として使われていますが、ここでの食事は、海の風景を真横に見ながら楽しめるというもの。

さらに最上階まで上ると(上に見えるガラスの箱部分)、全体がガラス張りの巨大キューブですから360度の方向に海とコペンハーゲンの歴史的町並みを楽しめる。

特徴的エレメントは、ガラス、使い古した平レンガ、木。
残念ながら、劇場内には足を踏み入れたことはありませんが、
中間階にほどこされている時間の経過を感じさせるレンガの壁は、
劇場内の壁面に展開されるもので、真っ赤な椅子と絶妙の
コントラストを奏でているとのことです。

コペンハーゲンにいかれた方は、古い王立劇場の向かって左横の
チケット・オフィスで切符を買って、
是非、劇場に足を踏み入れてください。

ちなみに、1階レストランはお試し終了しました。オペラ鑑賞の前にビール1杯ひっかけるもよし、リッチにお食事楽しみたい向きには3コース278クローナで料理もセンスよく、「オススメ!」と見た。
給仕の女性も男性もニコニコと、しあわせそうに働いていました。

笑顔は料理をうまくします。

天井からたっくさんの棒がぶらさがっており、「なんじゃらほい」と見てみますと、照明なんですね。先っぽが紫色に輝いており、外から見ると、あたかも夜空に星がまたたいているような風情なのであります。

そこに身をおくだけで、「しあわせを感じる空間」。
ルンゴーさん、たくさんの人にしあせをありがとう。
(と、ちょっと「悼む人」になってみました)

よい週末を!