黒い雪虫。
北海道のオホーツクでは毎年10月下旬から11月にかけて雪虫が飛ぶと近々雪が降ることが多く、冬の前触れとしての風物詩になってきました。
しかし、2023年、まれにみる猛暑の夏に繁殖回数が増えたために札幌などでは雪虫が異常大発生したようで、衣服や髪に多数の雪虫がついたり、うっかりすると口や鼻に吸い込んだり、外に選択ものを干せないなど、皆さんうんざり、辟易しているとのことです。
2023-10-27( 金 ) 晴れ。 オホーツク北見市の自宅でも朝から庭にかなりの雪虫が見られ、なんとなくデジカメ撮影してみたくなり、ネットで採集しオリンパスToughで接写をこころみました。 かって雪虫のデジカメ撮影した折はほとんどが青白い蝋状物質が付着したいわゆる雪虫でしたが、なんだかこの日はちょっと違和感を感じました。
体にまったく青白い蝋状物質が付着していない個体がみられ、なんと、いわゆる雪虫君たちより数が多いのです。
ネットで採集したせいで蝋状物質が剥げ落ちたかと思いましたが、どうもそうではなさそうです。
調べてみたら、北海道で見られる雪虫は、青白い蝋状物質をまとった雪の妖精として認識されている体長5mmのトドノネオオワタムシProciphilus oriens のほかに、もう一種あって、その正体はやや小型のケヤキフシアブラムシParacolopha morrisoni 。
ケヤキフシアブラムシは雪に似た青白い分泌物をまとってはいませんが、雪虫と同じ時期に出現、雪虫と混飛するため、その名もクロユキムシ(黒い雪虫)と呼ばれることもあるようです。
かねてよりオリンパスTough は接写に弱いと感じてきましたが、雪虫や黒雪虫の撮影にはやや苦戦しました。まことにピントが合いにくいのです。フラッシュをたくと白くとんでしまいます。それでもケヤキフシアブラムシをなんとか撮影できたような気がします。
ネットレベルで少し勉強して、にわか雪虫博士 になりました。
トドノネオオワタムシProciphilus oriensの生活環について。
ヤチダモの幹に産み付けられていた卵から、春になるとメスの幼虫が孵化してきます。この幼虫はヤチダモの葉を栄養源として育ちメス成虫に発育するとトドマツの根元で生活するようになり、いわゆるカメムシの仲間らしく、ひたすら単為生殖をしてメス個体ばかりを産み続けます。秋になるとメスはヤチダモの木に移って、今度はメスとオス両方の成虫を産みます。これらはいわゆる雪虫として風のない穏やかな日に一斉に飛び立ちオス・メスが交尾してメスはヤチダモの幹に越冬卵を産み付けます。 ちなみに雪虫の寿命は1週間ほどでオスもメスも交尾産卵行動ののちに死んでしまいます。
ケヤキフシアブラムシParacolopha morrisoni もおおむね同じような生活環パターンをしめします。
ここまでの画像はケヤキフシアブラムシばかりとおもわれるものばかりでした。
以下にいわゆる雪虫 : トドノネオオワタムシ : Prociphilus oriens の画像を示します。
黒雪虫に関しては私はまったくの素人で申し訳ありませんがどなたか、くわしいかたがおりましたらコメントなどいただければ幸いです。
おしまい。
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