北海道昆虫同好会ブログ

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エゾシロチョウ野外での羽化失敗の確率は5% 以内

2016-06-26 21:00:21 | エゾシロチョウ 
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エゾシロチョウ野外での羽化失敗の確率は5% 以内


蝶を丹誠込めて飼育し、ついに羽化の瞬間がやってくる。

そのとき、なにかの加減で羽化失敗の場合、本当にがっかりしてしまうだろう。

多くは蛹化の際、何らかのトラブルできれいに蛹化できず、羽化前からその個体の羽化失敗は予想できてしまう。

それでは一般的に野外での蝶の羽化失敗の比率はどのくらいのものだろうか。 

おそらくそんなことを考えたり、実際に調べた蝶愛好家は、これまでに恐らく誰もいないとおもう。


今回、我が家の庭にある赤ボケには、おおよそ320個のエゾシロチョウ蛹が確認された。

毎日、朝に羽化するエゾシロチョウをみてまわると、しばしば羽化失敗個体を見ることがあった。

羽化失敗個体は意外と少なくて、2016-6-7に羽化が始まって、全蛹のうち羽化できるものの殆どが羽化し終わったと思われる 2016-6-15 までの間に確認できた羽化失敗個体は10匹であった。















飛翔不可能とおもわれるものから、なんとか飛べる個体まで羽化失敗の程度は様々であった。

興味深いことには、これら羽化失敗個体たちは交尾行動に参加するものはなかった。

羽化失敗♂は積極的に正常♀にせまるものはなく、羽化失敗♀にせまる正常♂はいなかった。

いたるところで行われている交尾行動や交尾拒否行動とは無縁の個体たちであった。

今回、単純に羽化失敗個体の比率をみると 10/320=0.031 約3.1% ということになるが一日中観察していたわけではないので恐らく羽化失敗個体はさらに多いかもしれない。 

おおよそ5%前後といったところが私の推定である。



羽化失敗個体の運命。

これは飛べないなと思われた1♂は翌日、無惨な首無し死体で発見された。なにか凶暴な天敵の餌食になったのであろう。羽化失敗個体の運命は過酷なものであろうことは容易に推定されるがこの個体のように長生きは期待できず、生殖活動に参加することも少ないであろうと思われる。



正常羽化個体でも何者かに襲われあえない最後をとげることがある。 2016-6-26 このところ雨の日が多かったが庭の片隅に泥にまみれた正常羽化1♂の首無し胴無し死体を発見した。



多数のエゾシロ幼虫のため、いったん丸ハダカにされ、花芽もすべて食い尽くされたかに見えたが、かろうじて残った小さなつぼみから赤ボケの花が一輪咲いた。


 丸ハダカになってこれでは枯死するのではとおもわれた赤ボケに2016-6-26現在、どんどん新芽新葉がでて、たちまち復活した。今は多数の♀が産卵しておびただしい数の卵が産まれている。




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