ヒマラヤのチョウ代表、オオヤマミドリヒョウモン Argynnis childreni Gray, 1831
北インド東部、ネパール、ブータン、から中国北西部にかけての山岳地帯に分布する、大型美麗なヒョウモンチョウです。
9月上旬のドチュラ峠への途中の原生林。濃い霧が流れて、晴れたり曇ったり。寒くなったり暖かくなったり。
この黄色い花にチョウが吸蜜に飛来します。
このオオヤマミドリヒョウモンは、いわゆるヒマラヤ回廊に多く見られるようで、私は1968年に出版された北海道大学のヒマラヤ(ネパール)調査隊の報告書ーヒマラヤの動植物ーで白黒写真の図版を見たのがこのチョウとの最初の出会いでした。
何故か、この大型ヒョウモンチョウは私にとってきわめて印象深く、以来、私の頭のなかではこのチョウをヒマラヤのチョウ代表と位置ずけてしまったのでした。
当時北海道大学に入学したばかりの赤貧大学生だった私は、強い意志はあっても経済的な問題でネパール行きなど到底かなわぬ夢でしたが、後に厳重な鎖国を続けてきたブータン王国が1978年に開国され、その翌年ブータンにチョウの調査で入国することができました。
ヒマラヤ回廊の中心に位置するブータンではおよそ2000m前後の山岳地帯でこのチョウをよく見かけましたが個体数はさほど多くはなかったとおもいます。
この大型のヒョウモンチョウの飛翔は小気味よいほどに力強く、春と秋に出現します。
秋には個体数が多いようですが多少飛び古したような印象をうける個体が多くみられます。
これらのことから、日本(本州)における一部のヒョウモンチョウたちと同じく、春に羽化した個体が暑い夏は夏眠して、秋、気温が落ち着く頃に再出現し産卵している可能性がないかと推定しています。
水車で回り続けるマニ車。
ラマ教ではマニ車をせっせと回すことによって願いが叶ったりご利益があったりとされるみたい。道路脇にある小型仏塔の中にはマニ車があり、沢水を引いてその水力で延々と回り続ける仕掛けがありました。
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