続・弓道の極意

私が一生をかけて極めようとしている弓道について、日々の気づきを積み重ねていくブログ

弓を背中にしょいこむ

2010年02月12日 | 積み重ね
多くの人は、打起しから会に至るまで、身体の前半分で引いている。

これは至極当然で、実際には前に打起し、会でもせいぜい身体と触れる位置まで来るが、やはり前であることに変わりはないからだ。

しかし、身体の内部に働く(感じられる)力は、前だけとは限らない。外見上、身体の前で引いているように見えても、実は後ろ、つまり背中で引いているということがありうる。

そのためには、大三で両腕を張りつつ、十分に身体に近づけなければならない。前で引いている人の多くは、大三が身体から遠いために、前で引くことになってしまっている。

また、身体に十分に近づけた大三から、肩入れをする感覚で、首の後ろを通すような感覚で、背中に背負い込むように、引分けてくることが必要である。

このとき、往々にして馬手先行になってしまうので、注意が必要である。

こうして引分けてきた会は、とても安定感があり、そこからの伸合いの余力を十二分に残すことになる。

前で引くと、どうしてもこの安定感が得られず、会が早くなったり、射が安定しなかったりするのである。