東京タウンウォッチング情報 & 経営コラム 「経営コンサルタント・安岡裕二」の情報とヒント

ホットな街、店の現場から“時代”が見えるタウンウォッチング。経営に関連するヒントを独善的に“切る”短文のコメント。

「行列の心理学~行列店が街を支える」

2011-05-24 23:15:32 | 銀座・日本橋・人形町・東京・丸の内
 「行列の心理学~行列店が街を支える」 
~経営コンサルタント・安岡裕二の「東京タウンウォッチングガイド」~
                
 人形町のシュークリームで行列の出来る「シュークリー」。9.30、12.00、17.00と1日3回個数限定で売るが、毎回行列であっという間に売り切れる。この時間も、どうも何かの企みがあるかも知れない…などと、つらつら「行列の心理」と言えるものを解明したくなった。

 ふっと、同じ考えから書いている人がいるかも知れないと思いつきインターネットで「行列の心理学」で検索を試みる。ありましたね。

 この書き手によると、『人は行列が好き。…どうしてだろうか? 「それは並ぶ価値のある商品だから」。多くの人はそう答えるだろう。でも、本当にそれだけだろうか?』と疑問を投げかける。

 そして、『…人は行列を見て「大勢の人が評価しているから、魅力的なものに違いない」という逆の発想をする。それに人は誰かと同じことをすることに安心感を生じることがある。心理学ではこれを「同調行動」という。そして、並んで買ったという達成感が、ある種の満足感をつくり出す』とある。
              
 関東人は、関西に比べ、同じ事をしないと回りから取り残されるのではないかという強迫観念が強いという何となく頷けそうな説もある。
 TVで取り上げられた店や食べ物に一時的にブームが起こるのも同じようなものかも知れない。
 ところで、注目すべきは、行列に並んだり、TVに影響されるのは圧倒的に女性が多い事だ。ということは、消費の主役である女性がその街へわざわざやって来る事が多い事を意味する。つまり、街の賑わいに貢献する事でもある。
 更に、いつも行列状態が続くところには、味、美味しさの本物性の外に、何か仕掛けがある事が多いのではないかと考えてみる。…すると、“時間”というキーワードが浮かんできそうである。時間のマーケティングと言っても良いかも知れない。
 取り上げたシュークリーム(画像)の店が、1日3回に分けた時間に販売するのは、朝食後、ランチの後、夕食の後のデザートを想定しているのではないか!? その都度売り切ってしまうのは、“渇望感”を掻き立てる心理作戦と同時に、“鮮度”と“集中生産”の一石三鳥のメリットも生み出す。

 しかも街に人を呼び寄せる力を持つ。人形町という街は、こうした店が路地に点在し繰り返し人を惹きつけているのではないかと思う。十条銀座という商店街も、行列の出来る人気店が何店かある事が街の活性化を支えている。「行列店が街を支える」…そんな時代なのではないか。

○「シュークリー」 中央区日本橋人形町1-5-5

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