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(ネット点描)SNSとメディア 作られた炎上、「世論」に

2016-08-06 15:49:12 | あっぱれ記事を応援しましょー

2016年7月26日の毎日新聞の記事です。

(ネット点描)SNSとメディア 作られた炎上、「世論」に

http://www.asahi.com/articles/DA3S12479502.html



 初対面の人に「どんな仕事ですか」とよく尋ねられる。「ソーシャルメディアエディター」という私の肩書が興味を引くらしい。そんな時は「消防士に似ていて、防火や消火に日々いそしんでいます」と答えている。

 もちろん自己紹介の「つかみ」で、SNSの積極的な活用を記者に促す、という本来の役割も説明する。ただツログイン前の続きイッターやフェイスブックなど、150人の記者を含め300近い朝日新聞の公認アカウントを運用していると、投稿に対して否定的な意見が集中する「炎上」を何度も経験する。

 それゆえ「ネット炎上の研究」(勁草書房)が4月に出版されると、すぐさま手に取った。事例や対処法を紹介する多くの類書と違い、「炎上をつくり、あおっているのは誰か」に注目しているのが特徴だ。

 共著者の国際大学の山口真一講師(計量経済学)らはネット調査を分析し、過去一度でも炎上に加わった経験があるのはネットユーザーの1%余りととても少ないことを突き止めた。1回よりも複数回参加した人の割合が多く、1件の炎上に複数回書き込む人が65%に上ることも分かり、少数が繰り返し書き込んでいる実態をつかんだ。

 山口氏は「炎上の一つひとつはほんの一握りの人が作り出している。にもかかわらず経済的被害や人権侵害、言論の萎縮など、大きな損失が生まれているのは、きわめて憂慮すべきだ」と指摘する。

 炎上に参加する人に共通する動機は「自分が正さなければならない」という過剰な正義感にあるという。最初はネット上でほとんど影響力のない人の投稿から始まるが、限られた人の間のキャッチボールが拡大するうちにいつの間にかうねりとなっていく。そのプロセスに達成感を感じることが、次の炎上への動機づけになっている。

 さらに山口氏が指摘するのは、炎上に至るまでのメディアの役割だ。ネットユーザーの関心を呼びそうなテーマだと、事実関係の確認など二の次で、まとめサイトやブログなどがいち早く取り上げる。それをネットの話題として大手メディアが取り上げる。その結果、少数の、ある時は意図的に偏った書き込みが、いつの間にか「ネット世論」なるものにすり替わっていく。

 火のないところに煙が立っているだけなのに、メディアが火勢を増す手助けをしていないか。ネット時代のリテラシーを高め、正しい価値判断をすることがより一層求められている。(藤谷健)



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