山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

雑木林の新緑始まる

2020-05-01 | めぐる季節と自然

周りの雑木林がスモーキーな薄緑色になっていることに気づいた一昨日。コナラとアベマキの新緑だ。本当に薄い緑色のや、少し黄緑の濃いものや、少しずつ違う色を帯び、その中に散り残るピンクの桜。コナラの芽は間近で見ると真っ白な毛におおわれていて、ビロードのように光っている。それがスモーキーな新緑の色を作り出す。

新緑の色はもちろん地域によって違う。山の植生が違うためだ。もう少し北に行くとコナラよりもミズナラが多くなり、白っぽい色が減る。また、関東の方はアベマキではなくクヌギがあり、クヌギの新緑は濁った緑色でアベマキとはずいぶん違う。南に行けば常緑樹が増えてコナラやアベマキのようなスモーキーな明るい色は減る。

この地域の新緑は日本一なんじゃないかと思う。特に、山桜が多いのではなやかだ。うちの横にはカスミザクラとヤマザクラがあるようで、10日ぐらいずれて咲く。その遅く咲く方(カスミザクラ)が散るときには本当に雪が降っているようだ。我が家の庭に降りしきる。その吹雪が一日中窓から見える。

このGW期間中、世間にはお出かけしたくてたまらない人がたくさんいる、ということが、今のコロナ騒動のテレビ報道で分かった。そういう人の多くはコンクリートで固められた都会のマンション住まいとかの人だろうと思う。この時期、単に休日だからという理由ではなく、この世界を満たしている「気」のようなもの、気候と言ってもいいけど、それが人をそわそわさせているような気がする。その気は体調をも左右していて、お出かけしたくなる虫が体内でうずくようになっているように感じる。

しかし、田舎に住んでいる人は、GW中は忙しくて忙しくてお出かけなどする暇はないのだ。畑を耕して夏野菜を植えこんだり、4月下旬から水を入れた田んぼに田植えをしたり、種を蒔いたり、草を刈ったりと、やることがてんこもりなのである。夏野菜を植えるのも簡単ではない。植える前に「手」を立てないといけないのだ。トマトを支える支柱と、雨がかからないようにするビニールの屋根が要る。

そういうわけで、テレビで見る「遊びたくてたまらない人」は、別世界の人である。

行政機関は「出かけるな」としきりに呼びかけるが、私の場合、出かけない方がむしろ人と接触してしまう。出かけるというと田舎道、山道を歩くことなのだが、家で庭仕事などしていると、誰かがやってくる。田舎の町だからなのか、みんなほとんどコロナなど気にせず、普通に話をしている。2m離れるなんて誰も考えていなさそうだ。考えた方がいいと思う。けれども、容赦なく回覧板などもピンポンを押して玄関開けて渡してくれる。回覧板を開くと、コロナ感染に関する注意をあれやこれやたくさん書いた紙が挟まっているのだが、そういうものを家々を巡回させること自体が矛盾している。いろいろなばい菌やらウイルスやらを集めながら回覧板がやってくるのである。それでもその中に布マスクの型紙などという気の利いたものが入っていて、それだけはありがたかったりする。

もうこれからは「年寄りだからスマホはできない」とか言っていてはいけない世の中になったと思う。インターネット環境は上下水道や電気同様、生活する上での基本インフラとして整備して誰でも操作できるように行政も支援しないといけないと思う。

 

写真/ヒメオドリコソウとカキドオシ(薄紫の花)。どちらもシソ科。2020年4月下旬、中津川市で。今はカキドオシの最盛期。いい花だ。

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