山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

仕事をもつ山里のおばあちゃん その2

2010-08-28 | 山里のおばあちゃん
ゆきこさんの畑に下りていって
「すごい~、
 それにしても、広い~。こんなにやってるなんて」と言ったら、一言、

「これだけがわたしの仕事だから」と。

おおっ! なんてかっこいいの。


ゆきこさんはやさしいおとなしい人で、
決してみんなより大きな声でものを言ったり
説教をしたり、演説をしたり、ましてや自慢げにものを言ったりは
しない人なんですけど
そういう人がキッパリとこういうことを言われたので
ハッとしてしまいました。


山里のおばあちゃんとしての矜持みたいなものを
持っているのですね。

自分はこの畑だけはちゃんとやるんだという「務め」の気持ちと、
その仕事への誇り。


こうしてみると、山里のおばあちゃんはみんな仕事を持っているのです。
誰もが雨降りでなければ畑に出て仕事をしています。
フルタイムで従事してる本職です。キャリアウーマンです。
そして誰にも雇われていない。畑の経営者です。
しかも、自分が主人だから、自由です。
できた作物は全部自分の責任です。


息子や嫁さんは会社に働きに行っている。
おじいさんは田んぼをやって米を売っているし、地域の役もやっている。
だから私は畑をしっかりやるんだ、という「役割」の意識が強くあります。

畑以外にも、嫁さんがいないときは孫にご飯を食べさせたり。


現役引退して、時間が余っているから、土地も余っているから、
趣味で畑をやっている、というのとはまったく違う。
おばあちゃんにとっては、畑は「本職」なのでした。

ついでに言えば、採った作物を使って料理しまくるから
料理の腕も上がります。


山里のおばあちゃんは仕事を持っている。
そして家族の生活の基盤を作っている。
すごい。最強です。


そうして考えると、都会のお年寄りは気の毒みたい。
仕事を持つなんてことないから、カルチャーセンターに行ったり。
テレビを見たり。
勤めなんかしたら、年金減らされるもんね。


年を取ると都会のほうが住みやすくなるというけど
それは都会に人口が集中してるから交通や病院などが便利なためであり
都会のお年寄りたちがもっと田舎に来れば
いろいろと楽しいんじゃないかと思います。
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