ヤブカンゾウはこんなに咲くものだったかと驚いている。去年までの散歩道はヤブカンゾウではなくカンゾウ(ノカンゾウとも言う)が多く咲くエリアだったのだが、今年歩いているところはヤブカンゾウだらけ。次から次へと咲いてきている。昨日行ったオンラインカフェでも、岡山でも長野県伊那地方でもヤブカンゾウがたくさん咲いているという話が出た。
正直、ノカンゾウの方が優し気でちょっと好きだったのだけど、ヤブカンゾウは花が八重なだけあってよく目立ち、群れ咲いているとそれは見事な景色になり、これも悪くないなと見直した。
ちょうど半月前の去年、佐渡でトビシマカンゾウの群生を見たことが思い出される。
ヤブカンゾウは田んぼの畦や道端のいたるところに生えているので、雑草として容赦なく草刈りされる。3月末頃に、ほかの草に先駆けて生えてくるので、放置すればすごく伸びてしまうから、当然刈られるわけだ。そういう草刈りをする時期は、1回目は大体4月末、2回目は6月初めである場合が多い。1回目は田植え前に田んぼのまわりをきれいにしておこうということであり、2回目は6月第1週あたりである。6月第2日曜日に市内一斉清掃があるのでたいていはその前に刈っておいて胸を張って一斉清掃の草刈り日を迎えたいのである(田舎あるある)。
ヤブカンゾウを放置、または大切に育てると、下の写真のようになる。
アガパンサスの向こうに咲いている。とても立派でカンナ並みのインパクト。1本の花茎に花がいくつもついている。おそらく10個ぐらいはある。そして次々咲いてくる。そして葉も見事に茂っている。まあ、これはこれで良しとするとして。
下は農村地帯の草原のヤブカンゾウ。
花は少ないが、楚々としている。刈られるからこそのかわいい山里風景である。
こういう多年草の場合、地上部を刈ると、それからまた葉を伸ばして花を咲かせるに当たって、地下に蓄えた養分を消費するので、そのたびに根がやせる。十分に葉を伸ばすと今度は葉が光合成をしてまた養分を根に蓄える。花壇で大切に育てている(わが庭の)ヤブカンゾウは、刈ったりしないので株は1年で相当大きくなり、今では密密に生い茂っている。なので、庭じゅうをヤブカンゾウにしたいのでなければ、刈って根が肥大し過ぎないようにした方が、バランスが保てる。それに、花の丈が高くなりすぎなくて、かわいい感じに咲かせることができる。まあ高くするか低くするかは花壇のデザインに合わせればいいことであるけど。少なくとも、地上部を刈ることを恐れる必要はないということだ。
動画で紹介しています。霧の中に咲く光景もとてもきれいです。