以前にここで、「中学校の部活動改革」が進んでいることをブログに書きました。地元の競技団体(卓球協会)の一員として、「部活動が学校から地域へ移行するといっても難しい問題たくさんあるだろうなぁ…」という気持ちを書かせていただきました。
下の新聞記事は、昨日(6月1日)の新潟日報の記事です。5月31日に行われたスポーツ庁の有識者会議で、「2025年度末を目標に休日の部活動を地域のスポーツクラブや民間のジムに委ねる」という提言を了承した旨の記事が掲載されていました。
これからこの「2025年度末」というサブゴールに向かって、逆算してさまざまなことが段階的に始まります。3年後ですか。「いよいよだな!」って感じです。「サブゴール」って書きましたが、もちろんその先には「ゴール」が存在します。「ゴール」はもちろん、「中学校の部活動を完全に学校から切り離す」ことです。この実現はいつ頃になるのかな?これもそう遠くはないことなのでしょうね。
この「公立中学校の部活動の地域移行」って、「学校の先生は忙しいから地域で(民間で)生徒に指導してね」っていうのが基本的な考え方です。「地域の子どもたちを地域みんなで育てよう」っていう根本的な理念は間違っていないと思うけど、「じゃぁ地域で指導する人は暇なの?」って切り返したくなります。
ボクも若い頃にスポーツ少年団の指導をしていたことが数年間ありますが、仕事との両立はとても大変でした。今現在も地域のクラブチームやスポーツ少年団のほとんどは、指導者やコーチの手弁当、ほぼボランティアで行われています。今まで教員に「学校の子どもたちのために頑張れ!」って部活動を休日返上で担わせていたのが、今度は地域のスポーツ愛好家に「地域の子どもたちのために頑張れ!」ってことに代わるだけなら、この改革は上手くいくはずはありません。
ホントはサッカーのJリーグクラブチームのように、指導者(コーチ)が職業として確固たる収入や身分が保障され、ライセンス制で研修システムも構築されることが理想なんでしょうね。だけど、陸上、水泳、野球、バスケ、バレー、テニス、卓球、バドミントン、柔道、剣道など、種目も多岐にわたる中学校の部活動です。全ての種目でそんな受け皿を作ることなんて、現状では不可能です。
結果、中学生のスポーツは間違いなく衰退します。部活動に取り組む生徒数は今の半分以下になるでしょう。そして、保護者が経費を負担できる子どもたちだけがスポーツに取り組むことができる…というスタイルに変わっていくような気がします。もちろんボクら競技団体としては、そうならないように全力を尽くさなければならないと考えてはいますがね。