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奥秩父や奥多摩周辺の山と花の風景を楽しんでいるデジカメ日記です

よたよたと三ツドッケの巨木たちを訪ねて

2014年03月21日 | さんぽ



2014年3月21日(金) 晴れ

東日原バス停→一杯水避難小屋→巻き道→三ツドッケ→一杯水避難小屋→日原森林館→東日原バス停

奥多摩へは車が便利だが、今日は電車バスを乗り継いで出掛けた。電車バスなら中央線沿線の山も距離的にも料金的にも同じだ。しかし、今回は天目山(三ツドッケ)の展望を楽しむのと同時に、ブナ、ミズナラ等の巨樹たちの写真を撮りたいと考え訪ねることにした。春になると、いつの日か新潟のブナ林で眺めた幹の根元が円形に融雪する情景を思い出し、そのイメージを頭の中は描いている。予定ではハナド岩と三ツドッケで展望を堪能し、仙元峠にいたる尾根でブナの巨木たちの写真を撮り、下山たいと考えていた。中央線沿線なら何度も通った滝子山、もしくは本社ヶ丸か鶴ヶ鳥屋山、そしてお坊山、米沢山辺りの静かな山域も魅力的だと常日頃気に掛けている。しかし、どちらかといえばやはり奥多摩に親しみを感じ、大雪後の状況把握も兼ねて天候と勘案した結果、行き慣れた三ツドッケに決定してしまった次第である。それでは、三脚をザックにくくり付け、軽アイゼンを持参して、熱々のラーメンでも山頂でゆっくり食べたい。そんな思いだ。並びに、万が一のことも考え、食糧は大目に準備する。あの天祖山での犬のこともあるので、何があるのか分からない。準備する食べ物はその天祖山以来増えてしまった。しかし、持参した食糧をすべてが食べられる訳でもなく、毎回下山後はその後始末に追われる有り様だ。それに今日はザックの中に放り込んである非常食の入れ替えもするので、それを優先的に食べてしまいたい。既に賞味期限が切れてしまった状態なので、それをいつまでも放っておけないだろう。


<川苔山>
バスは約10名のハイカーを乗せて定刻に奥多摩駅を発車した。川乗橋で降りたのは約5名、あとは東日原まで乗車する。雲取、鷹ノ巣方面へは3名。三ツドッケが2名と、それぞれの登山口へ散って行く。靴ヒモ、スパッツ、着替えと身支度に時間を掛けてしまった。歩き出しは出遅れて、最終になってしまう。地元の方がトイレ掃除をしていて、その方と二言三言、山の話しと大雪の話しをする。先月の大雪では東日原も孤立してしまい、ヘリと自衛隊がやって来たという。その方がトイレ掃除について、こう言っていた。「たくさんの方が来ないと張り合いがない」と。では、有難く綺麗なトイレを拝借して、三ツドッケを目指して歩き出した。


<大岳山>


<御前山>


<タワ尾根、ウトウノ頭>
雪は消えて辺りはいつもの景色だ。滝入ノ頭を巻き始めると山道に雪が現れる。暗い杉林の中を歩く場所はまだ雪が残っていた。巻き道も雑木林に変われば雪は消えて狭い山道となる。この辺りから、川苔山、大岳山、御前山が覗けた。


<ヨコスズ尾根>



<一杯水避難小屋>
今日は冷たい北風だ。見る見るうちに雲が出てきて着込むほどである。そのうちに後ろから単独のハイカーに抜かされてしまった。帰りのバスは16時台を考えているが、となれば余裕をみて14時には下山開始しなければならない。避難小屋前のベンチに座り、パンを食べた。右も左も踏み跡は一人分か二人分程度のトレース。予定通り、ハナド岩の展望を目的に巻き道へ入る。



<巻き道>


<高ワラビ尾根、武甲山>
巻き道へ入ると雪も多くなり、あっさりとハナド岩は諦め、三ツドッケの分岐から山頂へ進んだ。その分岐には酉谷小屋へ行く方だろうと思われるザックが一つデポされていた。若い単独の方とスライドし、好展望地で北側を眺める。足元は腿ぐらいまで踏み抜く積雪だ。目の前の大平山を眺め、明後日は大ドッケの福寿草を訪ねる予定だが、ここでこの積雪だから花新田も雪が深そうだと想像する。


<大平山>


<大クビレ、七跳山>


<大ネド尾根と秩父市街地、奥に赤城山>


<天目山(三ツドッケ)>
数えてみれば三ツドッケには天目山という山名を示す看板が全部で5枚あった。賑やかな山頂だ。それに、見晴を更に良くしようと、どなたかが山頂付近を伐採してしまったらしい。その為、秩父側も良く見渡せる。風がいささか強いが、ぐるっと見渡してお昼ご飯を食べた。そして、バスの時間が気になるので食後のコーヒーを飲む余裕はなく後始末をする。せっかくの三脚も使わずして下山開始するはめになってしまった。しばらくは山らしい山へも行かず、体が鈍ってしまったのか、老いてしまったのか、たかが三脚一本を背負っただけでモタモタしてしまった有り様だ。ずっしりと腰にきてしまい、体力のなさに身が染みた。そして、もう一度眺望を楽しみ下山する。


<武甲山、大持山>


<鳥首峠、滝ノ入頭、ヤシタイノ頭、有間山>


<仙元峠、蕎麦粒山、天目背稜>


<川苔山、本仁田山、鳥屋戸尾根>>


<大岳山、御前山、六ツ石山>


<鷹ノ巣山>


<天祖山、雲取山、芋ノ木ドッケ、タワ尾根>


<酉谷山、長沢背稜>


<御前山の奥に丹沢>
雪は思った以上に少なかった。しかし、予定の場所へは到達できず、やはり雪は手ごわい。巨樹の根元から雪解けする情景を探していたが、仙元峠まで行くのは時間切れだった。





<蕎麦粒山>
結局、体力も回復せず、下山もよたよたしながら歩くはめになってしまった。おまけに風が一段と強くなり、横殴りに落葉や小枝が飛んできた。小川谷から吹き上げてくる風が突風に感じる。怪我こそはなかったが、顔にゴミがビシバシと当たってきた。その度に顔をそむけ、立ち止まってしまう。滝入ノ頭の巻き道へ入ってやっと落ち着くことができた。


<日原森林館へ下山>
東日原からの往復では退屈なので、いままで気になっていた脇道へ反れた。残雪の塊に足跡が残されていたので、その跡を拾いながら下る。しかし、下り始めは良かったが、雪が消えて踏み跡も消えてしまった。植林された杉林の中はそれらしき道筋が四方八方にあり、道迷いになってしまったようだ。しばらくは暗い場所をウロウロするが踏み跡が見つからない。結局、尾根筋を忠実に下ることにした。すると、民家の屋根が見え始めて古びた道標を発見した。やれやれと溜め息ついて一安心する。そして、静かな三ツドッケを歩くことができたが、力不足を感じた一日だった。


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