山さんぽ花さんぽ

奥秩父や奥多摩周辺の山と花の風景を楽しんでいるデジカメ日記です

眺望の城峰山と里山に咲くセツブンソウ

2014年03月15日 | さんぽ


2014年3月15日(土) 晴れ

石間交流学習館→半納登山口→城峰神社→天狗岩→城峰山→南尾根コース→中郷登山口→石間交流学習館→セツブンソウ自生地

秩父は四方八方が山に囲まれている盆地だ。奥多摩や奥秩父をはじめ、両神山や熊倉山、そして武甲山あたりに身近な存在を感じる。中でも奥武蔵は比較的アプローチも容易で首都圏からも多くのハイカーで親しまれているようだ。「岳人」の今月号には地元の高校生の山岳部が紹介されていたが、山を楽しむには恵まれた環境にあるように思う。また、群馬県境に至る山々は二子山をはじめ、父不見山や城峰山はマイカーの利用を迫られる山域だろう。今日は野暮用を済ませてから、この人里離れた静かな山村の集落を訪ねながら、のどかなたたずまいが感じられる風情に春を探してみた。城峰山の山頂には一等三角点が設置され、三角測量で求められる基準の山となっている。埼玉県内にはこの一等三角点が11箇所ほどあるというが、そのうちの5箇所は、三宝山(2,483m)、雲取山(2,018m)、堂平山(876m)、物見山(375m)、そして城峰山(1,038m)となっているようだ。また、ここから見える男体山、袈裟丸山、赤城山(地蔵岳)、武尊山、子持山、谷川岳(一ノ倉岳)、榛名山(榛名富士)、赤久縄山などにも一等三角点が設置されているという。城峰山の山頂には展望台があり、そこから眺める山々は360度で楽しめる。車なら石間峠から歩けば簡単に山頂へ立つことができるので、休日ともなればそれなりに人も見掛けるが、今は先月の大雪で通行不能らしい。早春の花、セツブンソウの自生地で知られる堂上はまだまだぶ厚い雪が覆いかぶさっているようだ。既に3月も半ばだというのに、これでは桜を想像することもできない。春よ来い、早く来い、と言いたい今日此の頃だ。


<日差したっぷり>
車の駐車は石間交流学習館を利用した。交流館は冬季閉鎖中なのだろうか、閉ざされている様子だった。まだ石間川の沢には雪が大量の残されている。日陰ともなれば雪解けは遅い。林道をのんびり歩きだし、急峻な山肌に集落を見上げた。南に面した家々は日差しをいっぱい受け、のどかなたたずまいがうかがえる。ぶらぶら散歩気分で集落の家々を眺めながら歩く。自然と陽だまりの道へ引き込まれて行った。恐らくこの道は間違った道だろうと、それを承知で集落の中を歩いた。最後はどん詰まりになり、勝手に段々畑の畦道を登った。しかし、この先も行き止まりとなり、散歩は終了する。


<のどかな集落>
ネットでプリントしたハイキングコースを確認しながら林道を歩いた。大鳥居を過ぎれば男衾登山口と半納登山口があるようだ。その分岐には半納登山口は遠回りと書いてある。あえてそちらを選び、古きよき時代の風情を感じながら集落を横目で眺めながら進んだ。道を訪ねるにも誰も見当たらない。交流館から林道をだいぶ長く歩いて来たので、そろそろ山道へ入りたい気持ちだ。


<神社入口>
半納登山口は林道の行き止まりから入った。梅の花が満開に咲いている。しばらくは竹林の中を歩いた。やがて、雪が出てきて杉林の中を縫うように歩く。男衾登山口から合わされば数日前のものと思われるトレースが付けられていた。それはスノーシューの足跡だった。足型からしてこのコースを往復したことがうかがえる。それほど長くはないが、予想を反して城峰神社が遠く感じられた。


<両神山>
神社境内からは西と南の眺めがとてもいい。丸太で造られたテーブルもあり、休憩するには持って来いの場所だ。大雪で立ち往生したのだろうか、他県ナンバーの車がまだ雪の中に取り残されている。神社に参拝した後は、天狗岩へ立ち寄ってみることにした。将門隠れ岩なるものがあるらしいが、その頭上にあるのが天狗岩らしい。天狗岩からはさぞ見晴らしもいいだろうと期待する。


<奥秩父の峰々と和名倉山>


<城峰神社>


<天狗岩>
少々難儀しながらたどり着いた天狗岩。両神山とその周辺の見晴らしがとてもいい。アイゼンを履くことも考えたが、短い距離なので登山靴を蹴り込んで具合を確認した。すると適度なクラストで助かった。登る時よりも戻る方が一段と気を使う。用心用心、ここでまた骨折はまっぴらゴメンだ。


<天狗岩からの眺望>


<城峰山頂>
だいぶ遊んでしまった。この山頂まで来るのに、行き当たりばったりの感があったので仕方ない。展望台へ登って360度の展望を楽しみ、お昼は風のないところで食べたい。石間峠からの踏み跡はあったが、その方の姿は見えない。


<赤久縄山、西御荷鉾山、東御荷鉾山>


<御座山、父不見山>


<両神山、赤岩尾根>


<奥に志賀、草津辺り>


<赤城山と日光白根山周辺>


<榛名山>


<御座山の奥に赤岳、横岳、天狗岳>


<二本木峠、大霧山、笠山、堂平山、丸山辺り>


<中央に武甲山と小持山>


<酉谷山、熊倉山、長沢背稜の峰々>


<和名倉山周辺>


<山また山>
見晴がいい分、展望台は風当たりも強く、お昼は暖かいところでゆっくり食べた。切り株へ腰を下ろし、日光浴をしながらの食事だ。食後はリンゴとコーヒーで憩のひと時を過ごす。すると隣の建物の中から話し声が聞こえてきて、とっさに宿泊した方がいたのだろうかと考えてしまった。食事中は話し声などまったく聞こえなかったので、不思議に思えた。しばらくしてから一人の男性が出てきた。会釈すれば会話が弾み、仕事で来たという。山頂の展望台は無線中継所となっていて、それの修理をしているのだという。ダム、道路、河川などの管理データを全国で結んでいるそうだ。ご苦労様ですと言い残して下山したが、雪道を1時間近くかけてやって来たというから、本当にご苦労様だ。今まで誰一人として会うことはなかったが、まさか仕事の方と遭遇するとは思ってもいなかった。


<惑わされてしまったリボン>
下山は南尾根を下って、中郷へ出れば交流館が近い。南尾根は記憶が乏しく、実際にその場所へ行ってみなければ分からない。それも十年以上も前のことだから、今となってはうる覚えだ。ピンクのリボンが目につき、悩んでしまう。どう見ても山道とは思えない方向へ付けられているからだ。しかし、しばらくは尾根を忠実に下れば何も問題なかった。林道と交差する場所から要所要所に道標が設けられ、心配ご無用になる。但し、枝尾根が派生しているところもあるので、方角を確認する必要があった。何せノートレースだから慎重になるところでは慎重に判断を下したつもりだ。とは言っても雪が消えればしっかりとした踏み跡が現れると思われる。何故なら急な場所にはトラロープも張られ、整備がされていると考えたからだ。


<真ん中に丸山と奥武蔵の山々>


<りっぱな作業小屋>
全般的にこのコースは上りも下りも杉林の中を歩くことになる。でも、山頂からの眺望はやはりいい。久し振りにのんびりと歩けたので良かった。帰りはひっそりと咲いていると思われるセツブンソウを訪ねることにした。規模はほんのわずかだが、咲いていることを願いながら、民家の前を通過して畦道を上がった。


<早春の花>


<ほんのわずかだが>


<セツブンソウ>
人知れぬ場所に咲くセツブンソウ、訪れる方は少ない。もっとも庭先に咲く程度なので堂上と比べればまったく比較にならない程だ。ただ、こちらは無料なのでぶらっと立ち寄るには嬉しい場所だと思う。今年は大雪の影響で遅くなったが、やっと花の咲く季節になった。


4 コメント

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Unknown (風花爺さん)
2014-03-18 07:11:52
広大な展望から足元のセツブンソウまで、いつもながら素晴らしい写真の数々、十分楽しませていただきました。
特に私が好きな両神山から赤岩尾根~大ナゲシに至る稜線が自分の目の前に展開しているな迫力を感じました。
私は西門平から鍵掛城経由で城峰山に登りましたが、展望が得られない天候で思いを残していましたが、その埋め合わせができたような気がしています。
ところで山座同定のことでご意見を聞かせてください。
御座山から左へ平坦な弥次ノ平と続き、さらにその左へ三角の山があり、その左へ一段低い、おなじような三角の山が続いています。
この相似形の山の名前がズーッと気になっています。
かつて歩いている私なりの判断で右の高いのが「大蛇倉山」、左が「日航の頭」ではないかと思っているのですが、確信がもてません。
あんぱんさんはどう思われますか?
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風花爺さん (あんぱん)
2014-03-18 20:50:57
こんばんは、お世話になります。
三角形の山ですか。あの辺は歩いた経験がないので、ちょっと分かりかねますが、男山とか、天狗山とか、御陵山辺りでしょうか。これはまったく根拠のない、あてずっぽうなお話しでして。山座同定は登ったことのある山なら気に掛けながら眺めますが、知っている山はほんのわずかで、お役にたてなくて大変申し訳ありません。
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城峰山 (たそがれオヤジ)
2014-03-19 05:43:03
おはようございます。
あんぱんさん、城峰山に行かれましたか。
同じ日に秩父御岳山を歩いておりました。城峰山と同じくらいの残雪、もしくは少し多めだったでしょうか。
節分草、いい感じに咲いていますね。
御岳山の帰りに小鹿野の節分草を見に立ち寄りました。雪が多くて、融けたところからかろうじて花が出ているといったところでしたが、愛らしく、可憐できれいな花なんですね。
あんぱんさんの花便りも、これからが楽しみです。
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たそがれさん (あんぱん)
2014-03-19 21:09:49
こんばんは、たそがれさん。
秩父御岳山でしたか。雪が予想以上にありますね。もう、十年以上も前に一度行きましたが、反射板はちょっと記憶になかったです。それにモアイ像も。先月の大雪がまだ至る所に残っていて、春らしい雰囲気ではありませんね。花もやっと咲きだしたというところでしょうか。そろそろ日光とか群馬とかへ出掛けてみたいところです。連休は渋滞するでしょうね。もう少し雪解けを待ったほうがいいでしょうね。
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