劇団夢桟敷 ☆2018.6〜山南ノート5

熊本アングラ万華鏡〜演劇とプライベートの徒然

週刊月曜日 第33号 ロケハン水俣

2023-02-01 12:03:59 | 2023年
劇団夢桟敷「週刊月曜日」
〈第33号 2023.1.31発行〉
https://yumesajiki.jimdofree.com/
※バックナンバーを見れます。

location hunting
南へ南へッ!
ロケハン水俣計画
2023.01.31 Tuesday
with 夢現(坂本真里)+山南
ロケーション ハンティング
誤解を恐れずに意識をさらけ出せば、
今日は楽しい遠足です。らんらんらん♪



ロケハン行程

1.
おるがんと商店COFFEE ROASTERY & BAKERY
0966-83-8699
https://maps.app.goo.gl/gcByFay33zhDMc1x8?g_st=il

美味コーヒーを飲みながら座長夢現と本日の行動打ち合わせ。お店は満席。
居心地が良いと思ったのは沖縄の空気が店内に漂っていたからだろう。
11:30水俣着でロケハンぶっつけ。テスト撮影のつもりで仮面を持参したが、もう暫く水俣の環境を探る。
負の遺産である「水俣病」から学び、未来に向かって環境問題に光を当てる可能性をこの町に感じる。
イキイキが生きている。不屈の人間たちが居る。

2.
12:15入店
貝汁味処 南里
0966-62-4200
https://maps.app.goo.gl/jAjpaLcjivkrzCFV6?g_st=il

気になっている店に飛び込んだ。
腹ごしらえの昼食は貝汁セットとしらす丼セット。
美味すぎて言葉数が減った。
口数を減らすにゃ口止めテープは要らぬ。美味しいを食べりゃ静かになる。
無言劇?…舞台と映像の水俣をテーマにしたイメージの一部に「沈黙」を導入したい。美味しいだけではない。感受性豊かだと苦もあれば楽もあり。
音は海の喜怒哀楽。海→水→魚→命。抽象が渦を巻く。

3.
冷水泉水(ひやすじせんすい)と水神様
https://maps.app.goo.gl/hfr5oGHqeNAKcZMg7?g_st=il

ここは水俣の水源で熊本県名水百選。水が枯れる時は水の神様に祈る。水俣の「水」の名には古くからの信仰を感じる。
「水俣」とは「川が二股になったところ」、この地が水俣川と湯出川の合流地点にある事から付いた地名らしい。
水が汚れるとは恐ろしい。美しいが続きますように手を合わせる。

4.
14:30
茂道漁港
https://maps.app.goo.gl/2gbERCgyjXi4LBY18?g_st=il

1956年に水俣病が公式確認された。チッソが流した有機水銀は不知火海一帯を汚染し、被害者は20余万人にのぼるとも言われている。しかしながら、国・熊本県による住民への健康調査および全容解明のための調査は徹底されていない。
水俣の漁港を眺める。感慨深くなる。
昨年2022年11月の水俣の漁港巡り湯堂港に続く第二弾巡りになった茂道漁港。
魚を獲って生活の生業とする漁師の家庭で水俣病が発生してきた。
原因不明の奇病とされた初期もあり、チッソ城下町として経済を支えた町は水俣病で二分化された。差別や被害の隠蔽も見られた。
穏やかな漁港を眺めて、ここに暮らす漁民たちの今を水俣病に限らず「生活そのもの」から発せられるのナマの声を受け止めたいと思う。
酒だ。魚をつまみに関係したいものだ。
ふと思いついたのだが魚釣りツアーを組んで「不知火幻視行」Movieを構成しよう。
釣り好きに漏らそう。

5.
一般財団法人水俣病センター相思社
水俣病歴史考証館相思社
〒867-0034熊本県水俣市袋34
0966-63-5800
info@soshisha.org
ホームページ
http://www.Doshisha.org

「地域の中でいかに生きるか」ということが患者たちの中で大きなものになっていました。また、若い患者、特に胎児性患者の将来が心配でもありました。そういった中で「患者・家族の拠り所」を作りたいという機運が生まれ「水俣病センター」構想に繋がっていきました。
1974年4月、水俣病センターは落成し、「相思社」(互いに思い合う)と名付けられ、活動を開始しました。
水俣病歴史考証館は1988年、展示館に改造されました。

昨年の11月に相思社を訪問して2ヶ月ぶりに足を運んだ。
アポ無しだったが今回は永野三智さんが水俣病の歴史を解説付きで対応されて、水俣ロケハンの意義が深まる。何よりも人間同士の繋がりだ。
見えない糸で結ばれている顔が思いがけずに繋がっていたことにも驚く。🥸
もっと驚いたのは永野さんとはFacebookでお友だちになっていたこと。何故気づかなかったのか?
座長に言わせると映画「水俣曼荼羅」でも見覚えがあると言った。
糸は絡まっていた。
ここが拠点になりそうな気配。水俣での拠点は点在しそうな気配。
宿泊は湯の児温泉を狙っていたが相思社滞在もイイネ。日帰りだと勿体無い。
本日は韓国からの長期滞在者が居られた。あ〜インターナショナルですねー。
ローマ字でMINAMATAが通用する意味は深い。
水俣病をテーマに映像や舞台を企む私たちはブンカ人独特の都合良い後ろめたい気持ちがある。
跳ね除けられるか。これは新たな闘いに入った。

6.
百間排水口
https://maps.app.goo.gl/gJKqPbebFWqFhdYu8?g_st=il

ここに辿り着いたのが16:00を回っていた。チッソが排水していた水銀の場所。
じっくり感じ取りたかったのだが小便がしたくなり膀胱が破裂しそうになっていた。70歳を超えたジジイがズボンを濡らしては只のヨイヨイである。それもヨイヨイ。ヨイヨイがふらふらとなっていた。
鬼気迫りながらトイレを探し回ったが見当たらなかった。軽犯罪だが木陰に隠れてジャー。ジャーはチョロチョロより元気が良い証拠。
熊本弁で大事なことを「ジャージ」と言う。
で、排水口は?
百間排水口は水俣病の爆心地とも言われた。

7.
エコパーク水俣(親水護岸緑地)創作地蔵のある公園「水俣病慰霊の碑」
水銀ヘドロ埋立地

https://minamata-kouen.com/

本日最後のロケハン地。
撮影現場にするためには水俣市の許可が必要だろう。無許可だと演劇実験室天井桟敷が過去に行った「市街劇」になるだろう。今の時代に過去の過激演ゲキ復活か?
劇団夢桟敷はアングラ劇の旗をちらつかせているのだが…。
オンビンに穏便に!のこの頃である。
いずれにしてもこの場所は撮影場所から外せない。
特に魂石(創作地蔵が並ぶ緑地公園)でオドリ、背景には不知火海がある。
お茶でも飲みながら、海を眺めながら、水銀に毒された海を埋め立てた地の今後の安全性なども知りたい。その取材も兼ねてみようと思う。

http://nimd.env.go.jp/archives/minamata_disease_in_depth/
水俣病と水銀
水俣病情報センター環境省より



水俣ロケハンは続く。
演劇や映画、文学、美術などブンカゲージツは〈生活や環境、今時間〉と無関係ではない。
今後の活動としては同時にMINAMATA PROJECT 演劇ワークショップの公開に向かうことにもなる。又、水俣ツアー募集をしたい。
行けば見える、会えばわかる。
幻視行は言葉だけが跳ね上がるマボロシでは済まない。行である。

まとまりのない「週刊月曜日」の掲載は活動の小出しだと受け止めていただければ有り難い。いずれ整理して「紙」の冊子で夢桟敷ファンや関係者のはお配りいたします。
劇団である以上、舞台本番に力を注ぎます。
活動は遅れ気味だが、このテーマは世界規模の大きさです。慌てない!
(山南)

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