毎日が山のこと

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静けさ求めて父不見山へ(2021年2月5日)

2024-01-10 16:39:03 | 山日記

(手を入れての再投稿です)

秩父の小鹿野町と群馬県の神流町との境界に父不見山という山がある。秩父側では「ててみえず」、神流町側では「ててみぇーじ」と呼ぶらしい。

2月、冬の静かな山歩きを求めてこの山に登ってみた。

あまり人の行かない山だ。なにしろアプローチが不便。標高も1047mしかない地味な山なので静かな山歩きが期待できるが、電車とバスで神流町の万場まで行くには埼玉から3時間もかかる。

そこで今回の計画は、マイカーを万場の駐車場に留め、歩いて生利(しょうり)から秩父の吉田町へ抜ける県道を使って杉ノ峠北登山口をめざす。

杉ノ峠から父不見山、長久保の頭と歩いて坂丸峠から小平へと下る。小平からはバスで万場へと戻るという計画だ。

道の駅万葉の里に留めて周回する人もあるようだが、バスを利用する場合は、バスが万場で運転士の休憩で10分間とまる。だから万場に留めると無駄が少ない。

 

万場の中心部に写真のように外来者も駐車できるスペースがある。

以前に若神子尾根から西御荷鉾山に登ったときもここを使わせてもらった。7時30分出発。

 

今回初めて気がついたのだが、そこから川の方にいくともっと広い駐車場もあった。夏の観光客用らしい。

万場の町はまだ日があたっていない。

 

橋で川の南側に渡り、歩いて生利へと向かった。途中にもう1本橋があるのだが、現在架け替え工事中だった。

 

生利から吉田に抜ける県道を歩いて登ると父不見山登山口の標識があった。

 

ここから山道に入るところだが、私はこれを見ながら、計画とは違うコースだと思い込んで県道をさらに上に登ってしまった。

 

やはり、標識の通りに登るべきだったのだ。

1kmほども登ってしまったので引き返すのはいやで、一段上にある林道をめざして斜面を登り、山仕事に使ったらしい古い尾根道をたどって中腹の林道に出ることができた。

下の写真はその尾根道と林道への到達点。

 

舗装の林道をたどって本来の登山コースにもどる途中、視界が開けて父不見山が見えた。

 

途中沢に沿って道があったが、これは登山道ではなかった。もう少し歩くとようやく案内標識を発見。

 

立派な標識だが、少し傷んできていて文字が読みづらい。私製らしい青い標識も近くにあった。

 

道は最初は舗装されていた。車でも入れそうなのだが、作業用の車以外は乗り入れないよう注意看板があった。

 

この山の群馬側は比較的なだらかなので、山中に林道がつくられている。

間違って入り込まないようにしたい。私製の青看板もそのためにつけたものだろう。

 

やがて、赤い布や青い私製看板に導かれて沢を渡り、向かいの斜面の山道を登り始めた。

しかし、その後なんども林道に遭遇した。

 

山の斜面自体がゆるやかなので道も楽に歩ける。ただ北斜面なので寒い。

 

峠が近づくと日陰には雪が積もっていた。

 

10時2分、ようやく杉ノ峠だ。

 

広い尾根の南側にまわると石の祠と灯篭が2基、南向きに設置されていた。秩父側の人が祀ったものだろう。

 

ここでなんと、カメラのバッテリーが切れてしまった。前回使ってチャージし忘れていた。このあとはスマホでの記録だ。

 

杉ノ峠から父不見山までは歩きやすい尾根道だ。気分ものんびりしてくる。

そうそうこんな気分を味わうためにこの山を選んだのだ。

途中奥秩父の山なみが見渡せるところがあった。

 

さらに歩くと父不見山のあと向う長久保の頭も木々の間から見ることができた。

 

10時35分、父不見山山頂に到着。いくつかの標識と石碑があり、小さなベンチも置いてあった。

ベンチに腰掛け、おにぎりとカップラーメンをいただく。

すぐあとに男性が一人登ってきた。しばらく写真を撮っていたがすぐに引き返していった。

秩父側の林道に車を留めて上がってきたのだろう。この山で唯一の人との遭遇だった。

 

山頂からは木の枝越しに白銀の山が見えた。冷えて澄み切った空気の中でかがやいていた。

長野県との境である十石峠やぶどう峠越しに見えているようなので、北八ヶ岳の一部と思われる。

 

20分の休憩後となりの長久保の頭へ向う。

2万五千分の1の地形図では、三角点のない父不見山の名前は書いてあるが、そこより標高が高くて三角点のあるこの山には山名が書いていない。

山頂の標識には長久保の頭と大塚という2つの表示があった。

長久保川というのが秩父側にあるので、秩父側では長久保の頭、万場側では大塚と呼んでいたのかもしれない。

 

坂丸峠への道も歩きやすくいい道だった。

葉をきれいに落としてしまった樹林は明るくて開放的た。

 

途中にある985mの高まりは南側の沢に下りながらまいていくので登り返しもない。

 

坂丸峠も広々した峠だ。

 

峠にはまだ新しい石の祠が祀ってあった。

 

峠の北側はかなり広い落葉樹の広場になっていて、奥の方には送電鉄塔が立っていた。

 

静かだ。風もないので日向は暖かくさえある。

1本の木が横たわっていたので、そこに腰をかけ、お湯を注いでコーヒーいただこうとしたら、お湯の入った魔法瓶はあるのに肝心のコーヒーパックを入れ忘れてきてしまった。

うーむ。最近こういうことが増えているなぁ。

 

坂丸峠から小平への道は道幅も広く傾斜もゆるくて歩きやすい。上部はほとんどが落葉樹林なので明るくて見通しも良い。

 

雪は降ってから数日が立っており少し硬くなっていて、特に踏み跡の部分は氷になっているところがあった。

上の写真の林道を横切った下側は特に雪も多かったので、短時間軽アイゼンを使用した。安心感が違う。

 

道はほかの林道と交錯しつつくだっていくが、迷うようなところはなかった。

 

バスの時刻まで余裕があるので、道をふさいでいる枝等を拾って片付けながらのんびりと下り、13時12分小平のバス停に到着した。

 

赤線の部分がコースからはずれたところ。地図をだして確認すればすぐわかるのに、どうも私はこういうところで横着をして失敗する。

父不見山は秩父側からも登れるが、今回のコースは、山の雰囲気、道、距離など総合して私としては満足度が高かった。

新緑の芽吹きのころや広葉樹が色づく頃また歩いてみたい山だった。

 


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