衆議院議員 原田義昭Blog

自由民主党衆議院議員原田義昭(福岡5区)が国会での論点、世間で話題になっている事や身近な話題まで率直に論じます。

産婦人科医に無罪判決        8月20日(水)

2008-08-22 21:47:42 | Weblog
  茨城県の県立大野病院で起きた医療過誤事件で今日、福島地裁は手術を担当した産婦人科医に無罪の判決を出しました。刑法においては医者の行う医療行為は手術など本来的に身体を切除するもので傷害罪などの犯罪は成立しません(違法性が阻却されている)。全ての医者は当然持てる全ての知識と能力で治療に当たるわけですが具体のケースにおいてはその医者が過失や過誤を起こさないとは言い切れない、そのときはその医者の業務上過失の有無が争いとなる。
  大野病院では子が助かり母が死んだケースですが、執刀医に技術的な過誤があったかが焦点でした。はっきりと過誤があったとは立証されてないということで無罪(有罪でない)となったわけです。
  今や医療過誤(mal-practice)問題は世界的な課題となっています。単にその医者の個々の司法判断にとどまらず、医者、医学界全体に対してこんな危険な不安定な仕事を最早続けられないとして医者を辞める、危険な科目を敬遠する傾向が強まってきました。近時の医療制度には財政不足など様々な問題が吹き出ていますが、この医療過誤問題も特に難しい問題の一つです。その最たるものがこの産科分野でもあるのです。一方で出産への安心安全を図ろうと国挙げて努力していることとこの医療過誤の問題は極めて深刻な相克点(矛盾)にあるということで今回の判決は世の中の強い関心を集めました。
  有効な手立ては未だ見付かっていません、しかし医者が安んじて治療行為に専念し、結果的に不幸にして普通、かつ微細な過誤があったとしてもそれはなんらかの保険制度で全部まかなう(故意、重過失は別)という制度を早急に作り上げたいと思います。

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