碧緑香華

中国語、武侠小説、ドラマの話などなどにたまに日常の話を織り交ぜて

陸小鳳伝奇 四(銀鈎賭坊)に

2007-01-31 13:10:39 | 古龍

陸小鳳も笑った。

  彼は笑いながらまっすぐに、氷山に向かって歩いていった、数多くの高い連峰によじ登った事が有るにもかかわらず、今の彼はこの氷山だけに登りたいと思ってた。

  それは勿論、化粧の良い香りも、更には酒の良い香りもしない。

  花のように美しいこの様な女は、美しいだけでなく自らが良い香を放っている。

  彼女は紛れも無くこの種の女に違いない。

  陸小鳳は今、蜜蜂に成り変わり、花の香りを辿って蕊の上に飛んで行きたいと思った。

  都合よく彼はまだ酔っ払っていなく、やっとの事で彼女の後ろに位置する事ができた。

  氷山は振り返らなかった、細くて柔らかな美しい手は、点棒を持ち、大と小どちらに賭けるべきか考えていた。

  親はすでにサイコロを振り始めている、そして「パン!  」と賭博床に壷を並べて置き、大声で「賭けるなら早くしろ! 」と一喝した。

  氷山はまだ考えていた、陸小鳳は目配せをし、集まった人の頭越しに彼女の耳元で「この賭けは絶対に小だぜ!」

  細い手の中の点棒は、直ちに賭けられたがそれはなんと「大」の方に賭けられた。

  「開!」

                             つづく d(^r^)ニンマリ