40歳からの子育て~テキトウ編~

縁あってスピード結婚&スピード出産×2。
仕事も子育てもマイペースでゆるく暮らしてます。

フランス編

2005-08-16 22:28:58 | 旅日記('88-'02)
日々の生活で少し息詰まりを感じたとき、
楽しい思い出がたくさんある場所を訪れたくなるのは人情である。
わたしにとってパリはそんなところだった。
香水の街グラースを訪れたり、友人と再会したりしているうちに、
サッパリと吹っ切れた気分になり、元気を取り戻すことができた。

<旅行期間>
1996年6月15日~6月28日(14日間)

<訪れたところ>
パリ、コンタンヴォアール(トゥール近く)、グラース

日程
01日目 不思議な偶然
02日目 フラゴナール工場見学
03日目 ニース散策
04日目 まさみさん&クロードとの再会
05日目 食はコンタンヴォアールにあり
06日目 絶品!ホワイトアスパラ
07日目 大家さんとの再会
08日目 袋一杯のサクランボ
09日目 ソクラテスのカフェ
10日目 ジャパニメーション
11日目 パリ散歩
12日目 オードトワレ
13-14日目 眠るアジア人


●6月15日:いつか見た花の絵  
 いつもより遅めに起きてゆっくりと旅の準備をし、成田には余裕で着く。出発前にコーヒーを飲んだカフェには、5年前にパリを発つ前に買った絵ハガキと同じ日本人画家の花の絵がかけてあった。


●6月16日:フラゴナール工場見学    
 朝早くCDG空港に到着し、その足でニースに飛ぶ。空港からグラースまで行くバスが一向に来ず、ひどく待たされた。ニース-グラース間はバスで約1時間10分、意外なほど山の奥にあったが、途中バスの中で見た地中海は息を飲む青さだった。バスターミナル近くのホテルに宿をとり、荷物を預けてフラゴナール香水工場あたりを散策する。こじんまりとしている町だが、至るところにラベンダーなどの花々が咲き乱れ、いい香りが漂っている。夕方、小雨が降ってきたので、雨宿りがてらエール広場のブラッスリーでパスタとサラダにビールを頼む。


●6月17日:ニース散策   
 きのうと打って変わって、今朝は空が真っ青!クロワッサンとカフェオレで朝食をとり、モリナール香水工場を見学する。ここは少し商魂たくましい感じがした。知人から頼まれていたものをジスレーヌ・レイさんに届けるためにパレ・ドゥ・コングレに行き、ついでにコングレ内に展示されていたゲラン展(各時代のせっけんの匂いを嗅げるようになっていた)を見て帰る。

 ニースに着いたときには、すでに夕方4時を回っていたので、美術館はあきらめ、駅近くにホテルをとり、ジャン・メドゥサン通りやプロムナード・デ・ザングレ、ガンベッタ大通りなどを散歩した。夜はニース風サラダとパン、それにビールで疲れをいやす。


●6月18日:まさみさんとの再会  
 ニースからいったんパリに飛行機で戻り、パリからトゥールまではTGVで行く。午後3時半にトゥール駅に着くと、まさみさんが迎えに来てくれていた。パリにいた頃とまったく変わらず元気そうだった。まさみさんには「おいしい食べ物」というイメージがくっついている。ご主人と同様、料理のプロなので当然といえば当然なのだが。

 駅を出るとすぐ、METROという大きいスーパーで車のトランクに入りきらないくらい新鮮で大量の食材を買うのにつきあった。
 そして、もともと駅舎だったというこじんまりとかわいらしい彼女たちの家に到着。中は、毎日の暮らしが楽しくなりそうな雰囲気のインテリアが凝らされていた。

 泊めてもらった部屋も、その昔、駅だったころは貨物を入れておく部屋だったそうだが、なんだかえもいわれないほど素敵だった。台所には切符売り場の名残りがあったりして、見るだけでわくわくしてくる。近く、建て増ししてレストランを開くということだった。プールつきの庭も広々としていて、近所にはジズー城というお城がある。こんなところのレストランなら心ゆくまでリラックスして料理を堪能できそうだ。

 彼女の夫クロードのお兄さんのエリーが来ていたので、4人でいっしょに外で夕食をとる。日が暮れるのは夜の10時すぎで外はしばらく明るい。時々、彼らの飼っているペペという犬や、近所のミミというネコと遊ぶ。アペリティフはペティヨン・ロゼ、エリーの家で採れたジャガイモの冷製スープ、バーバキュー、ポークソテー、インゲンのサラダなど、どれもおいしかった。素材はいいし、料理を作る人はプロだし、天気はいいし、いっしょに食べる人たちは楽しいし、お腹もココロも満ち足りた食事のひとときだった。それにしても、まさみさんって相変わらずとことん前向きな人だなあ。


●6月19日:食はコンタンヴォアールにあり  
 朝8時頃に起きて、カフェオレと山型パンのスライス、赤オレンジジュースで朝食。おいしいジャムだなと思ってもぐもぐ食べていたら、「これ、ワインでできたコンフィチュールなんだよ」とまさみさんが教えてくれた。そのあと3人で、今年5月にオープンしたばかりというお城のミニチュアパークに連れて行ってもらう。まだ全部完成してはいなかったが、一度にいろんなタイプのシャトー(よく出来てる!)が見られて楽しかった。

 ここに来る途中、ミニではなく本物のアンボワーズ城やランジェ城が車窓から見えた。トゥール川沿いには、山の斜面の洞くつを利用した形で建てられている家がたくさんある。お昼を食べたレストランもそういう横穴式住居(?)みたいな面白いレストランだった。そこで、シュノンソーのワイン、アンドゥイエット(クセのある腸詰め。ためしに頼んでみたものの結局食べきれず、それを予想していたクロードが自分のステーキと半分交換してくれた)、リエット(豚のこま切れ肉をラードで煮てすりつぶしたパテ)、リヨン(豚の角切りをラードで煮込んだ冷製料理)などを食べる。

  夕方、涼しくなってからみんなでプールに入る。ジャグジーで流れに身を任せたり、飛び込みをやったり、途中で水に浮きながら寝たりと楽しくすごした。夜は、シーフードの盛り合わせ。エビ、カニ、ラングイエット、アサリとハマグリを足して2で割った大きさの貝など、すごい量が盛りつけてあったが、ほとんど残らず食べてしまった。


●6月20日:絶品!ホワイトアスパラ  
 朝はクロワッサンとパン・オ・ショコラ。午前中、まさみさんの用事につきあって車で出かけたあと、大きなカレイのグリル、自家製グリーンサラダ、ヤギのチーズにロックフォール、ブルゴイユの有名なお菓子屋さんで買った名物ガレットでゆっくりと昼食をとる。ガレットはクリームがとてもおいしかった。その後、静かで落ち着いたたたずまいのシノンの町を散策。夜は、ほっぺたが落ちそうなくらいおいしいホワイトアスパラガス、カモ肉2種類のソテのジロル茸添えなど。なんか、ほんとに食べてばっかりだワ…


●6月21日:大家さんとの再会  
 午前中はのんびりと過ごし、さいごのお昼はまたまた豪華だった。ホロホロ鳥の丸焼き(味つけなしなのにそのおいしかったこと!)とつけ合わせにショートパスタ、デザートは、2分でアイスができる「アイスクリームマシン」でクロードが作ってくれた自家製アイスクリームにいちごを添えたものをごちそうになる。

 夕方、クロードに別れを告げて、まさみさんに車でトゥール駅まで送ってもらう。途中、畑にいるエリーに会い、たわわに実っているグルゼット(木いちごの一種)をおみやげだよといって両手いっぱいに摘んでもらった。大きな衣料専門店に行き、彼女のお母さんへのお土産にブラウスを、トゥールのチョコレート店ではお父さんにお菓子を買う。わたしにもおみやげだといって花柄のカットソーシャツを買ってくれた。フランスでのお姉さん、本当にお世話になりました。

 トゥールの街はミュージック・フェスティバルでにぎわっていた。駅前で彼女と別れ、15分後にTGVに乗る。1時間ほどでモンパルナス駅に着き、大家さん(マダム・セレスタン)宅に着いたのは夜8時だった。以前パリに留学していたとき、彼女の家にホームステイしていたので、正確には元・大家さんだが、今回の旅行前にまたパリに行きますと手紙を出したところ、それなら前にあなたのいた部屋が今空いているからうちに来なさいと親切にも言ってくれたのだった。

 大家さんは、当時と変わらない笑顔で出迎えてくれた。もともと娘さんのシビルと2人暮らしで、当時は高校生のシビルと、わたしと同じくホームステイしていたマルティニーク島出身で看護学生のシルビー、それにわたしの4人で暮らしていた。今は、シビルは結婚し郊外に暮らし、時々訪ねてくるそうだ。シビルも看護婦になってマルティニークに帰ってしまい、今は当時からいたフワフワの白いネコ、マリーと住んでいる。

 5年ぶりにアパルトマン近くを歩いてみたところ、はた目にもよく働いていた韓国人の店は以前より大きく清潔になっていた。店や近所の風景も、ファーストフードショップが少し増えた程度であまり変わっておらず、なぜかホッとした。


●6月22日:袋一杯のサクランボ  
 まず、サン・ミシェルで両替をして、クイックというクラシックの流れるファストフードショップでロックフォールサラダを食べてから、ソルボンヌあたりを散歩。新しく出来た小さな映画館で「Rainbow pour Rimbaud」という映画を観たあとサンジェルマン大通りに出ると、ゲイ&レズビアンのパレードに出くわした。セーラームーンの格好をしてカブキみたいなメイクをした男性がキッチュだった。

 サンジェルマンで大通りでは、よくデモやパレードをやっていて、5年前、高校生がデモをやっているのに驚いた記憶がある。オデオンでまた映画(カソヴィッツ出演の「Un heros tres discret」)を観る。市場でふくろ一杯にサクランボを詰めてもらったが、たったの200円程度という安さである。


●6月23日:ソクラテスのカフェ  
 毎週、ここで哲学サークルが開かれるのでどんな様子か見てきてほしいと日本で知人に言われ、バスティーユ広場のCafe des Pharesに行ってみたが、あいにく今週はもう終わっていて、しょうがないのでオムレツとビールを頼んだ。ギャルソンが「un cafe pour Soclates」のロゴ入りTシャツを着ていることや、店内に関連の資料や記事が貼ってあることをのぞけば普通のカフェだった。紙ナプキンに「毎週日曜午前中、マルク・ソテを囲んで哲学討論会開催」と書かれていた。

 トゥールからパリに着いて以来、涼しい気温が続いている。半そで短パンで過ごしてきたのに、ここではジーンズにトレーナーである。帰りにバスティーユのシネマでダニエル・オートゥイユ主演の「Le 8eme jour」を観る。


●6月24日:ジャパニメーション  
 日本のアニメはフランスのケーブルTVでもやっていて、「レディ・ジョージー」「ドラゴンボール」「陽あたり良好!」(主人公の女の子の名前はシルビーという名前に変わっていた)などが見られる。以前は「キャプテン翼」などを見たなあ。サクランボやスモモの食べすぎのせいか、今朝からお腹の調子がよくないので正露丸を飲む。
 ルーブル美術館やシャトレあたりを散策し、お昼に、以前よく行っていたクスクス屋でピリ辛ソーセージつきクスクスを食べる。そして、モンパルナスにあるグランショミエール通りのアトリエでクロッキーを試みる。


●6月25日:パリ散歩  
 クロワッサン・オ・ザマンドとカフェオレで朝食を済ませ、マリーと家でゆっくりとくつろぐ。ネコといると時間を忘れてしまう。今日は、バスを乗り継ぎいろんな界隈を歩いた。パリは目的なくブラブラしても全然飽きない街である。アンティークや靴などおしゃれな店が並ぶシェルシェ・ミディ通りに行く。ダンフェールの映画館で「Enfants de Salaud」(ナタリー・バイ出演)を観る。お客はわたしを含め、6人だった。カルチエラタンの映画館アカトンヌにも行った。Pernety駅近くの映画館L'entrepot内にある映画専門の本屋「Atmosphere」は引越していたので、その引越先にも行き、アントニオーニの本を買う。バック通りのコンランショップも楽しかった。


●6月26日:オードトワレ  
 シャトレのカフェ「サラ・ベルナール」に行き、コーヒーを頼んでしばらくぼんやりする。カフェで無になれる時間が好きなのだ。その後、フォーラム・デ・アールのショッピング街でフナックに行き本やCDを探したり、大型コスメショップ、セフォラで定員の女性と最近話題のトワレや日本の香水についてしばらくおしゃべりする。オデオンのカフェでまた通りを眺め、時々本を読んで過ごす。ミントのペリエ割りがすっきりとしていておいしい。
 旅をしているときは、当たり前だが時間の流れ方が日常と違うので、ふだん気づかないものにひょっこり気づくときもある。それが好きで旅をしているのかもしれない。


●6月27日-28日:眠るアジア人  
 旅行中はビタミンと適量のアルコールがあれば、どんなに疲れていても翌日は元気になる。大家さんに別れを告げて、今日もフォーラム・デ・アール界隈に行く。メトロに乗ったとき、突然睡魔が襲ってきたので、つい日本にいるときのようにうとうとしかけ、ハッと起きたら、すぐ目の前でも、中国人とおぼしき男性とその子供が居眠りをしていた。  

 北駅は、ただでさえちょっとクラくて危ない感じなのに、ムード改善のためかクラシックを流していたが、軽やかなものではなく重々しい音楽だったので、あれじゃ逆効果である。空港行きの電車の中では、インド人とおぼしき男性が--インドではみんなよくそうするのかどうかしらないが--、電車の窓から顔を出していた。

 夜23:15、CDG空港から成田に向けて発つ。エアフランスの機内では、となりに座っていた、もとエアフラに勤めていたという女性とおしゃべりをした。

 食の国フランス、映画の街パリを、堪能した旅だった。




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