40歳からの子育て~テキトウ編~

縁あってスピード結婚&スピード出産×2。
仕事も子育てもマイペースでゆるく暮らしてます。

日本一周編:後編

2005-08-03 22:55:04 | 旅日記('88-'02)
●1988年7月29日:函館~象潟 

  ゆうべは車中泊。朝、目が覚めて外を見ると、朝日に輝く函館の海に漁船がいくつも浮かんでいた。
 少し時間があったので、有名な函館の朝市に行ってみる。釧路の和商市場に劣らず活気があったが、ここではどこの店でも試食をさせてくれたのはよかった。カニやメロンなどをたくさん食べてほっぺが落ちる。
 弘前にはりんご畑。秋田の海ですごい夕焼けを見る。

 もともと、移動そのものが好きなので、ドライブで目的地に着いても「え~、もう降りるの~」という気持ちになることがある。
 この辺りは一面田んぼで、青い稲穂が風になびいている。
 秋田市からもう少し先に行ったYH象潟(きさかた)青年の家に泊まる。東北ワイド周遊券で旅をしている、神奈川大3年のお下げ髪の女の子と相部屋だった。着いたのが夜の8時くらいだったので、ご飯のあとはすぐお風呂。上富良野で買ったラベンダーの花をばらす。帰ったらポプリを作ろうか。



●7月30日:象潟~鯨波 

  朝、洗面所で、隣りの部屋に泊まっていた同じくらいの年の女の子と話し、朝食のときにも引き続いき盛り上がる。
 今日は乗り換え1回だけで、あとはずっと乗りっぱなしだった。

 夕方5時ころ、その名の通り、お寺がYHをやっているYH妙智寺に着いた。さいわい、ひと家族キャンセルがあり、境内にある旅館造りのふつうの部屋に泊まることができたが、男性陣は本堂のど真ん中に泊まったらしい。宿泊者で女性ひとりというのはここが初めて(うとうYHは例外!)。

 夕食前に、住職の奥さんであるおばあさんと、小一時間ほど旅のことを話した。おばあさんいわく、「新潟は、地球の中心だから、雪もよく降るんですわ」。まったく悪びれない言い方だったので素直に感動した。おばあさんの頭の中には、ど~んと、日本製の世界地図があるんだなあ…。



●7月31日:鯨波~美浜 

  今日は列車に乗っているあいだ、三浦さんからもらった「青い刺(とげ)」を読んで過ごす。
 YH美浜荘には夕方6時ころに着く。浜辺が近いので、近くには海の家や民宿を数多く見かけた。YHとはいうものの、ほとんど旅館である。夕食後、同泊の横浜から来たライダーの小柄な女性、滋賀大4年の2人連れと浜に夕涼みに行く。いくつかの家族連れが花火をやっていた。



●8月1日:美浜~松江 

  朝8:04の列車だったので、早めに朝食をとり、美浜荘の門の前でみんなと写真を撮って別れる。今日は列車のなかで、なにをするでもなく1日中ぼーっとしていた。どうということのないことが頭に浮かんでは消え、浮かんでは消えする。
 南に下るにつれ、風がぬるくなっていく。ずっと日本海側を行くので、ときどき海水浴場や美しい海岸線が見える。

 夕方、松江着。「イェーイ!」と、久しぶりに会うKとK子が出迎えてくれた。Kは髪を長くしていて、雰囲気だけは(?)落ち着いた感じになっている。K子も髪が伸びていて、もう美少年のような面影はなかった。K子が車のなかからいきなりカメラを向けたので、すかさずKとVサイン。相変わらずのノリなんである。
 用事があるK子と別れ、Kの下宿でずっとおしゃべり。実は今日、自動車普免をとったばかりということで、思いきり見せびらかしてくれる。そろそろ寝ようかと時計を見ると、夜中の2時半を回っていた。何という…。



●8月2日:松江~広島 

  早起きして2人でゆっくり朝ごはん。BGMはホイットニー。下宿を出て、途中まで見送ってくれた。
 きのうに引き続き、今日も車中でぼーっとしていた。松江-広島間では全然クーラーが効いていなかったので、窓を開け放して風に吹かれていたのだが、それがあんまり気持ちよかったので、とても本を読む気にならなかったのだ。天気もとてもいい。ふと見下ろすと、線路に沿って川が流れている。
 あと1時間で広島に着く。島根の浜田周辺は集中豪雨で大被害に見舞われていて、JRの復旧作業の進度がわからなかったため、いったん広島に戻ることにしたのだ。K子に聞いたところ、その集中豪雨のとき、ちょうど研修で隠岐之島に行っていて、目の前で土砂崩れを見たそうだ。地響きがすごかったといっていた。K子たちのいた研究所は無事だったらしいが、相当大変だったらしい。

 明日からは、広島発の九州ワイド周遊券を使う予定。
 う~ん、広島のアノ暑さだわ~(今、停車中)。広島に着いても、まだ旅の途中なので帰ってきた!という実感はない。雑用を済ませ、12時すぎに床につく。



●8月3日:広島~熊本 

  広島-博多間には急行がなかったので、周遊券のメリットもなく鈍行で行く。青春18切符をずっと使っていると、4時間続けて乗っているのにも慣れてくる。ちょっとまとまった時間があるなという感じ。1時間以内だと、すぐに下車しなきゃという気分になる。
 さっき4人向かい合いの座席で乗り合わせた2人のおじさんは、ひとりはキリスト教関係の本を読んでいて、もうひとりは競馬新聞を赤ペンでマークしていた。どちらの人もかなり真剣な様子で妙に面白かった(失礼!)。

 熊本駅では、Iさんが出迎えてくれた。10年来の友達なのに、互いに「さん」づけで呼んでいる。小・中・高校といっしょで、くされ縁(?)ともいうべき、細くて長いつきあいだ。会うのは久々だったが、別に悪いイミでなく、見事に「女子大生」していた。

 夕食にとてもおいしい煮込みハンバーグを作ってもらう。わたしといえば、またご飯をよそうという任務を遂行する。
 Kのときと同じく、いったん床についてから延々話していて(人はなぜ横になるといつもは話さないことも話したくなるのだろう?)、寝たのは朝に近い3時半すぎだった。熊本での生活を思いきりエンジョイしているようだ。いやあ、楽しそうでなによりです。



●8月4日:熊本~宮崎 

  朝、2人とも眠たい目をこすりながらやっとのことで起き、駅まで見送ってもらう。
 車内でコーヒーを買うが、ひどくまずく、しょうがないので砂糖とミルクを入れる。それでもうたた寝をし、起きているときは文庫本を読んで過ごす。

 実家に着くと、ヨークシャー・テリアのテリーからシッポ大振りで出迎えられた。この犬は目の前で自分のドッグフードをノラネコに食べられてもなにも反応しない。アホなのか、寛容なのか、飼い主を見ればわかるのか。
 夜は久しぶりの一家団らん。本当は明日の朝発つつもりだったが、もう少しくらいゆっくりしていきなさいといわれ、1日延期することにした。両親からうれしい話を聞かされる。



●8月5日:実家

  一日中のんびりと過ごす。




●8月6日:宮崎~広島 

  朝、早めに家を出る。いつもそうなのだが、広島に戻るときは少し悪い気がする。親もとを離れてから、家に続けて10日間以上いたことがない親不孝な娘である。今度は少し長くいよう。
 広島駅に着いたのは夜の7時半すぎ。降りたら急に広島風お好み焼きが食べたくなって、駅ビル内の「麗ちゃん」という店に入る。

 間接的にではなく、自分自身の目で直接モノを見て、感じて、考えるのは面白い。さいわい、多くの人たちの温かい心に恵まれ、いい旅ができたと思う。
 だれかが「旅は借金してでも親をだましてでもやったほうがいい」といっていたが、この言葉には、全面的に賛成である。




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