2009年9月に初版が発行された「夢うつつ」(あさのあつこ・著)は、
6つの物語からなる短編集だが、物語の前にそれに関連した著者自身のエッセイで
始まるところが新しい(^_^;;
この本は装丁の帯にもあるように、著者が初めて試みたというエッセイと小説によ
る不思議な短編集となっている。
著者が犬を連れての散歩でのこと。
いつもの散歩コースなのに今まで気づかなかった狭い坂道を発見。犬に引きずられ
ていくように坂道を登っていくと新しい景色に出会う。
これだから道は面白い。
・・・この日常を元に作られたのが第一話の「くじら坂にて」。
くじら坂で自動車事故を起こし、死なせてしまった恋人を想う主人公。
彼は毎年、命日には必ずここを訪れる。
そこに花束を持った女性が・・・・。
彼の身体を通り抜けるように過ぎると、事故現場に花束を置いていく。
実は死んだのは彼女ではなく、運転していた彼の方で、
幽霊となって毎年、くじら坂に彼女の様子を見にきていたというファンタジー。
エッセイと不思議な小説。読書の秋にいかがですか・・・・(^_^;;