人狼プレイ目録

人狼物語~月狼国~に関しての記事や、長期人狼をプレイした中で思ったことを纏めてます。

人狼におけるスピンテクニックの応用

2016-02-29 16:15:09 | コラム
スピンという言葉がある。
これの詳細については、ウィキペディアを参照いただくとしよう。


人狼においても知らずに用いられていることだけに、少し踏み込んで考えてみたい。
内容的にどうしても人狼サイドでの話がメインとなりますが、あしからず。




一般的に言われるスピンテクニックとして

(A) 恣意的な引用、チェリー・ピッキング(自分の見解を支持する証拠を選択的に提示すること)
(B) 事実の選択的な援用
(C) 対立相手のアイディアをいち早く入手して、相手が発表する前に自分のアイディアとして発表
(D) 間接的な否定(論理的には否定していないが、印象としては否定的な印象を与えるような発言のこと)
(E) 立証されていない事実を前提とする論法
(F) 婉曲表現による論点のすり替えや強調

これらが上げられている。(ウィキより転載)
人狼に置き換えて考えてみましょう。




1、死人に口なし

恣意的な引用、チェリー・ピッキングで真っ先に浮かぶのがこれ。
地上に居る相手に対してそれを行った場合、当人から反論や指摘が来る恐れがあります。
が、死亡した相手はそれが出来ない。素晴らしい。
AとBのテクニックを基本とし、更に論によってはEFも関わってきます。

襲撃先として選んだ村人甲は騙り占い師乙を真視し、かつ灰狼の丙を疑っていた。
この場合は襲撃意図としては丙への疑いを軽減する為に噛んだのだとしても、表向きは「甲は占い師候補の乙を信用していた。乙真の世論が高まるのを恐れて狼が襲撃したのではないか」と持っていけるわけです。


他にも様々な事例が考えられます。
狩人視で噛んだ相手。吊れないだろうと思って噛んだ相手。
それらの人々が、灰狼候補を「放置枠」ととりあえずの序盤白視に置いていた場合。

早い段階での白視というのは、誰しも軽い要素によって行われることが多い。
要素取りは、日が経つにつれて深まっていくのが普通です。
ですが、死亡した相手は状況が推移しても残した評価は変化させることが出来ない。
死者の論を用いるならば、これも一つのポイントです。

他者に説得する際、「その後に起きた状況変化」を悟られないようにしましょう。
逆もまた然りです。
誰かが死者の論を用いてくるならば、「当事者が墓に入った後にも状況は変化していること」を提示してみましょう。



2、早いもん勝ち

村人甲が潜伏狼の乙に注視して、色々と質問を重ねている状況とします。
もう一人の潜伏狼丙はその様子を眺めている。
この時、丙には「静観する」「甲に働きかけて乙を庇う」「むしろ乙を問い詰める側にまわり、ライン切りを狙う」という選択肢があります。

こういった事例に有用なのが、Cと言えます。

疑いが突然票入れという形で出てくる人というのは、案外少ないものです。
それまでにワンクッションなりそれ以上のやり取りが重ねられることが多い。

甲が乙に対して質問を投げたり、対話を試みる様子を察知して、その間に丙は「乙の扱いをどうするか」を考えることとなります。
村人甲にとっては乙の反応から相手を見極める時間となる訳ですが、その様子とインターバルこそが丙にとってはCのチャンスともなります。

狼は事実を知っている分、“ふり”で迷うことはあっても、実際の思考時間はショートカット出来ます。
村人達が探りを入れる時間、迷う時間に状況を見て、自分がその中でどう動くべきかを考えてみましょう。

尚、上記の段階において甲が結論を出すより先に丙が「よし、乙吊ろうぜ!」と働きかけた場合、甲の思考はより加速する可能性が高い。
「自分以外の人もそう思った/感じたんだ」という思考になりやすいからです。
丙にとっては先んじて結論を出して切りを狙うという意図であっても、甲にとっては思考の後押しとなる可能性がある。
乙を助けることを考えるならば向かない案となりますので、その点ではご注意を。
(甲にとって丙が信用ならない人物と位置づけられているならば、逆に働く可能性もありますが。そういった細かい部分は、都度考えてみてください)


これ、何もライン切りに限った話ではない。

ラインに限らず、自分自身の思考を表明するに当たって、村人達の疑いが何処に向きそうか。
対話の流れからそれを読んで、さっと結論部分を先に割り込ませることは十分に可能です。

質問や対話の切欠が、どこから始まっているか。どこに向かっているか。
それを予想して、動いてみるのも面白いと思います。
時勢を読むのも、また大事なことです。
(気付いたら狼向けの話になっていた……)



3、消去法も手法の一つ

大人しい灰甲を落とす方法として、それ以外の灰を軒並み白上げしていくという方法があります。
周囲が人と認識されれば、自然とそれに乗り切れていない者の位置が相対的に落ちる。

正にDの方法となります。

白視される以外にも、人間関係が構築出来ている人、話がわかりやすい人、実力を評価されている人は処理対象から除外されやすい。
自分が残したい相手に関しては、働きかけをして位置を上げること。
また、「自分が全灰をどう評価しているか」が客観的に見てわかるように心がけておくこと。
相対的にでも誰かが残る、そっちは取れていない……というのをちゃんと示しておきましょう。
それが無いと、誰を疑っているのかわからない、八方美人的な振る舞いと取られる可能性も出てきます。



4、要素とは紙一重である

白要素、黒要素。村内では色んな要素が飛び交います。
が。それ以外にも「当人要素」というのが大きく関わってきます。
性格や感情部分を元にした場合、それは「白黒に直結する要素か、それとも当人の性格によるものか」というのはなかなか見分けが難しかったりします。

村人甲がSGになりそうな乙を優しく掬い上げようとしている場合。
甲が優しい村人だからそうなっているのか、甲がたとえ人狼だったとしても、当人が優しいからそうなっているのか。
「甲の優しさ」を個人要素としてしまえば、それが白要素であるのか役職問わずに行うことなのかの立証というのは、難しくなります。

白要素、あるいは黒要素として提示されたことを、当人要素/性格要素として据え置く。
これもDの手法として使える気がします。



5、ラインばんざーい

早い段階からラインを見ていくというのは、ある意味狼的な行動とも取られます。が。
中盤以降においては、その限りではない。
また、村の状況がライン戦となるなら、なおのこと。

真占甲と騙占乙が居る場合。
潜伏狼丙にとって、甲視点の灰狼は自分となる訳です。
が、当然自分で自分狼の可能性など匂わせる必要はない。

占い真贋を誤認させることに成功している場合。
乙が真と仮定して、乙視点での灰狼を探す流れを強くしてもいい。
当然「ないライン」をねつ造することとなりますので、村は狼探しも迷走することでしょう。

仮想狼陣営を想定して、そのラインから狼候補を絞っていく。
ライン戦をする場合の基本戦術となります。
まさしく、Eのやり方ですね。

「立証されていない~」と書いてはありますが。
もし真占甲が灰狼を占って黒を出したならば、灰狼視点では「甲が偽占であることが立証された」状態となるのです。
それまでは甲乙両方が真の可能性を追っていたとしても、そこからは甲偽乙真を確定情報として推理を進められる。

思う存分、真占と村人達に黒塗ってさしあげましょう。



6、物は言い様、考えよう

これもBとEに関わってくることではありますが。
灰襲撃を行った場合。実際は狩人狙いだったり、灰狼が疑われてるから噛んだのだとしても、村視点ではそれはわからない。
であれば、それっぽい理屈をつけてしまえばいいのです。

「なんで占い師候補が噛まれていないんだ」
この一言で、占い師が何故噛まれていないかという部分から色々な憶測を呼ぶことも出来る。
また、襲撃相手より白い人が居たならば「灰襲撃にしても、なぜこっち?」という疑惑を提示することで、噛まれていない相手に対して疑惑を向けることも出来る。

襲撃をどのように解釈するか。
その解釈の仕方一つで、そこから色々と膨らませられる気がします。




Fについてはちょっと事例が絞り切れないので、まぁまた何か機会があれば。

一般的に言われていることでありますが、人狼においても色々使えそうです。
目指せ、スピンドクター。


スピン関連の参考資料
http://311club.hatenablog.jp/entry/2012/04/10/135034
http://rocolo.exblog.jp/10562014/
http://kikugawa.co.uk/?p=1921
他。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

覚え書き程度に。

2016-02-12 08:52:49 | コラム
http://jr-soccer.jp/2013/09/25/post15200/

こちらの記事を拝見しつつ。


> つまり、脳の中であらゆるものを検索して正解を求めるのが意識的な判断。一方、経験を積み重ねていくことで、成功、失敗のタグが貼り付けられ、そのタグを利用して、「なんかいい感じ」「なんか嫌な感じ」という、好き嫌いに近い感覚を使って最適な選択を瞬時に引き出す、これが直感的な判断ということになります。


こちらの一文に「なるほど」となりました。

私は狼時、直感型に弱いという自覚がある。
うまく村を誘導しても、その空気に染めきることが難しい。


自分が狼であるという解が導き出された原因が過去の経験則であれば、こちらからは如何ともし難い部分もある。
結局は「それを払拭する」ことでしか抗えない。
過去に厄介な狼に騙された経験は誰しも持っているだろうし、それを考えれば警戒というのはされて当然な部分も。


払拭の方法として。
・体験の共有
・感覚の共有
・信頼
これらがまず上がる。

誰か狼と思う相手を一緒に説得し、吊り上げた。
逆に吊られそうになったのを一緒に説得して動いた。
これらが体験の共有。
共通の敵を認識して、自分を味方だと錯覚させる。

感覚の共有。これは体験の共有よりは弱い。
同じことを考える相手に安心感を抱く人ならば、という感じか。
その場合、自分の判断に不安を持っている人を安心させるか。
あるいは自分に自信があるタイプで、自分と同じレベルを人狼が出来るかと思うようならば……かな?

信頼。これは人間関係の構築部分。
警戒している相手からまるっと不安除去出来るほどの信頼というのは、なかなかに難しい。
逆に周囲から信頼を得ていること自体が不安材料となりかねない。

どれもそれのみで行うならば難しいか。
んー。これら全て「プラス部分の払拭要素」ではある。
そこに逆部分の要素も加算できるといいのかな。


が。このマイナス部分の要素というのがなかなか難しい。
これは素直に考える人にとっては、そのまま「単なるマイナス点」となりかねないからだ。

白狼と警戒している人にとっては、不安緩和の材料となるかもしれないが。
それ以外の人に狼視される結果となるならば、やり方として注意する必要はありそうだ。

考えられる方向性として、狼像との齟齬。自分が狼ならばやらなさそうな部分を見せる。感情吐露。等々か……?
どれも「狼にしては……」といった部分を取らせないといけないわけで。
気付かれずに織り込むのは難しそうだ。



判断相手を油断させる、という方法は何かないだろうか。
頼っている様子を察知させる。
「自分が村を回しているんだ」と認識させる。とか、か?

油断しやすいタイプならば、直感以前に既に猪突猛進している気がしなくもない。




うぅむ。
この「直感を拭う方法」に関しては、やはりもう少し実践を積む中で研究材料をストックしていきたい。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする