人狼プレイ目録

人狼物語~月狼国~に関しての記事や、長期人狼をプレイした中で思ったことを纏めてます。

認識とそれに伴う偏見について

2013-06-08 19:58:23 | コラム
小難しい話、第一弾。
興味ない方は回れ右してね。
あと、変なこと語ってるけど、どん引きしないでね……!




まずは、物事の認知・認識について。
正しく物事を認識・把握することは真実へと近づく為に必要なことでもあります。
ただし、常に正しい認識を行える訳ではない。

特定の対象について知覚を行う際、抱きがちな先入観、偏見等。
フランシス・ベーコンの唱えた四つのイドラについて、詳細についてはこちらを見ていただくとして

これを人狼風に解釈すると、

洞窟のイドラ→「個人の経験則・価値観による判断の誤り」
市場のイドラ→「対話や他者の意見を見ての判断の誤り」
劇場のイドラ→「他者の価値観、要素取りへの過度の信頼からの誤り」

こんな感じでしょうか。
(種族のイドラについては、人狼そのものの解釈はこれ自体人それぞれになるが故にあえて触れずにおきました。あしからず)




人狼における各種イドラの事象例を細かく検証してみよう。


【洞窟のイドラ】

・経験則による前提判断の誤り
・個人的な偏見、先入観
等々

洞窟のイドラの“洞窟”とは、個人の狭い世界を表した言葉。
主に個人の考え、性格、経験則から生じる偏見・先入観となる。
洞窟のイドラで最もポピュラーな喩えは、「井の中の蛙」である。

自身の考え、経験則に過信を抱かず、それが一般的に通じるものであるか否か。
そういった検証を重ねることが必要となる。



【市場のイドラ】

・伝聞による事実の歪曲
・対話による不正確な伝達
・言葉の定義による誤り、齟齬
等々

市場のイドラは、他者との交わりの中で起こる誤り。
言葉の不適合や伝聞、印象など人を介して発生する偏見部分である。
(伝言ゲームを想像してもらうとわかりやすいかな?)

相手が言いたいことを言えているかどうか。
相手の言うことをくみ取れているか否か。
言葉の定義に齟齬はないか。
不確かな部分を伝聞していないか。

そういった人を介する際に生じる危険性以外に、人狼においては「相手の主張の成否」も同時に検証を行う必要があります。



【劇場のイドラ】

これに関しては、少しかみ砕いた説明が必要かな。
劇場のイドラの根本的な問題というのは「権威への追従」とも言え、見えたもの、目立つもの(=劇場)を鵜呑みにしてしまうという事象と言える。

村内において、意見が大きいところ、目立つところに迎合してしまう。
そういった事象も当て嵌まりはするのだけど。

それ以外、誰か特定の目立つ人の「要素の取り方」や「発言」をそのまま受け入れ、検証なしに村で用いること。
また、該当事象への適合を検証せずに要素取りのみを用いること。
そういった行為は、わりと多く見られるように思います。

誰かが提示した意見。
一般論やセオリーと言われている内容。
納得の行く要素取り。
そういうものを取り入れるのは、人狼においては多々あることです。
ただ、取り入れるに際して、それが実際に使えるものであるか否かの検証。
また、その事象に対して適合するかの検討。
その要素を自分で正しく理解できているかを顧みる部分などが必要になってきます。

表面のみをなぞらえるのはたやすい行為ではありますが、であるからこそ脆く、齟齬が出やすい。
また、不慣れな武器を扱うことは、当人の隙も大きくなります。

それが本当に正しい内容なのか。
また、現在進行している内容に、正しく用いることが出来るのか。
そういった「華やかな部分に目を向ける」だけでなく「地に足をつけての検証」もまた必要な作業となります。





これらの「偏見の元となる部分」を自覚した上で、「正しい認識」へと判断を向ける必要があります。

こういった思考部分は、論理学の話でも少し触れるかと思います。(小難しい話第二弾予定)
ちなみに、第三弾はレトリックについての予定だけど、そこは公開するかは謎なのだ……。
(そもそも、いつ纏めるやら)




認識について深める場合、一番大事なのは【認識の精度】になります。
認識の第一段階は、個による知覚。
それが個から周囲へと拡散された場合、そこに識別と概念が関わってくる。

個による知覚は前述の洞窟のイドラによる偏見を受けぬよう、注意を払う部分でもあります。
そして、識別と概念に関しては、市場と劇場のイドラが関わってくる。


概念の精度を高めることは、それはそのまま「物事の本質」に近づくことにもなります。
それを正しく用いることが出来るか。
そういった部分で、識別の精度も大事となる。


たとえば、このブログに書いてある人外要素とか、狩人要素とか。
それをそのまま用いたとて、現実の事象と齟齬があればそれは概念として誤っていることともなるんだからね…!
(なので、あまり鵜呑みにしないでね……とかこっそりこそこそ)



主張をするにあたって、その「認識の精度」については、まず第一に確認すべき重要事項である。

個による知覚判断が正しいか否か。
識別は正しく為されているか。
概念となる部分に誤りはないか。また、その概念が正しい適用を為されているか。
それらの検証は、論理展開や議論の「前段階」として必須事項と言える。




……と、何故か人狼で概念論を語り始めてしまう、自分にびっくりです……。

最新の画像もっと見る