ほんわか亭日記

ダンスとエッセイが好きな主婦のおしゃべり横町です♪

「スマホを買う」

2015-03-08 | エッセイ
2015年3月8日(日)

治療中の歯、仮の蓋をしているのだけれど、温かいお茶を飲むだけで沁みる!
蓋を齧ってしまったかな・・?
とにかく、当分お茶も、左側で飲まなくちゃ・・。

さて、今日は、先日のエッセイを・・。
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「スマホを買う」
 夜、電話で、年末の予定を話し合っていると、ムスメが、
「お母さん、携帯電話、そろそろスマホに変えなさいよ」
 と、勧めてきた。「今なら、まだ、お母さんもスマホについていけるし、
生存確認アプリっていうのが入れられるから、私もお母さんが無事と分かって安心だわ」と。
 五月にこのマンションに移り、ご近所と殆ど顔を合わせない暮らしになった。これでは、
部屋の中で孤独死していても、誰にも気づかれないだろう。けれど、幸い、同じ地域内の引越し
だったから、マンションの外には、サークルの友人達がたくさん居る。もし、サークルを休めば、
「あら?ウィステさん、お休み?休む時は、必ず連絡をいれる人だから、何かあったのかしら?」
 と、誰かが不審に思ってくれるだろう。それが、私の「人頼み生存確認法」なのだ。あとは、
「使うと、子供たちに、生きていますと連絡がいく」ジャーでも買えばいい。
勿論、ムスメには、私の考えは相手にされず、暮にこちらに戻ってきたら、一緒に携帯ショップへ
スマホを買いに行くと、どんどん決められてしまった。
 そして、暮の二十八日、ムスメが、孫のゆ~とみ~を車に乗せて、埼玉からやってきた。
ムコさんは正月も仕事があるそうで、元旦の夜、来るそうだ。マンションの向かいの駐車場へ迎えに
行くと、四歳のゆ~が、「おばあちゃん!」と、元気いっぱい飛びついてくる。ムスメに抱っこされた
一歳のみ~も、鼻水をいっぱいたらしたお顔でにっこり……。
えっ、また、風邪なの?十一月の末に、ムスメの家にヘルプに行って、見事、み~の風邪を貰って
帰ってきた。咳の酷い風邪で、三週間もかかって、ようやく直ったばかりなのだ。連続の風邪ひきは、
勘弁して欲しい。ムスメは、
「耳鼻科でみ~ちゃんの薬をもらってきたけれど、普通の風邪ですって」
と、暢気に言う。「こちらは、その普通の風邪でも、とみに、直すのにおお事になるのよ」とは、
私の心の声。若いムスメには理解出来ないだろう。とにかく、大荷物を、マンションの私の部屋に
運び込んだ。扉を開けると、四歳のゆ~は、だだっと居間へ走りこみ、一歳のみ~もぱたぱたと
歩きながら、お姉ちゃんの後を追う。こちらに置いておいたおもちゃが引っ張り出され、
一人暮らしの居間は、たちまち、パズルのピースや画用紙が散乱し、それらに足を滑らせたみ~が
転ぶ。私は、階下の部屋に足音が響かないか、ひやひやしながら、子供たちの相手をし、
み~のお鼻を拭いてまわった。さすがに、もう風邪は欲しくないから、私は、うつらないよう、
せっせと、嗽もした。
 翌日、ムスメの車で、隣町の携帯ショップへ向った。暮だけれど、店内は、他には二組の客がいる
だけだった。ゆ~が歩き回っても大丈夫そうなので、その点は気が楽だ。私が、
「携帯を、スマホに変えたいんですが……」と、言い、高齢者に使いやすいスマホはどれだとか、
後の細かい話は、隣りに座ったムスメと店員さんの間で進む。店員さんが何か有料のサービスを
勧めると、ムスメは、
「あ、それ、母は、使いこなせませんから、いいです」と、きっぱり断ってくれる。お陰様で、
ナントカパックとなり、その料金内だから、通話無料とか、Eメールは無料、Cメールは
一回三円になったそうだ。それに、二年間、他社に移らない条件で、スマホ本体価格が半分くらいに
なった。無精者の私が、わざわざ他社に変えることは無いから、それは有り難い。その支払いの際の
ポイント利用とか利子無しの分割とか、ムスメと店員さんが決めていった。もちろん、良く分から
ない私に異存は無い。ただ、諸手続きには、結構、時間が掛かり、退屈したゆ~が、サンプルとして
飾ってあったスマホを何台も集め、机の上でお城を作る遊びを始めたが、店員さんには、
にこにこと対応してもらえたので、私は、最後に
「ご迷惑をおかけしました」と謝った。これと、
「ピンクのが良いわ」というのが、今日の、数少ない、私の意思での言葉だった。
家に持ち帰り、再度、ムスメからスマホの使い方を聞き、さらに、待ち受け画面は、
み~の笑顔の写真にしてもらった。
 そして、元旦。私は、また、み~の風邪を貰ってしまった。なんとまあ、免疫力が落ちたこと。
熱こそ出ないが、鼻水と咳と痰が止まらない。強い薬を出してくれるお医者さんは、正月休みで、
なんとか、売薬で凌いでいた。正月二日に、迎えに来ムコさんと一緒に、ムスメたちが、
手を振りながら車で帰っていくと、ふ~、ひとりに戻った部屋の静かさよ。
でも、身体は、しんどい。今度は、直るまで、どのくらいかかるだろう?
そういえば、肝心の生存確認アプリはまだ入れてなかった。正月では、万一のことがあっても、
サークル仲間も気づくまい。とにかく寝て、自分で回復しなくてはならないのだ。
いざという時のための外部との大事な連絡手段、ピンクのスマホを枕元に置き、私は、
ベッドに倒れ込んだ。
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あれから、ゆ~ちゃん、み~ちゃんの呼び出しは無い。
だんだん丈夫になってきたんだわ。(^^)

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