野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

カワウ 漁協のパンフレットから

2018-08-23 | 資料を読む

カワウは一時は絶滅の危機にあった鳥である
魚の自由研究で漁協の方からカワウの冊子をいただいた


もともとカワウの仲間(ウ類)は、ペリカン目ウ科に分類され、世界で約 40 種が確認されている。
世界に広く分布しており、その分布域は、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、オーストラリア、北米等、南米以外の大陸とオセアニアに及んでいる。
カワウは、魚類が体内に取り込んだ水中の栄養塩類を魚を捕食することを通して外に持ち出す。結果的に水中の富栄養化を抑制する働きがある。
カワウはねぐらや巣において、排泄物を落とすことにより、水中から取り出した栄養塩類を重力に逆らって水中から陸上にもたらす。
川の環境を調節する役割もある鳥であることがわかる

しかし、1970年ごろカワウの生息数は減少し、各地にあったコロニーやねぐらは消失して生息域が分断化し、レッドデータブックの絶滅危惧に相当すると推定される段階にまで数が減った。
その後、数がもどり、いや増えすぎて、漁協にとっては害鳥になってしまった。
食害の対象魚種はアユが最も多く、ついでフナ、コイ、ウグイ、オイカワなどであった月が、漁業協同組合が放流する主要魚種とほぼ一致する。

それで今回いただいたパンフレット
兵庫県内水面漁業協同組合連合会(参考文献として山本麻希「2010カワウに立ち向かう2」より改編とあった)著

漁協の会員向けだろうと思われるのが駆除排除の方法が一般市民向けでないことがあげられる。
内容を紹介しよう
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メインはこれ

カワウはなぜ恐ろしいのか
カワウは高い潜水能力、移動能力をもち、1日1羽あたり約500gのえさを食べるといわれています
繁殖能力も非常に高く餌条件が良ければ1巣あたり2から3羽のひなが育ちます。
河川改修などで河川環境がかわり魚に取って生息環境を悪化させました。
魚が隠れるような場所が少なくなっている場合が多く、カワウにたべられやすくなっていると考えられます。

カワウって
 体重は、1.5~2.3kg、
 体長は80cm、翼開長130~150cmの大型の魚食性鳥類です。
カワウが繁殖期に巣を作る場所を「コロニー」(繁殖地)、繁殖期以外に集団で夜を過ごす場所を「ねぐら」とよんでいます。

カワウの特徴
●雄の体は雌の体よりやや大きく、つがいでヒナを育てます。
●成鳥の体は黒い。
●腰の白いパッチや頭部の白い冠羽「繁殖羽」はこれから繁殖を始める成鳥に現れます。
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繁殖のかずなどイラストで紹介
そして
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漁業者は、カワウから魚を守る取り組みや、河川管理者と共に河川環境の改善に取り組み、魚が棲みやすい豊かな川づくりをすることも大切です。

カワウは川の中の魚を食べ、その時に漁具を壊すこともある(直接漁業被害)一方、カワウが来る川では魚が怯えて釣れなくなるという釣り人の声から、遊漁券が売れなくなるという風評被害につながることもあります(間接漁業被害)。
 また、直接被害の大きさはカワウの増減等に比例しますが、遊漁券の販売不振という間接被害については、カワウによる風評被害のほか天候や釣りの機会の減少などの他の要因とも絡み合っていて、カワウによる被害割合の推定は難しいとされています。
しかし、遊漁料収入の減少やカワウ対策費の増大は、漁協運営の大きな負担となり、漁協存続の危機を招いています。

カワウは採餌場所に強い定着性を持つ烏です。採餌場である河川で駆除を行わないと、河川が危ないと判断されず、カワウは採餌場所から離れようとしません。
一方、ねぐらやコロニーで駆除を行うと危険と認識したカワウは新しい場所でねぐらやコロニーを作り、羽数を減らすどころか、かえってカワウの行動域を広げてしまいます。
銃器による駆除は、たとえ捕獲できなくても、脅しの意味で効果があると考えられるので、河川で行う方が良いでしょう。
コロニーでは、被害地から厳雄させたり、繁殖抑制やシヤープシューテイングによって個体数の管理を行いましょう。

兵庫県内水面漁業協同組合連合会
山本麻希「2010カワウに立ち向かう2」より改編

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毎年数多くの魚を放流して魚の数をふやすことに努めているのをカワウ被害が大きくなっている現状がすこしわかったかも
里山でシカやイノシシが農作物を荒らすのと
自然との付き合い方を考えさせる資料でした


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