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元麻布春男が怒った!!
PC雑誌やPCニュース系Webサイトでおなじみの,PCライター元麻布春男氏.彼の怒りの矛先は,Athlon64でおなじみのCPUメーカー日本AMDだ.ご存じのこととは思うが,PCの頭脳に当たるCPUチップは,事実上,2つのメーカーの寡占状態にある(注:Macは含まれない).一方は,パソコンCPUの老舗intel,もう一方はIntelコンパチのCPUを作ってきたAMDだ.
ここで思い出話を一つ…
私とIntelのCPUの最初の出会いは,あの有名な元祖NEC TK-80に乗っていた8ビットCPUの i8080 だった.もちろん,これは本物の8080ではなく,NECの8080コンパチCPU uPD8080Aで,セラミックパッケージだった.当時,静岡市の某無線屋(岩●ラジオ)に,このNEC TK-80開放展示されており,電気工作マニア崩れの「マイコン少年」たちが放課後集まっては,いじくり回していた.このCPUはよく熱暴走を起こし,誰かがいつもコアの上に,100円玉を乗せてヒートシンクの代わりにしていたのを思い出す.
その後,様々なマイコン,パソコンを経て,現在に至るのだが,初めて自作(ショップパソコン改造)した時に採用したSocket7用CPUが,IntelのPentiumIIコンパチのAMDのK6-2-400だった.この時に,「AMD=速い,安い,うまい」の公式が強烈に私の頭にインプットされ,以降いわゆる「AMD厨」となってしまった.もちろん理由はそれだけではなく,貧乏人の性(さが)で,IntelがやたらにCPUのソケット・スロット規格を変えることに,嫌気がさしていたということもある.「AMDのSocketA一本勝負ならば,マザーを取り替えずに,BIOS更新だけでCPU交換ができる(可能性が高い)=安い!」の公式だ.
ということで,今でもAMDファンの私ではあるが,今回の日本AMDに対する元麻布氏の怒りはもっともだと思う.まるで「PCライター書いた雑誌記事は,すべてIntelの提灯記事で嘘っぱち」といったニューアンスの発表だったのだから.
一般紙でも取り上げられたように,日本AMDは,ライバルのインテル株式会社に対し損害賠償請求訴訟を起こした.この訴状の中で,元麻布氏が怒っているのは,「インテルは、PC雑誌の編集者に対して圧力をかけ、パソコン雑誌に掲載が予定されていたAMD製CPUに関する記事を削除させ、AMD製CPUの性能を評価する記事の内容等を修正させるなどした」と言う点だ.詳しくは「元麻布春男の週刊PCホットライン:PC雑誌はインテルの圧力に負けたのか」を読んで欲しい.
元麻布氏の経験によれば,氏の書いた記事がインテル株式会社から圧力を受け,内容を変更させられたり,記事をボツにさせられたことはないとのこと.その後,日本AMDから氏に届いたメールによると,「廃刊になった雑誌において,そのようなことがあった」とのことだが,最後まで雑誌名は明らかにされていなかったそうだ.
AMDは,既にデュアルコアのAthron64 x2をリリースしており,私の愛読雑誌PC Fan(6/15号)におけるPentiumD 840(3.2Ghz,¥61,000~¥65,000) vs Athron64 x2 4800+(2.4Ghz,¥123,000)のデュアルコア・ベンチマークでも,パフォーマンスと消費電力におけるAthron64 x2のアドバンテージが示されたばかり(注:最もCPUの値段が倍近く違うので,この比較はあまり意味がないかも).最近はインテルに対し,ずっと劣勢に立たされていたAMD.ついに復活の時が来たと思った矢先のこの訴訟だが,AMD(本社)はかなり焦っているのだろうか?Macがついに,インテルCPU搭載に踏み切ったことも影響しているのだろうか?
ただちょっと気になることとして,「PC WatchはIntelびいき?」に見られるような「インテル提灯記事疑惑」も存在することは,忘れてはならないだろう.少なくとも,元麻布氏については,このような事はないと,信じてはいるが…
…この後は2ch自作PC板の「提灯ライター総合スレ」でどうぞ.
参考リンク:
- 2ch自作PC:「【元麻布】提灯ライター総合スレPart12【大噴火】」(注:最新に修正,7/5)
- 【緊急インタビュー】日本AMD吉沢取締役に聞く、インテル提訴の狙い
- 「自由な競争を回復するのは今」――日本AMDが60億円の賠償を求めインテルを提訴
- 米AMDがx86プロセサの不正販売行為で米Intelを提訴
- 笠原一輝のユビキタス情報局:「AMDはIntelへの訴訟で何を狙うのか?」
- Intelはいつも腕力でライバルをねじ伏せてきた」(注:7/5に追加)