明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

スペイン・バルセロナのコロナ事情

2020-04-26 13:45:01 | ニュース
スペインは世界でもコロナ被害が深刻な国の一つである。人口は日本の半分以下、5000万足らずなのにコロナの死者は2万人以上も出てしまっている。これでは国中が恐怖で大混乱に陥っているのではないかと思うかも知れないが、実は一致団結、一丸となってコロナに立ち向かい、ようやく終息の希望が見えてきたらしいのだ。その辺の事情を、バルセロナ在住の元Nステ解説員「清水建宇さん」に電話で久米宏が聞いている。スペインでは全土完全ロックダウンで人々が外出禁止の中、細々と営業を続けて、今年70才になるまで一度も病気せず店を休んだことも無いというから大したものである。その話が興味深かったので、紹介したい。

今回スペインは、コロナ禍で高齢者がバタバタと死んでいったのはニュースで知られている事である。スペイン人はそもそも、おじいちゃん・おばあちゃんを大切にする、世界でも有数の高齢社会だそうだ。その意味では、日本と非常に似ているとも言える。だが日本のように若い人と高齢者が別々に分断して生活しているのではなく、高齢者を中心とした大きな家族が「和気あいあい」と生活を共にする一体感のある社会なのだ。今までスペインという国をEUの一つとしか見ていなかった私には、ちょっと意外に感じた部分である。だがスペインでもここ何年も経済の低迷で「EUの締め付け」も有り、政府の費用削減で「医療設備の遅れ」が顕著となっていたらしい。このような理由で医療後進国になってしまったのは、何を隠そう、日本も同じ現象である。そこにコロナが追い打ちを掛け、アッという間に危機的状況に陥ってしまった。

だが、ここからが日本と違うところである。コロナがスペインに飛び火した最初、多数の高齢者が真っ先に死んでいったため、急速に全国民に危機的意識がパッと広まり、コロナに対する政府の対応も「日本では考えられないレベル」の厳しい外出禁止命令が出た。違反者は高額罰金に逮捕実刑もあるという徹底した物だと言う。だが国民はこれを「当然のごとく」に受け入れ、表立って反対する人はいないというから立派なものである。皆んなしてソーシャルディスタンシングを守る公共意識は明確で、自宅から500m以内の店に食料を買いにいく以外は、一部で犬の散歩の例外はあっても、原則「家にこもって」外に出ない生活が1ヶ月も続いている。

スペインの被害が甚大だったのは「コロナ禍が始まる前から医療崩壊して」いた為だと報じられている。予算削減から病院がどんどん閉鎖に追い込まれ、医療従事者も3000人以上辞めていったらしい。それでも「ICUベッド数」は日本より多い。それに、政府の対応が迅速・的確で、スペインでは「休業補償7割給付」を実施した。その上に、いろいろな施設を隔離ベッド数確保に転用して「軽度な感染者」を収容したり、いち早く中国に軍用機を派遣して「医療用マスクや呼吸器関連器材」を運んだりしたという。だから国民からも政府に対する不満など一切出てなくて、何としても「コロナに打ち勝つんだ」と言う意識で国民全体が一つにまとまっているようだ。そんな中ようやく来週から、子供は親が同伴すれば「1時間外出してよい」ことになるらしい。やっと少しだけ規制が緩和され、国民にも出口が見えてきたのである。以上、ここまでは久米宏が清水建宇さんに聞いた「バルセロナの話」の紹介だ。これからは私が思ったことを書いていく。

ドイツも規制緩和の方向に踏み出し始めたようだし、欧米は概ね「最初にガツンと厳しい姿勢」で臨んだ後、徐々に緩める対応が成功しているみたいに思える。韓国・台湾は言うに及ばず、アジア各国でも大体「政府の対応は迅速・的確」で、国民がどうしろこうしろ言う前に次々と行動を起こしているのだ。それに比べて、日本は「優柔不断で、後手後手の対応」が目に付き、やることなすこと「意図がわからない」ことだらけで、政府のリーダーシップが見えないのだ。今更言うのもなんだが日本という国、経済は先進国かも知れないが、やっている政府も国民も「中身は鎖国時代から一つも変わっていない後進国」なんだな、と考えた次第である。世界との国民意識の違いに目を向けて、このコロナ危機に際し「もう一度、根底から考え直す」必要があると痛感した。

日本人は決して「クール・ジャパン」と言うような、世界に自慢できる国民性ではない。頭の中を世界の常識に合わせて再構築しなければ、いつまで経っても「極東の変わった風習の国」で終わってしまう。それはどういうことかというと、「リアリストの眼」で現実を見る習慣を身につけることである。例えばPCR検査を絞って感染者数を誤魔化すことなどに現れているように、事実を隠蔽し、情報を隠して「破綻していない風を装う」のはもう止めようではないか。この、為政者が国民に「嘘をつく」という悪弊は、日本人の身体に染み込んだ「民族的特徴」だと私は見ている。日本人が事ある毎に「日本人なんだから、皆一致団結して我慢しよう」と言って、具体的で有効な対策よりも「精神力」を真っ先に上げるのは「日本人の弱点」であり、前回の戦争でも「大敗の遠因」になっていることは間違いない。

要は「気持ち」なんか必要ないのだ。必要なのは「機能する政府」である。

PS:結局こういう政府を選んだのは国民自身なんだよなぁ。自業自得っていうのはこういうことである。でも日本人は自分達の過ちを認めようとはせず、コロナ禍の被害を「安倍首相や政府の力量不足のせい」にして終わりにしてしまうのだろう。何故なんだろうか?。これは私の個人的考えだが、日本人は世界でも珍しい「血液型がA型の人の割合、40%」という特異民族であるそうな。さもありなん、A型は「自分の失敗「絶対認めようとしない」から、今回の悲惨な被害も「誰か他人のせい」にして済ましてしまうに違いない。A型なら、やりかねないよね、あーあ困ったもんだ。

因みに申し上げておくが、私は「B型」である。・・・なんだかなぁ。

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