テーマⅡ
「普通学級に当たり前に居続けるために知っておきたい大切なこと」
(あるいは普通学級を手放さないために知っておきたい大切なこと)
《ランドセルを背に》
吉原さんの詩をもうひとつ。
前回の詩で痛みをプレゼントし、それをいのちのすばらしさだといった。
同じ詩集に、小さなリュックをしょって歩いていく小さな女の子の詩がある。
◇
夜明けに
吉原幸子
こんなしらじら明けが
いつかきたとき
わたしには父があった
わたしには母があった
小さなわたしは ふたりの間を
あるいていた
……
小さなわたしは
小さなリュックサックをしょって
さうして こんなしらじら明けの
今日
眠っている街のまんなかで
みえないリュックサックをしょって
わたしには 父もない 母もない
小さなおまへ
おまへにも 父もない 母もない
◇
わたしには、小さなリュックが「ランドセル」にきこえる。
この子の小さな体には大きすぎるランドセル。
でも、この子はそれをほしがる。
身体の大きさの問題じゃない。
背負うのはただの重荷じゃない。
ランドセルには出会いと未来がつまっているから。
大人になったわたしたちは、
いまも出会いと別れとぬくもりがつまった
見えないランドセルをしょっている。
見えないランドセルからあふれるものが
いまも私を支えている。
だから、小さなおまえに父が母がしてあげられること。
どんなに小さくても、おまえにはおまえのランドセルがあり
おまえだけのたからものがつまっている。
◇
吉原さんが生まれたのは1932年。
詩集「幼年連祷」の発行は、1964年。
わたしが4才のころ。
子どもへのおもい。
親のおもい。
それは昔もいまも、
子どもに障害があるとかないとか、
何もちがわない。
ワニなついろはかるたが、いくつも浮かんでくる。
【か】かわいい子には ふつう学級を旅させよ
【ふ】ふつう学級とは ふつうの苦労をするところ
【き】傷つくことも 大事なものがたり
【お】大人がどんなにがんばっても 子どものかわりはできません
【し】信頼 という おくりもの
◇
『就学相談いろはかるた』
そういえば、品切れだったので、新しく印刷しました。
『就学相談いろはかるた』 2015増補改訂版
A4版40ページ
2015年12月1日発行 300円
好評発売中(^^)/
◇
ようこそ就園・就学相談会へ2016
◆ 2016年6月26日(日)午後
松戸市 ふれあい22または勤労会館(予定)
◆ 2016年7月10日(日)午後
千葉市 きぼーる11階 ボランティア活動室(決定)
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