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ワニなつノート

すべての子どもたちへ(その3)


「定員内不合格」をなくし、希望するすべての子どもに
後期中等教育を保障するために(その3)



いろんなことを同時進行でやっていると、
前の日に考えていたことを次々と忘れていきます(゜.゜)
それは見事なくらい。
自分の三日前のブログをみて、
「つづく」と書いてあるのをみないと、
わたしの中ではまったく「つづいてない」ようです(>_<)

そんなわけで、一つの資料を原文のまま、ここに置きます。


    □     □     □


『子どもの高校就学はなぜ大切なのか』

松山東雲女子大学 宮武正明
東洋大学社会学部 森田 明美


2.《今日の社会と高校進学の意味》

県全体の高校進学に積極的に取り組み、30年前から県全体の高校進学率が98~99%になって全国一になった富山県では、女性の就労率が高く、豊かさ度が高く、一方で生活保護率が全国最低になっているのは、高校進学の徹底が地域全体で豊かさを実現し、貧困の蓄積を止める重要な政策であることを示唆している。

一方、この間高校不進学者が多く残されてきた都市等において、「高校進学も就職もできない16歳、17歳無職少年層」が形成され、就職できたとしても不安定で長続きせず家庭崩壊等により子ども世代も貧困世帯、生活保護世帯になっていくという「貧困の世代間継承」「貧困の再生産」になる事例が少なくなかった。

そうしたことから各地の福祉事務所ケースワーカーは、長年、生活保護世帯の高校就学経費について小・中学生の教育扶助と同様に「教育扶助を適用する」ことを国に求めてきたが、国はようやく、2004年の社会保障審議会に設置された専門委員会の検討と意見具申を受けて、2005年4月から生活保護世帯の高校就学経費を「生業扶助」として支給することとしたのである。

         ◇     ◇     ◇

こうした政策の変更には、福祉事務所ケースワーカーの様々な取り組みが反映されているが、その一つが東京下町・江戸川区福祉事務所における過去20年の「中学生勉強会」に象徴される生活保護世帯の子どもの処遇に関する取り組みがある。

1980年代、同区は各中学校で深刻な中学生の非行問題を抱えていたが、彼らの多くが生活保護世帯の子どもを中心に親の家計を見て自分は進学できないと思いこんでいる子どもたちであった。

江戸川区福祉事務所では、1986年ケースワーカーたちによって、中学三年の三者面談時に「高校に進学する」と言えなかった子らを夜の役所に集め「中学生勉強会」を開いているが、現在に至るまで途切れることなく続けられている。

親を見て勉強に希望が持てないことから早い時期から学力不振になり、学校に居場所がなくて不登校、非行になったこれらの子は、中学3年生での三者面談の際に教師に聞かれた時「勉強は嫌いだ」「進学はしない」と告げるしかない。

けれども、これらの子どものほとんどがこの勉強会を知った日から役所で行われる勉強会に通って、高校進学に希望を見つけている。

それは、学力不振のままに社会に出ることの彼らの不安がいかに大きなものであるか、を表している。「九九」ができない、「ABC」が読めない彼らの不安は、実際は福祉の側から「きちんと説明し、進学の希望を持たせる」ことができれば、その後若干の学習の援助で容易に解決できることをこの勉強会は長期に渡って証明してきている。
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