ワニなつノート

やっちゃんがいく(3) (小学校1年生の2)

やっちゃんがいく(3) (小学校1年生の2)

【私が学校に行けなくなって】

Yasuが、学校で6年生の女子の胸と股間を触ってしまい、
相手の子がとてもショックを受けてしまったという
事件がおこりました。

電話でお詫びをした時に、
私が事実関係を詳しく把握していなかったためか、
Yasuのことについて私の説明不足だったためか、
先方が後日、校長先生を交えて話し合いをしたい
ということになりました。

その際、先方から「どうして、この学校を選ばれたのですか?」
と聞かれました。その言葉が胸に残って、
「地域でみんなと一緒に学ばせたいからです」
と答えるのが、私には精一杯でした。

人とのコミュニケーションが苦手な障害を、
周囲に上手に話して理解してもらう事ができない、
自分の子どもを地域であたりまえに過ごす権利を守ってやることが
できない自分への無力感、また、孤立感が襲ってきました。

次の日から、
子どもを学校に連れて行けない状態になってしまいました。

担任は「長い時間、つきあってくれているクラスからは苦情もなく、
許し合えて、分かり合っているじゃないですか。
少しずつ理解の輪を広げていきましょう。
お母さんが来られないなら、私が迎えに行きます。」
とも行ってくれました。

それでもどうしてもだめで、子どもに事情を説明したら、
(ぼくのした事で、お母さんが困っているんだ)という状況が
少しわかってくれたのか、おとなしく家にいてくれました。

休むとクラスの子が、放課後連絡帳を持ってきてくれました。
Yasuが(ぼくもやっぱり、学校に行きたい)と言わんばかりに
その子の名前を呼んでいました。

その子の親や、他の子の親からも心配のお電話をいただいたので、
少し元気になり、「明日は、学校にいこうか」と
Yasuと約束をして寝ました。

一学期最後の日の朝です。
しかし、朝になると、どうしても学校に行けない私がいました。

「やっちゃん、お願い、一人で学校に行って来てくれる?」と言うと、
ワァーンと泣きながら駆けていきました。
ひょんなことから、初めて一人で登校したのでした。
帰りは、通知表をもらって、担任の先生と一緒に帰ってきました。

そんな感じで、夏休みに突入してしまいましたが、
Yasuがどんな状況で、なぜそういう事をしてしまったのか、
周りの対応について、学校と一緒に考えていきたいと思いました。

私たち親と校長先生、発達センターのドクター、
児童相談所の児童福祉司の方とで、
話し合う機会を持ってもらいました。
ドクターから「何か困った行動をしたときには、
なぜ、こういう事をするのかと理由を考えた上で対処して下さい」
と説明がありました。

今回のことで、先方にはすぐに、
父親から謝罪とYasuの苦手な部分を改めて説明してもらい、
だいぶ、ご理解いただけた上で
、校長からも、Yasuが普通学級に通うことについての説明と、
学校全体で彼を受け止めていることについて、
話をしていただきました。

Yasuを取り囲む資源、
親を含むその一人一人の結びつきがあってはじめて、
子どもとともに、安心して、またもとの生活に戻れる気がしています。

行事の多い二学期が始まります。二学期の通知表をもらうころには、
もっと、もっと、たくましくなっている息子と、
ますます、強くしなやかになっている自分の姿を想像して、
楽しく、夏休み過ごしています。
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