『やっちゃんがいく』を何年ぶりかで、通して読み返してみました。
いい本だなぁ~と、思いました(>_<)
自分の意図を思い出しました。
「トイザラス行く?」「トイザラス行く?」「トイザラス行く?」
3回くりかえしを、くりかえす絵本。
繰り返しを、楽しむ絵本。違うリズム。日常生活。楽しむこと。リズムがあること。笑いがあり、納得があり、壁があり、こだわりがあり、予定(見込み)があり、見込みが外れることがあり、いたずらがあり、「いけないねー」と叱られ、自分を叱り、自分で納得していくこと。悪いことだと、いたずらして、確かめることもある。それはどれも、子どもだったら、誰も生活のなかで「似たようなスタイルがある」ことを子どもたちが感じてくれたら…と願ったのでした。そして、その目論見は、ある程度、子どもたちに伝わっているような気がします。
また、私は、「生活のなかで似たようなスタイルがある」ことを伝えたいと思っていたようです。絵本の中のやっちゃんを通して、「生活のなかで似たようなスタイルがある」ことを子どもたちが体験すること、実感すること。
『やっちゃんがいく』を通して子どもたちに伝えたいと願ったことは、「自閉症の子ども」のことではなく、「生活のなかで似たようなスタイルがある」ということでした。大人が「じへいしょう」と呼ぶ子どもがいるけれど、それは、「生活のなかで似たようなスタイルがある」ことを知らない大人が作った呼び名でした。
『やっちゃんがいく』で、私の考えの中の「自閉症」を表現するのに、「繰り返し=しつこさ=慎重さ」「がんこ=自己主張の強さ=自分で納得するまで確かめる根気強さ」というような感じを、「生活の中で似たようなスタイルが、みんなあるよね」と、表現したいと思ったのでした。
それを、「こだわり」と呼んだり、「パニック」や「同一性保持」と呼ぶから、「違う子ども」みたいに間違って「理解」されてしまうことになるのです。そうして、一度間違って理解してしまうと、それが「ふつうの子ども」の「生活の中で似たようなスタイル」があることを見えなくしてしまいます。(それこそが正確な意味で「こだわり」なのでしょう。)
本当は、「何度も繰り返し質問して、確かめて、安心すること」は、「子どもである」ということでした。誰もが幼いころ、「どうして?」「どうして?」「どうして?」と、とめどなく質問したり、場の空気をよまずにくったくなく質問したりして、親を困らせたことがあるはずです。
それが、ふつうである証拠に、夏休みには、親を救うために「子どもの電話相談」もあります。
あれは、子どもの疑問に答えるという装いを保ちながら、夏休みの子どもから親を守る「救援番組」なのでしょう。
子どもは、「繰り返す」のです。繰り返すのが、子どもなのです。何度も確かめて、自分の中に、あるとき、ストンと落ちて、次にいけるのです。「腑に落ちる」という古い言葉もあるように、それは決して「自閉症」という「障害の特徴」なんかではありません。ただ「生活のなかで似たようなスタイルがある」ということの一例にすぎません。私は、絵本を読んでくれる子どもたちに、そのことを伝えようと試みたのでした。
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