《昔、学校の先生だったころのこと》
「先生は自分の事が大好きそうに見えるんですけど、どうすれば自分を好きになれるんですか!?」
中3の生徒に、とても不思議がられた年があった。
40歳過ぎのころ。
教科書にクジラの研究者のエッセイがあり、その後に「自分の解明したいこと」を聞いたら、「先生のことを解明したい」という回答がいくつもあった。
「私が今、解明したい事は、佐藤先生です。…先生は自分の事が大好きそうに見えるんですけど、どうすれば自分を好きになれるんですか!?」
「小学校3年生までドイツの学校にいて、それから日本の学校に来て、今まで何十人もの先生に会ったけど全然いないタイプの先生でした。…この前、うちらの所にきて話を聞いた時、ああ何も考えてなさそうに見えるけど、実はいろいろ考えてるんだなと思いました。」
「先生の授業は、本当にこの人先生かって毎回思います。でも、そんな先生の授業でもアタシたちはとっても楽しいです。」
「今、僕が解明したいことは、国語の佐藤先生のことです。今までこんな不思議な先生は見たことない。…本当先生なのか?と思う事もある。社会の緊迫した空気の中の授業とは正反対と言える授業も不思議でならない。それでいて生徒からすごい(?)人気をほこる。普通、授業が解りやすいとかそういう先生が人気だと思っていた。でも、今の科学の力では解明できないと思う。」
「先生は、字はきたないし、線もまっすぐかけないし、丸もちゃんとかけないけど、…先生の授業がカットになったりすると、ちょっと悲しくなります。他の先生の授業はつまらないから、先生の授業が私の心のよりどころです。」
「先生について知りたいことは全てです。どんな人生を送ってきたのか教えて下さい。」
「先生の授業はとてつもなく楽しいです。毎回、先生が来るのが楽しみなのですが。私の考えは先生には通じないと思ってた事など、先生は普通に話していました。はっきり言って珍しいと思っていました。」
不思議な一年間だった。
「先生らしくない」はよく言われるが、その一年間ほど言われ続けたことはない。
中3の4クラスどこにいっても、不思議がられた。
それにしても、子どもから見て、「自分が大好きそうにみえる」って、どういうことなんだろう?
解明してみたい(・。・)
(つづく)
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ありゃま
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