ワニなつノート

Hideとyuくんの「事件」のこと(その2)

Hideとyuくんの「事件」のこと(その2)


Kさんのブログに、『突然の訪問』という話がありました。
突然の訪問者は、警察です。

《近所の女子中学生から、ある男性に何度も追いかけられ怖かったという相談があり、それがお宅のyu君ではないか…》

1回目の報告を読んで心配になり、すぐにKさんにメールをしました。
「これは現在進行形の話ですか?」と。

返事は、とりあえず終わっている話ということでした。
私の「心配」は、yu君の「ことば(ほんとうのこと)」が、警察や周囲の人に都合よく解釈されていってしまうこと、でした。

村木厚子さん(元厚生労働省局長)でさえ、「調書をきちんと検事に書いてもらうのは難しかったし、公判でどんな意味を持つのかも分からなかった。まして(障害者ら)ハンディがある人には至難の業と感じた」と言うのです。

その後、5回の経過報告を読みました。

①kさんは、yuくんに事情を聞き、通勤途中に走ったことはあるが、誰かを追いかけたり、驚かせる意図はなかったと、警察に説明します。

②そして、yuくんと二人で警察署まで行き、障害者理解を求めます。警察は、「今回はわかりました」といい、話は終わります。

私にはどこか消化不良でした。

この話は、長くなるかもしれないので、結論を先に書きます。

私が一番、腑に落ちないのは、親がyu君を警察に連れて行ったこと。
そして「誤解」を解き、「障害への理解」を求める、ことを一生懸命にやったそのことです。

今回の話の中で、yu君が警察に行かなければならない理由はないと、私は思います。


そもそも、警察が突然訪ねてきて、話したのは、次のことです。

◇「女子中学生が追いかけられたと相談がありました。」
◇「相談を受けてから、何日かその駅までの道の様子を見ていました。」

◇「そして相談があった特徴に該当したのが息子さんです。」
◇「その間に走って追いかけているのは見ていません。」

◇「また相談内容から、追いかけられたけどその後に声をかけられたとか、何かをされたとかはない。」

◇「今回相談を受けた時に、近隣の小・中学校に不審者情報を出して、同様に「追いかけられた」という子がいたか照会をかけましたが、誰もいませんでした。」

普通なら「ただの言いがかり」です。

Yu君には障害があり手足のマヒもあります。
ふだんの歩く姿にも不安定さは見えます。
それは警察にも一目で分かることです。
だから、女子中学生の「偏見・無知・差別」である可能性も十分に考えられます。

上記のように警察自身、何の問題も見えない(見つからない)と言いながら、相手が障害者であるから、「障がいがあるということで、どうしたらいいでしょうか」と親に言うのです。

どうしたらも何も、まだ「どうかしなければいけない問題」はありません。

この最初の時点での、「問題」「理解」「対応」への構えが、ボタンの掛け違えの最初のように私には思えます。


その一方で、kさんの報告の中には、「きちんとした対応の模範例」も、記されています。

一つは、yu君の弟の一言です。
「ゆっくり起きてきたryoに話すと「なんだそれ」とただ一言。」

もう一つは、yu君の妹の言葉。
「お兄ちゃん、よく走っているよ。自転車で駅までいく時(ayaの通学)、駅までの道を走っているのを時々見かけたよ。マンションの前からでも走って行くときもあるよ。」
「なんで走るかな?」
「さあ…。でもお兄ちゃんって、家族で出かけた時でも、一人で走っていくことあるじゃん。あんな感じ。何も考えてないんじゃない。お兄ちゃんにはいつものことなんだよ。」

一緒に育った兄妹は、いいなあと思います。
二人の弟と妹の対応こそが、yu君の味方としての対応だと私は感じます。
少なくとも、そこにちゃんと踏みとどまる自覚がないと、何が何だかわからないまま、yu君が警察に行く道があまりにも軽くできてしまうように思います。
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