ワニなつノート

《定員内不合格というばかげた制度》


《定員内不合格というばかげた制度》



「その社会が、それをばかげたことと思うくらい成熟するまでは、個人でそこを抜け出すのは難しい人もいるのでしょう。それは個人の問題というよりは、文化の問題であり、その社会の人権意識の差だと思います。」※


例えば、親の体罰禁止。

2000年2月。
ドイツ司法大臣ヘルタ・ドイプラー=グメリーンが、ある会議で次のように発言した。

《「我が子を愛する者はその子を鞭打つ」という古いことわざは、危険で愚かしい言いぐさです。暴力は家庭内で学習され、その後、社会と次の世代に伝えられるのです。
私たちはこの悪循環を断ち切らなければなりません。》

2000年9月。
ドイツ議会は、子どもの生みの両親に対しても、子どもに体罰を下す権利を認めないと、明確な立法措置をとった。


2020年。。。親の体罰禁止。
日本では、「それをばかげたことと思う」まで、さらに20年がかかった。


      □


1987年。
私が初めて勤めた定時制高校に、「定員内不合格」はなかった。

そこには、「それをばかげたことと思うくらい成熟」した先生たちがいた。

「ここで学びたい」と門をたたく生徒を、席が空いているのに追い返すのが、先生の仕事??

それは自分の仕事を否定する、最高にばかげたことじゃないか!!


先輩たちのおかげで、私もそれがどんなに「ばかげたこと」かを学んだ。

千葉でも、それは「過去のばかげたこと」になるのだろうと思った。


 


2021年。

あれから34年が過ぎた。

千葉は何ひとつ変わらない。


「7年・25回の定員内不合格」を全部一人で背負い、「それがいかにばかげたことか」を伝えてくれた若者の死の意味を、受け止めることのできる人は、千葉県の教育委員会にはいない。


        □


日本には、定員内不合格を、過去の「ばかげた制度」にした都道府県が5つある。


残りの42府県は、相変わらず「ばかげた制度」を、「公平公正」と信仰している。
愛知も、熊本も、沖縄も、山形も。


それでも、あーちゃんは5年目の受検に向かうのだろう。

何一つ力になることができないけれど。

あーちゃんの、一人の子どもが伝えている、高校生になること以上の大切な何かを、私は心の底から応援している。


        □


《「席が空いているのに、子どもの学びの機会を捨てることを公平・公正という」古い慣習は、危険で愚かしい言いぐさです。

子どもの学びを捨てる暴力は、学校で学習され、その後、社会と次の世代に伝えられるのです。

私たちはこの悪循環を断ち切らなければなりません。》






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