ワニなつノート

忘れたころの講演会報告(その3)

忘れたころの講演会報告(その3)

《二人の笑顔》



「考えて分かる」のではなく、
「後から遅れて気づく」こと。
それを言葉で表現することができずにジタバタしています。
サッカーやラグビーの試合で、その時は気がつかず、
試合が終わってから実は骨折していた、という感じかな~。

     □    □    □


その日の「試合終了」後も、帰りの車のなかで、
一日の映像がランダムに頭に浮かんでいました。

長谷川先生の講演もよかったし、
かいとママさんの話もはるなママさんの話も
真さんの話もよかった。
来週には朝日新聞にも記事が載りそうだし、
取りあえず無事に終わったな~と思っていると
ZZZ~GGG~と映像が乱れる。

場面が変わり、かいとくんとはるなちゃんが
風船を追いかけて走る映像が浮かぶ。
子犬のように息をはずませて、
楽しそうに走り回る二人。
まるでディズニーランドではしゃいでいるかのような
笑顔と歓声が聞こえる。
そして、「元気だね~」とつぶやく間抜けな自分が浮かぶ。
あの時感じた「ZZZ~」という雑音。

当日は講演会の準備ため、
みんなお昼前には会場についていました。
それから、会場の設営や準備。
1時半から5時までの長―いお医者さんの講演会。
ちょっと考えれば、5歳の子どもにとって
少しも楽しくない一日だと分かります。

その後さらに長谷川先生への取材、
かいとパパママ、はるなパパママへの取材が続きました。
でも、6時7時を回っても、二人とも
「もう帰ろう」とは一言も言いませんでした。
ただ二人で楽しそうに笑いながら、風船を追いかけていました。

ZZ‥GG‥
次の瞬間、ママさんたちの「発表」のときに、
一緒に前に立った二人の緊張した顔が浮かぶ。
ママさんたちと一緒に、100人の大人たちの
前に立った時の二人の表情と息遣い。

ママさんが話している間、
ずっとその横とおばあちゃんの隣を
行き来していたはるなちゃんの表情。
小さいころに使っていた指サインの話のとき、
お父さんは?と聞かれ、はるなちゃんが間違えたとき。
「違う」と言われ、くじけそうな表情になった次の瞬間、
すぐに気を取り直して前を向いているはるなちゃんの笑顔。

ZZ‥GG‥
講演会の終わりの言葉。
そのときの二人の表情を、一番間近でみていたのは私でした。
二人で一緒に「終わりの言葉」を言うはずが、
マイクが一本しか見つからない。

はるなちゃんはマイクを握って待っている。

私がマイクを見つけ、かいとくんに渡そうと手を伸ばす。
かいとくんは手を伸ばすかわりに、マイクに口を近づける。
「これでおわります!」

振り向くと、はるなちゃんと目があう。
「言っちゃったね……(>_<)」。

一瞬困った顔をしたはるなちゃんは、
すぐに気を取り直し、マイクを握りしめた。
「これでおわります!」

はるなちゃんの切り替えは見事でした(^_-)-☆

その映像を思い出したとき、改めて二人の
講演会への思いが、伝わってきました。

それからようやく、「3時から」という言葉が
ゆっくりと頭によみがえります。

ああ、そうだった。
かいとくんは、その日誰よりも早く目覚めて、
戦闘準備をしていたのでした。

今日一日、最初から最後まで、
一番、勇敢に闘い続けていたのは、
かいとくんとはるなちゃんでした。

子どもたちのため、私たち大人が準備してあげるからね、
と思っていた講演会。

でも、かいとくんとはるなちゃんにとっては、
この日のすべてが、自分のために
お母さんたちが思いをこめて準備してくれた
特別な日だということを感じていたのでした。

ZZ‥GG‥
その日の二人の顔が、表情が、
もう一度ゆっくりと頭のなかを駆け回る。
かいとくんとはるなちゃんが風船を追いかけて走る映像が浮かぶ。
子犬のように息をはずませて、楽しそうに走り回る二人。
まるでディズニーランドではしゃいでいるかのような
笑顔と歓声が聞こえる。

おつかれさま。本当によくがんばったね。
あの日は、たぶん、地上のすべての優しい者たちが、
自分たちを応援してくれる日だったんだね。
だから二人ともあんなにいい笑顔で、
みえない敵と闘っていたんだね。

    □    □    □


それが私の思いこみでないのは、
保育の人から話を聞いて分かりました。

みんなと一緒に保育室で夢中で遊んでいた二人は、
ママさんたちの発表の時も、
そして終わりの言葉のときも、
「出番だよ」という声を聞くと、
一瞬で遊ぶのをやめ、講演会の会場に向かいました。

私たちは、子どもがその小さな体と心で、
自分自身の人生を誰よりも真剣に闘い生きていることを、
つい忘れてしまいます。

ZZZ‥GGG‥
そのことを改めて確かめさせてくれたのが、
先日のはるなちゃんの夢でした。

はるなママさんが送ってくれたメール(^^)v

《昨晩、はるながみた夢……
つばさの会でおやつを食べているときに、
ラビリンス(はるなの好きなアニメ・プリキュアの悪者)が
出てきたところを、正義のヒロイン・プリキュアたちが来て
やっつけてくれたそうです。

お母さんたちもいた?と聞くと、
なんと大人は仲井さんだけ。
子どもははるなとかいとくんとはるくんの
3人いたそうです。

意味のない夢の話かもしれないけど、
深い意味がありそうな気もします。》


はるなちゃんとかいとくんにとって、
ずっと自分の小学校入学のことで
不安そうな顔をしていたパパママが、
「ナカイサン」という言葉を口にするようになってから、
どこか以前のような不安な響きが消えていったのでしょう。

はるなちゃんの心の中では、
「ナカイサン」は「プリキュア」であり、
かいとくんの心の中では、
「ウルトラマン」か「仮面ライダー」に違いありません。(o|o)

ここで間違って「ゴジラ」とか書くと、
仲井さんに怒られるからな~(>_<)

コメント一覧

yo
ふゆごもりさんへ

「ワニのなつやすみ」購読申し込み?
ありがとうございます。

えーっと、
このコメントに住所・氏名を書いていただけば、
すぐに送りますよ(^^)v
コメントは「承認制」なので、「公開」にしなければ、
オープンにはなりませんから大丈夫です。

今まで、ブログでの申し込みは1件だけです(>_<)

購読料は一年か二年に一回、
何かの拍子に振込用紙が入りますので、
その時に千円ほどカンパしていただけると
助かります。($・・)/~~~

ところで、私が定時制高校の
「普通科」にいたころ、
養護学校高等部を卒業した生徒が
何人か入学してきたことがあります。
だから、少なくとも定時制の普通科には
入れると思うのですが…。

「特別支援学校」に変わったから、
何か変わったのか、
確認してみないと分かりませんが、
受験はできるんじゃないかな~~。
どうだろ?

詳しくは、またあとで。


ふゆごもり
いきなりですが、
ワニなつさんの「ワニのなつやすみ」という通信を読むにはどうしたら良いですか。
8歳の出来事を目にし、以来、気になっていたブログですが、知り合いの知り合いから通信の存在を知りました。
ブログ自体もこの知り合いの知り合いからの情報だったような気が…
中学卒業にあたり、とりあえずという感じで地域の養護学校高等部を視察。いい感じ、何より本人がノリノリだったので、決めました。色々ありましたが、楽しい3年間でした(担任や顧問に恵まれたプラス中学が酷すぎた)。
でも、あれが「普通科」は違うだろ!と思います。英語も科学も世界史も無い課程のどこが普通科だよ。
養護学校の高等部はそれはそれでヨシとして(うちの場合は、ですが)、でも、そこを卒業したら「普通科卒」だから他高校普通科に入学はできないって法は、詐欺だと思います。闘うかな…とか思ったりして。
そんなこの頃のわたくしに「ワニのなつやすみ」を、是非!
かいとママ
12月のあわただしい日、机が届きました。
かいとは、なんだろー?っという感じで、引き出しを覗いたりしていました。引き出しの中に、おもちゃを入れ始めたので、「違うよー。お勉強の教科書とか入れるんだよー」と教えたけれど・・・不思議な顔してました。
その日の夜、吸引をしているとき、ポツリと聞きました。
「いちねんせいになったら、これ(カニューレのこと)なくなってる?」
「まだ無くならないよー。」
「がっこうで、どうするの?」
「大丈夫だよ!保育所と同じように、看護士さんが吸引してくれるよ。何にも心配ないよ。」
「うん!」
この夜、ここ数ヶ月足踏みしてしていたことを、本当に後悔しました。
無条件に子どもの側についていない自分が情けなくなりました。
正直、ここまでくるのが精一杯で、これ以上を望み厳しいと思われる交渉を続けるのがしんどく感じていたんです。
でも、子どもってすごい!!!
この子はきっと、私が仕事を辞めたりしたら、自分が原因だと気づく日が来るかもしれない。
だって、かいとは、働いているママを理解しているし、応援してくれているから。
昨夜、プリキュア仲井さんにsos発信しました!
そして、かいとのヒーロー仮面ライダーyoさん、前途多難とは思いますが、どうぞよろしくお願いします!
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「医療的ケアと普通学級」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事