《二人の笑顔》
「考えて分かる」のではなく、
「後から遅れて気づく」こと。
それを言葉で表現することができずにジタバタしています。
サッカーやラグビーの試合で、その時は気がつかず、
試合が終わってから実は骨折していた、という感じかな~。
□ □ □
その日の「試合終了」後も、帰りの車のなかで、
一日の映像がランダムに頭に浮かんでいました。
長谷川先生の講演もよかったし、
かいとママさんの話もはるなママさんの話も
真さんの話もよかった。
来週には朝日新聞にも記事が載りそうだし、
取りあえず無事に終わったな~と思っていると
ZZZ~GGG~と映像が乱れる。
場面が変わり、かいとくんとはるなちゃんが
風船を追いかけて走る映像が浮かぶ。
子犬のように息をはずませて、
楽しそうに走り回る二人。
まるでディズニーランドではしゃいでいるかのような
笑顔と歓声が聞こえる。
そして、「元気だね~」とつぶやく間抜けな自分が浮かぶ。
あの時感じた「ZZZ~」という雑音。
当日は講演会の準備ため、
みんなお昼前には会場についていました。
それから、会場の設営や準備。
1時半から5時までの長―いお医者さんの講演会。
ちょっと考えれば、5歳の子どもにとって
少しも楽しくない一日だと分かります。
その後さらに長谷川先生への取材、
かいとパパママ、はるなパパママへの取材が続きました。
でも、6時7時を回っても、二人とも
「もう帰ろう」とは一言も言いませんでした。
ただ二人で楽しそうに笑いながら、風船を追いかけていました。
ZZ‥GG‥
次の瞬間、ママさんたちの「発表」のときに、
一緒に前に立った二人の緊張した顔が浮かぶ。
ママさんたちと一緒に、100人の大人たちの
前に立った時の二人の表情と息遣い。
ママさんが話している間、
ずっとその横とおばあちゃんの隣を
行き来していたはるなちゃんの表情。
小さいころに使っていた指サインの話のとき、
お父さんは?と聞かれ、はるなちゃんが間違えたとき。
「違う」と言われ、くじけそうな表情になった次の瞬間、
すぐに気を取り直して前を向いているはるなちゃんの笑顔。
ZZ‥GG‥
講演会の終わりの言葉。
そのときの二人の表情を、一番間近でみていたのは私でした。
二人で一緒に「終わりの言葉」を言うはずが、
マイクが一本しか見つからない。
はるなちゃんはマイクを握って待っている。
私がマイクを見つけ、かいとくんに渡そうと手を伸ばす。
かいとくんは手を伸ばすかわりに、マイクに口を近づける。
「これでおわります!」
振り向くと、はるなちゃんと目があう。
「言っちゃったね……(>_<)」。
一瞬困った顔をしたはるなちゃんは、
すぐに気を取り直し、マイクを握りしめた。
「これでおわります!」
はるなちゃんの切り替えは見事でした(^_-)-☆
その映像を思い出したとき、改めて二人の
講演会への思いが、伝わってきました。
それからようやく、「3時から」という言葉が
ゆっくりと頭によみがえります。
ああ、そうだった。
かいとくんは、その日誰よりも早く目覚めて、
戦闘準備をしていたのでした。
今日一日、最初から最後まで、
一番、勇敢に闘い続けていたのは、
かいとくんとはるなちゃんでした。
子どもたちのため、私たち大人が準備してあげるからね、
と思っていた講演会。
でも、かいとくんとはるなちゃんにとっては、
この日のすべてが、自分のために
お母さんたちが思いをこめて準備してくれた
特別な日だということを感じていたのでした。
ZZ‥GG‥
その日の二人の顔が、表情が、
もう一度ゆっくりと頭のなかを駆け回る。
かいとくんとはるなちゃんが風船を追いかけて走る映像が浮かぶ。
子犬のように息をはずませて、楽しそうに走り回る二人。
まるでディズニーランドではしゃいでいるかのような
笑顔と歓声が聞こえる。
おつかれさま。本当によくがんばったね。
あの日は、たぶん、地上のすべての優しい者たちが、
自分たちを応援してくれる日だったんだね。
だから二人ともあんなにいい笑顔で、
みえない敵と闘っていたんだね。
□ □ □
それが私の思いこみでないのは、
保育の人から話を聞いて分かりました。
みんなと一緒に保育室で夢中で遊んでいた二人は、
ママさんたちの発表の時も、
そして終わりの言葉のときも、
「出番だよ」という声を聞くと、
一瞬で遊ぶのをやめ、講演会の会場に向かいました。
私たちは、子どもがその小さな体と心で、
自分自身の人生を誰よりも真剣に闘い生きていることを、
つい忘れてしまいます。
ZZZ‥GGG‥
そのことを改めて確かめさせてくれたのが、
先日のはるなちゃんの夢でした。
はるなママさんが送ってくれたメール(^^)v
《昨晩、はるながみた夢……
つばさの会でおやつを食べているときに、
ラビリンス(はるなの好きなアニメ・プリキュアの悪者)が
出てきたところを、正義のヒロイン・プリキュアたちが来て
やっつけてくれたそうです。
お母さんたちもいた?と聞くと、
なんと大人は仲井さんだけ。
子どもははるなとかいとくんとはるくんの
3人いたそうです。
意味のない夢の話かもしれないけど、
深い意味がありそうな気もします。》
はるなちゃんとかいとくんにとって、
ずっと自分の小学校入学のことで
不安そうな顔をしていたパパママが、
「ナカイサン」という言葉を口にするようになってから、
どこか以前のような不安な響きが消えていったのでしょう。
はるなちゃんの心の中では、
「ナカイサン」は「プリキュア」であり、
かいとくんの心の中では、
「ウルトラマン」か「仮面ライダー」に違いありません。(o|o)
ここで間違って「ゴジラ」とか書くと、
仲井さんに怒られるからな~(>_<)
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