ようこそ 2020就学相談会へ(その8)
わたし・たちの詩

わたしはこんなふうに、言葉で話しかけるやり方だけど、
あなたはそんなふうにして話しかけるやり方なんだね。
わたしはみんなについていくのに一生懸命だけだど、
あなたはそんなふうに自分のいたいようにいられるんだね。
わたしは大好きな友だちと遊んでいるときが一番楽しくて、笑顔でいられるけど、
あなたはそんなふうに、木の枝が風に揺れるのをみて楽しそうに笑うんだね。
わたしは怒られないように、先生の言うことをいつも気にしているけれど、
あなたはそんなふうに、何にも聞いていないふうにいられるんだね。
でも、私たちがドラえもんの話をしているときは、ちゃんと聞いていたよね。
あの時だけ、あなたはこっちをチラチラみてたでしょ。
わたしは忘れものをすると、お母さんに叱られるけど、
あなたは忘れものをしてもしなくても、気にならないみたいね。
昨日はランドセルもどこかに置いてきたし。
ねえ、わたしはここで、こんなふうに生きているんだけど、
あなたはここで、そんなふうに生きているんだね。
わたしはあなたの考えていることやしたいことが、よく分からないときがあるけど。
でも、わたしもあなたも、いっしょに教科書を開いて、勉強している。毎日をここで楽しんで生きているいるのはいっしょだね。
わたしたちの先生は、わたしもあなたも、おなじ生徒だって思ってるし、あなたにもわたしにもお母さんがいる。
あなたのことを、変なやつっていう子もいるけど、わたしにはあいつの方がへんなやつって思うし。でも、他のクラスの子があなたをからかったとき、あいつがかばってくれたこともある。
ねえ、わたしはテストで100点が取れないと不安になることがあるけど、
あなたは空が暗くなると泣きそうな顔になるよね。
そういう時の帰り道は、寄り道しないで、私たちの後ろをついてくるんだよね。
わたしがいっぱい笑えるとき、あなたも一緒に笑っていると、少し安心が増える気がする。
みんなが楽しそうに笑っているとき、あなたがそこにいると、わたしはわたしたちなんだって思う時がある。
わたしは、毎日、こんなふうにわたしで生きている。あなたは、そんなふうに、あなたで生きている。
同じ教室で、同じ毎日を、同じ子ども時代を、ここで、一緒に生きているんだね。