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ワニなつノート

「定員内不合格死」が起きる前に(その6)

【県民の信頼を損ないかねない憂慮すべき事態】

         □

「障害を理由にした定員内不合格はあってはならない」という文部科学大臣は、どうせ口先だけだと校長は考えている。

だから「ショウガイガリユウデハナイ」と言っておけば、教育委員会も文部科学省もごまかせると高を括っている。

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去年、船橋高校の酒匂校長は、71人の定員が空いている定時制で、障害のある子一人だけを不合格にして、県教委の通知について「私が読んだ際に努力義務であると理解した」と言った。

通知は《1次試験で不合格だった中学生にとって、「最後の受検機会」なので、くれぐれも「定員内不合格」を出さないように》という内容だった。

 

今年も、船橋法典高校、土気高校、泉高校、佐倉南高校で、同じような対応が繰り返された。

「県教委の通知は無視していい」、と高校の校長たちは信じているらしい。

「義務教育じゃないから、基準に達しない子は切り捨てていい」

その「基準は、校長が決める!」

 

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【各県立高等学校長 様

令和6年度千葉県県立高等学校入学者選抜における定員の確保について

令和6年度千葉県県立高等学校入学者選抜における定員の遵守については、令和 5年12月20日付け教学指第1490号「令和6年度千葉県県立高等学校入学許可候補者の決定について」で通知しているところであり、受検者数が定員に満たない学校において、特に慎重に審議する必要があると判断した場合には、「入学者選抜における専門家委員への意見聴取制度」も活用しつつ、検査結果等の選抜資料をもとに入学者の選抜を行っていただいております。

過日実施された本検査及び 追検査において、いわゆる定員内不合格者数は、昨年度と比較して大きく減少しており、多くの学校で定員の遵守についての理解が進んでいるものと認識しています。

一方で、依然として定員内不合格者がいることは、憂慮すべき事態であり、遺憾であります。

ついては、第2次募集及び通信制の課程の入学者選抜二期入学者選抜を実施する学校においては、改めて上記通知の内容を踏まえ、学ぶ意欲のある生徒の学びの場を確保する観点から、学ぶ意欲があると判断できる受検者を定員内不合格とすることのないよう、対応願います。

なお、本検査及び追検査において、定員内不合格者を出した学校にヒアリングを実施していますが、第2次募集等においても、同様の対応を予定しておりますので御承知おきください。】

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この通知を、「努力義務だから守らなくていい」と言えるのは、「義務教育じゃないから、基準に達しない子は切り捨てていい」「基準は、校長が決める!」と考えているからだろう。

「校長はやりたいようにやり、子どもは従うだけ。」

これは、教育か?

「基準に達しない子は学び直す価値がない」、「助ける価値もない」!!

こんな高校入試を、私たちはいつまで続けるのか。

【写真:仲村伊織】

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