ワニなつノート

リンゴとドングリと子どもたち(1)



リンゴとドングリと子どもたち(1)

突然ですが、ワニなつ 2009年の本・
一等賞が決まりました(・。・)

『奇跡のリンゴ』です。(石川拓治著 幻冬舎)

今年1月に、最初に読んだ本が、『奇跡のリンゴ』でした。
主人公は木村秋則さん。
去年、向谷地さんの本から紹介しましたが、
この本は知りませんでした。

で、読み終わった瞬間、今年の一等賞に決まりました。

その訳を、ちゃんと書きたいと思っていたのでしたが、
いっぱいありすぎて無理そうです。
という訳で、少しずつ紹介していきたいと思います。

まずは、木村さんが無農薬のリンゴをあきらめ、
首をつるつもりでロープを手に山に入り、
そこで、ドングリの木に出会った場面から。


『奇跡のリンゴ』 石川拓治著 幻冬舎 

(126~7)
自分はいままで、リンゴの木の見える部分だけ、
地上のことだけを考えていた。
目に見えないリンゴの木の地下のことを考えていなかった。

堆肥を与え、養分を奪われないように
雑草を刈ることしかしてこなかった。
葉の状態ばかりが気になって、
リンゴの根のことを忘れていたのだ。

こんな草の中で、ドングリの木はすくすくと育っていた。
いや、草が生えているからこそ、
ドングリは元気なのではないか。
この柔らかな土は、人が作ったものではない。

……

自然の中に、孤立して生きている命はないのだと思った。
ここではすべての命が、他の命と関わり合い、
支え合って生きていた。

そんなことわかっていたはずなのに、
リンゴを守ろうとするあまり、その一番大切なことを忘れていた。
……


病気や虫のせいで、
りんごの木が弱ってしまったのだとばかり思っていた。
それさえ排除できれば、リンゴの木は健康を取り戻すのだと。

そうではない。虫や病気は結果なのだ。
リンゴの木が弱っていたから、虫や病気が大発生したのだ。

どんぐりの木だって、害虫や病気の攻撃に晒されているはずなのだ。
それでもこんなに元気なのは、農薬などなくても、
本来の植物は自分の身を守ることができるからだ。

それが自然の姿だ。
そういう自然の強さを失っていたから、
リンゴの木はあれほどまでに虫や病気に苦しめられたのだ。

自分のなすべきことは、その自然を取り戻してやることだ。

掘っても掘っても、山の土は柔らかく、
そしてほのかに温かかった。
目に見えない、小さな命がここで生きているのだと思った。

この土を再現すれば、リンゴの木は必ず根を伸ばす。
そしてドングリの木と同じように元気になるだろう。
そう思うというのではなく、
そうなのだと心の深い部分で確信していた。
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