「障害のあるふつうの子ども」のことを、入学前に学校に
話しに行くことについて、私はどちらでもいいと思ってきました。
まず単純に、障害のないふつうの子どもたちの親は、
入学前に先生と話し合うことはしません。
だから、障害のあるふつうの子どもも、
行かなくてもいいかなと思います。
子どもたちは、みんな入学式から「始まる」のだから、
障害があるからといって、予め挨拶に行ったり、
子どもの説明にいかなければいけないことはないかなと思います。
そのことに意味があるとしたら、親の安心と、
学校の先生の安心のためかなと思います。
でも親の安心も先生の安心も、子どもの生活に関わるわけで、
どうしても親が不安なら、話に行くのもありだと思います。
ただし、「子どもの説明」「障害の説明」はしない方がいいと思うよ
と言ってきました。
なぜなら、そこで説明しようとする「子どもの行動」や
「苦手なこと」は、たとえば幼稚園や家での姿であって、
子どもが初めての小学校で、ピカピカの一年生としてどうするかは、
誰にも分からないからです。
また、親が不安なことをいっぱい伝えることは、
先生の先入観や余計な不安につながり、
それが子どもへの型通りの接し方になってしまうこともあります。
だから、入学前に話にいくにしても、
「先生と子どもたちとのはじめての出会い」という折角の機会を
じゃまなしない方がいいなと思っています。
という訳で、6年前のNaoちゃんとやっちをネタにしてみます。
【3点だけ要望を伝えました。
一つ目は、「障害児に対して、理解ある先生を担任にしてほしい」
ということ。
二つ目は、「現在通う保育園に娘をいじめる子がいるのでクラスを
別にしてほしい」ということ。
三つ目は「少しでも気が散るのを防ぐため席は前の方にしてほしい」
ということです。】
私は、二つ目と三つ目はいらないかな、と思います。
たぶん、Naoちゃんママも、今ならうなずいてくれると思います。
もちろん、一つ目は、「親の安心のため」には悪くないかな、
と思いますが、考えてみれば、ごく当たり前のことですよね。
【そんな親の心配をよそに、何事もなく、
本当に何事もなく無事に式は終わってしまいました。
拍子抜けだった入学式でしたが、
これほどまでちゃんと出来た行事は今まで一度もなかったので、
私も主人も本当に嬉しかったと同時に驚きました。】
こんなふうに、親の期待を裏切ってくれる子どもは少なくありません。
もちろん、やっちゃんのように、親の期待通り(心配通り)に
走り回る子もいますが…。
【4月上旬にやっちゃんを連れて学校に行きました。
まず外階段を上ったり、校長先生、教頭先生に挨拶もせずに
校内を勝手に探検し始めました。
戻ってくると、私の財布からお金を取ったり、「いけない」と言うと、
一緒に連れてきた妹を泣かし、バトルが始まりました。
いろいろなことをやってくれたので、
言葉で説明する手間が省けてよかったかなと思いましたが…。】
よく「自閉症」の子どもは初めての場所が苦手だから
入学前に学校を見学した方がいい、という話も聞きますが、
私はあまり必要を感じていません。
やっちゃんママも、たぶん今なら、「やっちゃん自身にとっては」
どっちにしてもたいした違いはないかなと、言ってくれると思います。
ただ、やはり親の安心のためにはいいのかな、というところです。
「いろんな人が私たち親子のことを考えてくれている…」
と思えることは、親にとっても子どもにとっても嬉しく
大切なことだと思うからです。
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岩ちゃん
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